「原爆はしょうがない」と言った大臣に読ませたい『夕凪の街桜の国』

2007-07-31 22:15:50 | 読書
原爆が投下されてから10年たった頃の物語。

それは、日本人の悲しみというよりは、人間の悲しみである。

いや、それは単純に「悲しみ」という言葉では言い表せない。

本の帯にはこうあった。

「読後、まだ名前のついていない感情が、あなたの心の深い所を突き刺します。」

そう。名前なんてつけようがない感情が胸の奥から湧いてくる。


『わかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ』

『思われたのに生き延びているということ』



こういう作品が世の中にあることを、まず驚く。


人間が何かを訴えたいとき、声高に叫ぶだけがいいわけではない。

むしろ、この本のように静かに語りかけられたほうが、心に響くこともある。

世の中を変えたいと思ったら、ひとり静かに、だけど、精魂込めて何かに打ち込む、ということもありなんだ。


また、8月がやってきた。

ヒロシマもナガサキも、アメリカもニホンも頭を垂れ、静かに祈り、考える時だ。


子どもに絶対に読ませたい本だ。


人間は悪魔にも天使にもなれるのだ、と。


この本を読み返し、泣けるうちは、僕はまだ、人間なんだなと思う。少なくともね。


夕凪の街桜の国




夕凪の街桜の国





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治験関係者に役立つ本

同意書を得ずに患者48人に抗がん剤の臨床試験を実施

2007-07-28 01:25:00 | 治験
神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)の外科医長ら医師2人が、乳がん患者48人に対し、同意書を得ずに、通常とは異なる方法で抗がん剤を使う臨床試験を行っていたことが分かった。
  ↓
同意書を得ずに患者48人に抗がん剤の臨床試験を実施


外科医長はこう言っている。

「文書での説明は時間がかかるので省略した。」

「時間」がそんなに大切なのだろうか。

いや、患者の「人権」と「時間」を比べること自体がおかしい。

言語道断だ。


「医者」と「患者」という関係に注目して考えるべきなのだろう。

こういう医者は自分を患者より上に見ているのではないだろうか。

もし、この医師の奥さんに同様なことが起こったら、どうしているだろう?


こういう適性のない医師に臨床試験をやらせないのが一番確かな方法なのだが、それを事前に見極めるのは極めて難しい。

その見極めるという行為を行う審査部門がまず無い。

本来ならば、IRBがその大切な「臨床試験を行うに適した医師かどうか」を見極める責任を負うべきなのだろうが、果たして、そんなことが現実問題としてあるのだろうか。

最低限、考えられることは、臨床試験が始まったら、常にモニタリングすることだ。

たとえば、患者さんの同意書の写しを必ず、IRBへ提出し、それが無い限り、薬の投与はできないとか。


残念ながら、治験や臨床試験では「性悪説」で考え、行動しないといけない。

IRBでチェックし、さらに薬剤部にも同意書の写しを提出しないと薬を払い出せないとか。

臨床試験や治験ではやはり、監視機能を持った組織が必要なのだ。

治験で言うならば、それはモニターであり、監査である。(もちろん、IRBもそうなのだが、実際のことを考えると、期待できない。)


そんな仕事をやってみたい方は、是非、製薬会社やCROの臨床開発部を志望して欲しい。

あなたがいないと、日本では、安全に臨床試験も治験もできないのだ。



【治験】

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臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」




生き方を変える質問方法『QT 質問思考の技術』

2007-07-25 05:53:23 | 読書
QTとは、Question Thinking(質問思考)の略だ。

あまり耳慣れない言葉だが、著者マリリー・アダムズが考案した思考技術である。

「今日は何を着ようか?」
「次に何をしようか?」

あまり明確に意識されることは少ないが、常に人は、自分自身に質問を投げかけている。
その質問を意図的に変えることで、建設的に考える能力を身につけ、自己評価や、人間関係、仕事の成果に結びつけようというのが、本書の提案。

