星に願いを~ 美月より心を込めて

徒然に想いのままに綴ります。不快に感じる方は通り過ぎてくださいませ。

秘密の小部屋

2013-05-03 23:10:45 | 夢を叶えるために

小部屋と呼ぶには広すぎる

3LDKの広々とした空間です

ふたりで家具を選んで

食器や雑貨、カーテンまで

すべて、ふたりで揃えました

 

激しい運動?を

厳しく止められている彼と

(少し不満気でしたが)

ゆっくりと過ごしています

貪り合うように肌を重ね続けた頃より

深い愛情を感じることが出来ました

何かに憑りつかれた様に

ひたすら眠り続けては目覚めて

瞼に口づけながら

互いの鼓動を確かめる

「動いてるね‥良かった」

『美月が毎日泣きすぎて

 痩せ細って胸が

 小さくなってやしないか

 すごく心配だった(笑) 』

 

 

不思議なもので彼と別れてからの

二十数年間、涙を見せることは

ほとんど無かったのに

彼の前では感情を抑えられなくて

すぐに涙が零れてしまう

素のままの自分をさらけ出しても

愛おしく感じる幸せに

心から感謝したい

 

順調に進めば

6月中旬頃に退院できるようです

彼を救ってくださった医師(センセイ)を始め

毎日、温かい言葉で

励ましてくださった看護師さん

傍らで見守り支え続けてくれた御家族へ

言葉にならない感謝の想いです

 

私は彼がこの世に

存在してくれていればいい

もう二度と出逢えなくてもいいと

本気で思ったことを伝えました

そして余りある預金通帳を返しました

「私は一人でも生きられます

 これはお返しいたします」って‥

『そうだね、もっと大きくしてから渡すよ

 こんな額では足りないって思ってた(笑) 』

少しずつ二人で重ねて積みあげる

かけがえの無い時間一秒が

私の宝物で命の源泉なのだと‥

 

『いつか月で二人だけで暮らそう』

「うん‥愛してる?」

『千年先まで愛してるよ』

叶わない夢だと‥

決して叶わぬ愛だと分っていて

音にするのは哀しい溜め息

彼の痩せた身体に私の重い愛は

どれほどの負担だったのでしょう

「ごめんね‥」

『もう少し眠ろう‥一緒だと安心する』

ゆっくり、ゆっくり生きてください

私より一秒でも長く生きていてくださいね

心の中で呟きながら

彼の鼓動へ唇をあてる

今、この時に心から感謝しながら


 

 

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お見舞い参上!

2013-05-03 01:52:19 | ふたりごと

勇気を出して愛を届けに行って来ました

実況中継風にお伝えします…

「思っていたより、お元気そうで」

『やぁ遠路遥々、悪かったね』

「ご家族の方は?」

『もうすぐ来ると思うけれど、会いたいかい?』

「もちろんです、御挨拶しなくちゃ」

『素行が悪すぎてGPSを埋め込まれるんだ』

「えっ、もう一度手術するの?」

『そんな訳ないだろう‥此処へおいで』

「ダメ此処は私のテリじゃないから」

『繋がれていて俺から行けないのに‥』

「そんな仔犬のような瞳で見つめてもダメです」

『・・・・・』

「これ、お見舞いのお花と関東圏内の親戚から・・」

ふいに背中から抱きすくめられて

床に散らばる御見舞いの封筒‥

『あ~いい匂い美月の香りだね』

突き飛ばす事は出来ないけれど

誰かが入ってきたら‥という恐怖心で

「ちょっと、やめてください悪ふざけは」

『美月の背中が誘っていたよ』

うっ‥確かに

そうかも知れないけれど‥

此処は不味いでしょう人の気も知らないで

 

 

少しずつ身体をずらしながら離れると

『こんなに待っていたのに冷たいんだね』

私の手を彼の熱くそそり立つ処へ・・

耳まで真っ赤になりながら泣きだして

「どうして、そんなに意地悪するの?」

『ごめんよ夜まで待てそうにない』

耳元で囁きながら軽く咬んで温度を確かめる

「絶対にダメです。〇〇さんが来たら・・」

『誰も来ないよ明後日まで』

「?・?・?・?・?」

驚いて振り返ると目の前に彼の顔が

唇をふさがれて言葉にならない

あふれる涙と想いを受け止めながら

ワンピースのファスナーをゆっくりと降ろしはじめた

「えっ本当に此処で脱がせるつもり?」

『いけない?』

「此処はダメ‥此処は家族のテリだから」

『仕方ないな夜まで我慢しますか』

「?・?・?」

『家族は親族の行事で明後日まで不在』

「?・?・?」

『僕はこれから外泊許可をもらって仕事に行くんだ』

「何処へ‥」

『ふたりの隠れ家へ』

「明後日、帰りの飛行機を取っちゃった」

『帰さないつもりの片道切符だったのに』

「そんなこと言ってくれなきゃ分からない」

『キャンセルしなさい離さないよ』

そう言いながら春色ワンピースを

さらっと脱がせて胸に顔を埋めたのです

ほんとうに病人でしょうか?

久しぶりの彼のつむじに頬を寄せながら

愛おしさを込めてギュって一度だけ

軽く抱きしめて油断させてからスルリと脱出

ドキドキッ、マズイです・・・

このまま完全に彼のペースの三日間がっ始まりそう


「隠れ家」編は次回へ続きます‥



 

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