医薬品業界の『2010年問題』

2007-02-24 22:37:21 | 治験の活性化
アロウ「『団塊の世代』(だんかいのせだい)の皆様が定年退職される『2010年問題』とか『2007年問題』(今年だ!!)という言葉が有りますね。( 昭和22年-24年生まれの団塊の世代は約670万人!!)」

かりん「医薬品業界では、それとは別に『2010年問題』が有ると言われているわ。」

アーリータイムズ「ブロックバスター(年間売り上げ10億ドル以上)と呼ばれる新薬の特許が切れて、代わりにジェネリック医薬品が出てくるんだよね。」

おかめ「新薬の開発は時間がかかるから、2010年以降に承認される新薬はある程度、予想ができるわ。」

通りすがりのお方「2010年まで、あと3年だから( 2007/02/24 現在)、今現在、フェーズ1にある治験薬がぎりぎり承認されるかどうかってところだ。」

りら「この医薬品業界の『2010年問題』は経済的にもダメージが大きいので、一般メディア、たとえばニューズウィークなんかでも特集されていたわよ。」




■ネットで見る医薬品業界の『2010年問題』


R25の医薬品業界の「2010年問題」って知ってる?


リアルコムの製薬企業の臨床開発におけるナレッジマネジメント


未来年表(←これは面白い! by ホーライ)


毎日就職ナビの業界徹底研究

なつきさんのお嬢さん「医療費抑制という観点(と自分が患者になった時の観点)では、薬が安くなるのは助かるけれどね。」

チビ姫「会社によっては今から特許切れを見越して(利益が減少することを見越して)、従業員や研究所の縮小を開始したところもあるから、大変なことなのよ。」

パチョレック池上「製薬会社も営利企業だからね。」



モニ太郎「でも、どうして、今、『2010年問題』なの?」

りんご姫「たとえば、製薬会社がひとつの薬に大きく依存していた(しすぎていた)、という考えもある。」

捨て猫「それにゲノム創薬という言葉が出てきて久しいけれど、新薬の開発が困難になってきた、ということもある。」

べのした「基礎研究が応用技術まで成長するのに時間がかかるしね。」

有馬街道「さらに薬の開発はそもそも時間がかかる。」

バカボン「新薬の開発にお金も時間もかかるという、いつもの問題が結局、『2010年問題』の根源なわけだ。」



小桑院「製薬企業では二つの『2010年問題』ということで大変?」

さくら「もちろん、業界としては一般的にそう言えるけれど、個々の企業になると、それはまた別問題じゃないかしら?」

博多小町「うん。例えばH2ブロッカー、PPI、スタチン系、SSRI・・・・・・それぞれが今までも、まずひとつの製薬会社が新薬を見出し、そのブレークスルーが製薬業界全体に広がったわけよね。」

カルシファー「それは確かにそうだけれど、だから?」

かぐや姫「今までも、ドルショック、石油ショック、それに黒船(ICH-GCP)来襲などの問題を背負いながらも、企業は自分たちの生き残り戦略に『 画期的新薬の開発』を掲げてきている。」

百年の孤独「多分、これからも多くの困難が個々の一企業人から業界全体に渡るまで有るとは思うけれど、希望もこめて、大丈夫だと思いたいね。 」

Atsu-4「それは製薬企業の願いというよりも、人類の健康への願いでもあるわけだ。」

まきろん「その願いをかなえるためには、どうしたらいいのだろう?」

フラワー「他力本願?自力本願?」

デーモン部長「少なくともワシらは他力本願というわけにはいかないな。」



*この物語はフィクションです。






治験、臨床試験の情報サイト

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臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」

僕の治験活性化計画 by ホーライ

明日を創るもの

2007-02-24 22:36:13 | 治験の活性化
最近、社内でずっと「薬理のメカニズム基礎研修」をやっていた。

ちなみに、研修で使っている本は以下の本です。


やさしい薬理のメカニズム

この研修をやりながら思ったことは、「決断する力」がいかに大切か、ということだ。

新薬の開発方法は、科学的アプローチが変わっただけで、本質は原始時代と変わらない。

まず、病気の痛みや苦痛から逃れたいという生命の根源的願いがある。

そして、それをかなえるための仮説と検証が繰り返されて(いろんな植物や動物、果ては土くれまで試して)、新薬が誕生する。

なかにはまだ病気の原因がよく分かっていないが、とりあえず、こういう薬が効くらしい、なんていうのもある。



「ゲノム創薬」という名前はスマートだが、ひとりひとりの研究者レベルで考えると、結局は「新薬を作りたい」という夢があり、それができるはずだという「信念(信じる力)」があり、どんな困難が有っても新薬を開発するぞ!という強力な「決断」があるだけだ。


僕がこうしてチンタラとしながらも生きている理由は自分なりの「小さな」夢があり、それは実現できるはずだと自分で信じて、毎日、何かしらを決断しながら行動しているからだ。

大事なことは「夢」を信じて「決断」し「行動」することだ。



有名な話だが「アルツハイマー」の薬を開発した研究者のひとりは自分の母親が「アルツハイマー」になったことから、この病気の治療薬を創るぞ!と決断し、行動した。

その結果として今の薬がある。


毎年、製薬業界に何千人という若者が入ってくるが、そのなかの少なからずのひとが「新薬を世の中に出して、病気で苦しんでいる人を助ける行為に参加したい」と願っているはずだ。


ひとつの夢がひとつの新薬を創る。
その夢はひとりひとりの胸の中にある。
夢を信じて、決断し、行動する。


これまで人類が繰り返してきたこの単純だけど、強力な作業を今日も僕たちは続ける。

たとえその結果、新薬が開発できなかったとしても、それは少なくとも「明日」を作ってくれるはずだ。



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