米では、ロッキード・マーティンやNASA等で導入され成果をあげている今注目のメソッドである。



要するに学習する人は、何があっても自分にとってのチャンスだと思い、 学習しない人は、何があっても他人のせいにして自分を正当化する、 ということである。

学習する人はそのために自らに質問を課すことでチャンスをものにし、学習しない人は永遠に自分の固定観念から逃れられず成功しない、ということです。


大事なことが簡単に書いてありますが、これを実践するかどうかで、自分の未来を自分自身で左右することになります。



ビクトールフランクル(強制収容所で生き残った医師)の言葉にこういうものがあります。

「最後に残る人間の自由は、いかなる環境にあっても自分の態度を選択できること、自分の道を選択できることだ。」


この本では、自分に何が起きるかは選択できないが、起きていることに対して、自分が何をするかは選択できる。

だから、進んで選択していこう。って薦めています。
   

私たちは知らず知らずのうちに、事実に対して「学習者」の態度か「批判者」の態度をとっています。
   

この本を通して、「どうしたら学習者の道を選ぶことができるのか。」を自分へ質問をすることによって身につけることが出来ます。
  
選択の地図やワークを通して身につきやすく分かりやすく書かれた本です。


「どうやって水のある場所まで行こうか?」から「どうやって水を運んでこようか?」の質問へ変わった。

この質問が遊牧民の生活から農業の生活へと人類を誘ったことになる。質問の言葉のなんという偉大なことか。

そりゃそうだよね、私たちは「言葉」で「思考」しているのだから。

そして、「思考」したことを行動に移しているのだから。


この本をじっくり読んで自分がどういう態度をとってるか。振り返ってみるのもいいかもしれませんね。

特に、例えば今日一日で「忙しい」を3回以上言ったひとはには特におすすめです。


自分に投げかける質問を変えるだけで、行動が変わってしまった。

信じられないようですが、どんどんと行動が変わり、やる気になってきた。

こんな体験をしてみませんか?



セルフコーチングが誰でも簡単にでき、質問によって、自分と向き合うだけで、人との関わり方や、自分の行動と気分を変えることのできることが、とてもわかりやすく表現されています。

巻末には、付録でセルフコーチングの習慣をもてるように、実用的なツールもついていますので、この一冊でセルフコーチングができるようになります。


カウンセリングを受けたり、モヤモヤして悩んでいる方、これからの人生を変えたいと思っている方にも、是非、お勧めの一冊です!

とにかく「考え方を変えよう!」という趣旨の本が好きな方は、ぜひ読んでみてください。

一番の問題である「どうすれば考え方を変えられるのか?」を、この本が分かりやすく教えてくれます(逆に言うと、この肝心なところが抜けている本がなんと多いことか)。


また、書かれている内容はとても実用的です。

この技術を使用するのに辛い訓練は要りません。

すぐに役立てることができます。
 

本文は、ストーリー仕立てになっています。

ですから、読み始めたときは「技術だけを教えて欲しい」という気になるかもしれません。

ですが、そのような考えは、物語の途中で見事に打ち砕かれます。

自分が「批判者」になった読んでいることに気づかされるのです。
 
この気づきの心地よさを、皆さんもぜひ味わってください。


QT 質問思考の技術




QT 質問思考の技術




世代別、年代別の定番ビジネス書

世界に影響を与えたビジネス書

自己啓発の本、成功哲学の本 by ホーライ

新入社員に読ませたい本100冊 新入社員にお薦めの本100冊




意思決定力が身につくトレーニングノート

2007-07-22 18:15:33 | 読書
本書『意思決定力が身につくトレーニングノート』の特徴は、その名の通り、読むだけでなく、実際にエクササイズを考え、書きながら読んでいくという点にある。

とかくビジネススキルの本は「読むだけ」で満足してしまうが、実は、そこから実践に移らないと意味が無い。

そのためにも、本書のような読んで書く式になっていると、実践に移しやすい。


さて、本書の内容だがまず意思決定の前提条件から、意思決定のプロセス、決定に基づく実行での重要なポイントの解説がある。

さらに、応用と実践ということで、ビジネスにつきものの不確実性を管理する方法、不確実な未来のシナリオの考え方、戦略的ビジョンの作り方、とかなり高度なことまでカバーしている。

従って、本書の対象はマネジャークラス以上となるところだが、もちろん、新入社員が読んでもいい。


例えば、次のような経験を持っている人には特にお薦めできる。


・今やるべきことと後回しにしていい仕事の順序がつけれられず、部下の信頼を失いかけたことがある。

・過去の成功法則にしがみついて新たな事態の到来に気がつかず、あやうく大きなミスをするところだった。

・重要な意思決定とそうでない意思決定の区別ができず、商談等で致命的なミスをおかしてしまったことがある。

・先々のことは分からないと分析を怠った結果、本来予測できたはずのリスクに直面してしまった。


まずは、本書を読んで、トレーニングをやってみよう!


