どこが違うかわからない

スミレの砂糖漬け 

先週「行く夏を惜しんで」とか言いましたが、相変わらず毎日暑いですね。ここまで来ると、逆に涼しくなるのがこわいです。「秋が来たな～やっと涼しくなったな～」なんてホッとして気ぃ抜いたとたん、死ぬんじゃないかと思います。
死なないまでも、ひどい抜け毛とかしそうな気がします。お互い睡眠をよくとって、なるべく疲れを溜めないようにしましょう。
きのうの夜TVを見ていたら、F１レースが大好きというジャニーズのタレントが出ていました。特別好きなタレントではなかったのですが、F１について語るそのひとを見てちょっと好感を持ちました。何か自分の大好きなものやことについて、その大好きさがあふれ出るように熱を込めて話しているひとを見ると、こちらまで楽しい気分になりますね。

そのタレントはフォーミュラ・カーのシルエットを見ただけで、それがどのメーカーのものであるかを言い当てていました。「ノーズ」がどうの、どこかの部品の「反り」がどうのと、細部のデザインの違いで判断していたようなのですが、私の目にはどれもまったく同じにしか見えませんでした。
フォーミュラ・カーはともかく、私の場合そもそもふつうに道を走っている自家用車も、あまり区別がつきません。そりゃＢＭWとミニぐらい違えばさすがにわかりますが、国産のファミリー・カーなんかは（いろんなデザインがあるはずなのに）、ほとんど全部同じに見えます。自分ンちの車も、おもに車体の色だけで見分けをつけております。

車で買い物に行った帰りなど、駐車場でうちの車と色が同じというだけで、夫に言わせればデザイン的には似ても似つかないよその車のドアに迷いなく手をかけたりして、自分で間違っておきながら数台向こうで「こっちだよ！」と手を振る夫にお門違いのイラ立ちを感じたりする。もういいじゃないか、この車に乗っちゃえば。色が同じなんだから。とすら、思う。そんな捨て鉢な気分になることが、年に数回あります。こんなことを繰り返していると、いつか車上荒らしと勘違いされて、通報されてしまうかも知れない。そのとき「だって色が同じだったから」という言い訳は、どこまで通用するのでしょうか。

車に関する識別能力は病的に低い私ですが、その一方で身につけるものや小間物・家財道具の類のデザインや質感、色味に関しては、微妙な差違が気になり、時に小うるさい注文があったりします。

逆に夫は、この手のものについてはまるで違いのわからない男です。たとえば私はベージュ色のネイルカラーが好きで、ベージュ系のグラデーションで６、７色そろえていたことがあるのですが、それを夫に見せると「全部同じ色じゃん」とか言うわけです。ひと口にベージュ系と言っても、ピンク・ベージュもあればオレンジ寄りのベージュもあり、黄色がかったベージュもあれば白っぽいべージュもあって、私に言わせればどれも全然違う色であり、それぞれ似合う似合わないもある。だから「同じ色じゃないって。全然違うって」と言い返すと、「でも意味はいっしょだよねぇ？」などとたたみ掛けて来たりする。

意味？　意味とは？　意味とはどういう意味ですか？
知るか、意味なんて。あっち行け。

とならざるを得ないことが、このひと相手に年に数十回あります。

 

これは要するに、関心の度合いによってものの見え方も変わってくるという単純な話に過ぎないのですが、そういうのって面白いですね。場合によっては、こわいことのような気もしますが。

 

皆さんはどんなとき、どんなことについて「違いのわかる・わからない　男/女」になりますか？