ミシン目はお好きでしょうか

キゥプィ・コレクソン

 

 

 

先週分のお返事コメントの中で、昔オールドノリタケを集めていたという話をしました。あのコメントを書きながら、そう言えばノリタケ以外にも今までいろんなものを集めて来たなぁと思ったら、ちょっと自分の蒐集史を振り返ってみたくなったので、思い出すままに書いてみることにしました。

 

 

-幼稚園のころ　　乳酸飲料「森永マミー」の紙ブタ

　

たったの三、四枚しか持っていなかったのでコレクションとは言えないかもしれない。一枚だけフタの裏に鳥のような絵が描いてあるものがあった。これは別に「アタリ」というわけではなかったと思う。マミーは味と匂いは好きだっだけれど肌色っぽい変な色が嫌いだったので、色は見ないよう目をつぶって飲んでいた。そんなことを思い出していたら、マミーのガラスびんの、あの厚ぼったい飲み口の感触までが唇によみがえってきた。あのびんでもう一度飲みたい。

 

 

-小学生のころ　　シール・ガムの包み紙が写し絵シールになっているもの・においつき消しゴム・漫画イラスト付きのメモ帳

 

とにかくシールに魅力を感じていた。友だち兄妹の家に遊びに行ったらものすごい量のシールのコレクションを見せられ、うらやましさのあまりノドから灼熱の魔手が飛び出そうになった。「あげる」というので最低１００枚はくれるかと思ったら、ほんの２、３枚くれた。シールをシートのままではなく、絵柄に沿って一枚ずつ切り取ってからタッパーにしまうという保存の仕方も目新しく、その日にマネをした。このふたりのコレクションは、今考えてもウズウズしてくるほどの圧倒的なボリュームだった。
Ｓ谷きょうだい、どうしているだろうか。その節はシールを２、３枚くれてありがとう。

 

写し絵シールも好きだった。親指と人差し指の爪で丹念にこすっていると、やがて表面のセロファンが浮き上がってミチミチ言い出す。あの音が好きだった。机だの柱だのにせっせと写し、しばらくしてからそれを定規のエッジで一気にしごき落とすのが快感だった。床柱にもチャレンジしたら、怒られた。

 

においつき消しゴムも、ずいぶん買った。どぎついニオイに陶然として、勉強がさらにおろそかになった。

メモ帳は、短冊形の用紙がミシン目で三段に区切られているものが好きだった。切り離すと、名刺サイズになる。「なかよし」や「りぼん」の付録にも、この手のメモ帳がついていたことがあったと思う。
ミシン目を見ていると、用もないのに無性に切り離したくなる。ミシン目が縦横無尽に走った帳面は無いか？硫酸紙ほどの薄さから画用紙くらいの厚さのものまで、様々な質感と厚みのミシン目だらけの紙を綴じた帳面。あれば千円出す。

 

 

－中学・高校生のころ　　シール・便箋・筆記用具・森永ハイクラウンのおまけの「フラワーフェアリーカード」・箱・缶

 

シールは相変わらず好きだった。筆記用具は特に変わった形のボールペンが好きで、棒付きキャンディー型のとか魚型のとかが、ペンケースにじゃらじゃら入っていた。どれも書き心地は悪かった。トウモロコシをかたどったものは特に書きづらく、なにより持っているひとをバカに見せた。

 

「フラワーフェアリーカード」については、以前書いた。

 

高校生のころから、箱とか缶とかの入れ物が好きなってきた。今も好きで、デザインの良いものをなんとなく集めている。小さいサイズのものに、より魅力を感じる。世の中に箱好きのひとはけっこういるけれど、箱に惹かれる理由は何だろう。「中に何が入っているか？」というようなサプライズ的な興味とは無関係なことは、はっきりしている。

箱と同じ感覚で、引き出しも好きだ。引き出しのたくさんついた箪笥などを見ると、欲しくてたまらなくなる。出来の良い雛道具の箪笥や針箱や長持ちを見ていると、なんかもう、歯ぎしりしそうになる。そういうひとは、意外と多いと思う。

 

 

また夜の１１時を過ぎてしまった。

もう寝ようっと。大学以降の話は、またいつか。

 

いかにも取ってつけたように言うけど、みんなのガラクタ・コレクションの話もぜひ教えてね。