ちなみに、僕は本書を使った社内研修を実施済みだ。

効果はなかなかのものが有った。

その効果としては、まず、自ら考える社員が増えたこと、決断するスピードが上がったこと、想定外のことが起こることも考慮したアクションプログラムを作るようになったこと、などがある。


意思決定力が身につくトレーニングノート




意思決定力が身につくトレーニングノート




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47回目の『海のYeah!!』

2007-07-21 09:39:11 | 読書
サザンオールスターズのデビュ-20周年を記念して発売された2枚組ベストアルバム(ただし、1998/6/25の発売)。


夏と言えば、僕にとってはサザンオールスターズであり、それぞれの曲にまつわる自分のエピソードも重ね合わせると、このアルバムは外せない。

それにそもそも、このアルバムは「海のYeah!!」なのであり、夏を意識して選曲されているので、この時期にピッタリだ。


バカ騒ぎが似合う夏とそのバカ騒ぎが終わったあとの寂しさと切なさの両面をこのアルバムは見事に表現している。

たとえば挑発的な夏を表現しているのが「ディスク:1」の「勝手にシンドバッド」、「C調言葉に御用心」、「匂艶(にじいろ)THE NIGHT CLUB」。

「ディスク:2」では、「 シュラバ★ラ★バンバ」、「エロティカ・セブン」、「マンピーのG★SPO」等に代表されている。


逆に夏が持つ寂しさと切なさを表現しているのが「ディスク:1」の「いとしのエリー」、「夏をあきらめて」、「Bye Bye My Love (U are the one) 」。

「ディスク:2」では、「真夏の果実」、「涙のキッス」、「Moon Light Lover」等など。


他にも夏が持つ独特のパワーを感じる「希望の轍」や日本の夏を表現するのに欠かせない「愛の言霊(ことだま) ~Spiritual Message 」(お盆があったり、怪談が欠かせない夏)や「平和の琉歌」(原爆が2回落とされ、終戦記念日がある夏)等の曲もいい。


ちなみに僕個人のエピソードに重ねると絶対に外せないのが(理由は書けないが)「真夏の果実」。

この曲は「TSUNAMI」を彷彿させる名曲だ。

『砂に書いた名前を消して、波はどこへ帰るのか?』


ことしも「真夏の果実」の夏がやってきた。

僕にとっては47回目の夏となる。


海のYeah!!





海のYeah!!



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『この文庫がすごい! 2007年版』の第一位:『太陽の塔』

2007-07-18 00:45:29 | 読書
がははは!笑えたぞ!!

のっけからの『キャッチャーインザライ』(ライ麦畑でつかまえて)には驚かされたし、文体は今は懐かしい庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』風だし、知っている人なら37倍は楽しめる。

もちろん、そんなの知らんぞ、という人も楽しめる。(あ~~ぁ、可笑しい!)

『この文庫がすごい! 2007年版』(宝島社)の文庫オブ・ザ・イアー2007の第一位に堂々選ばれただけのことはある。

日本ファンタジーノベル大賞受賞作でもあるぞ。


どんな内容かというと・・・・・・


私の大学生活には華がない。

特に女性とは絶望的に縁がない。

三回生の時、水尾さんという恋人ができた。

毎日が愉快だった。

しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!

クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。

失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。


・・・・・・とまぁ、そんな内容なのだが、内容も、そりゃもちろん、いいのだが、それよりも軽快でユニークな文章とキャラクターの濃さは印象に残り続けるぞ。


うん、満足のいく本でした。

な~~~んにも考えずに楽しむだけのエンタィメント抜群の本です。

楽しめること、この上ない。


太陽の塔






太陽の塔



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治験担当モニター必読図書 治験のモニタリングの本「臨床試験モニタリングガイドブック」

2007-07-08 19:46:56 | 読書
本書「臨床試験モニタリングガイドブック」は、治験や臨床試験を担当しているモニターが行うべきモニタリング方法の詳細や出張の準備のための本、出張先のホテルで快適に過ごす方法など等、特に新人モニターには役立つ情報が満載の本だ。

実際は海外のモニタリングの本を翻訳したので、一部、日本の実情にソグワナイところもあるが、それがまた、海外と日本における治験の有り方を考える点でも有効だ。


モニター3年目までには、本書に書かれてあることはマスターしておこう。


臨床試験モニタリングガイドブック






臨床試験モニタリングガイドブック



次の「新GCP・モニタリング業務の実際」は、日本国内でGCPに沿ったモニタリングを行うにはどうしたらいいのか、どういう点に注意するとGCP違反を発生させないですむか、という点に主眼を置いて書かれた本だ。

上記の本と本書を併せて読むと、より一層、モニターとしてのスキルと知識が向上する。

(僕は新卒のモニター導入研修に両方を使用している。)



新GCP・モニタリング業務の実際




新GCP・モニタリング業務の実際―円滑なモニタリング業務推進のために



治験専門書店(サイト版)

治験関係者に役立つ本

架空の製薬会社「ホーライ製薬」

臨床試験、治験を考える「医薬品ができるまで」

人材開発入門:企業内の教育担当者、社内研修担当者、モニター、CRC教育研修担当者の皆様へのお奨めの本

2007-07-06 21:47:27 | 読書
★企業内人材育成入門

教育担当部署に入ったら、まず、真っ先に読むと良い本。

「企業研修」とは何か? 社内の教育部門に求められているものは何か? という「教育研修担当者」になったら、一度は必ず考えないといけない問題に触れている。

僕がこれまで読んだこの手の本の中では最も「本音」に近いことが書いてあり、提示している方法も具体的だ。

「社内政治」という避けては通れない問題にまで企業研修の本で踏み込んだのは本書が初めてではないだろうか?

トータルで「モニター教育部門」「CRC教育部門」をどう活動させたら良いかという示唆に富んでいる良書だ。

本のタイトルどおり、まさに「入門」編としては、今のところ、本書を越えるものは見つからない。

企業内人材育成入門




企業内人材育成入門



★はじめての教育効果測定―教育研修の質を高めるために

日本において、これだけ「企業内研修」の「教育効果」を体系的に紹介している本は、おそらく本書が初めてだ。(だから本のタイトルにも『はじめての』がついている!)

社内研修の品質管理という手法を紹介し(いわゆるPDSを回転させるやつ)、それを教育研修に当てはめるとどうなるかを考察している。

統計的手法(ただし簡単なやつね)も駆使しながら(もちろん、中には普通のもある)、多くの事例を用いて、「信頼のおける」教育効果の測定方法を紹介してくれている。

これは重宝している。


教育研修は、ただ数こなしてやればいいという問題ではない。

教育研修をやったなら、やったなりの効果が出ないと意味が無い(特に「企業内研修」の場合。)

自分たちの研修方法を見直すためにも、教育研修の質を上げたい人のためにも、お奨めできる逸品です!



はじめての教育効果測定




はじめての教育効果測定―教育研修の質を高めるために




★効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで

本書は上記の2冊に比べて、より「研修の方法・技法」が詳細に書かれている。
座学や集合研修しかやったことがない人には絶対にお奨めの本です。

いかに「楽しく」「効果的に」学びをサポートするか、というのがここで教育研修部と講師の役割だ。
いかに受講生に研修への興味を持ってもらうか、あるいはどうしたらインパクトのある研修になるか、そして(ここが一番大切なのだが)いかに研修で学んだことを実践に移してもらうかを考察している。

新米講師はもちろんのこと、ベテラン講師も自分の研修スキルをアップするためのヒントが数多く紹介されているので、参考になります。


効果10倍の〈教える〉技術





効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで





治験担当モニターの勉強法、優秀なモニターになる方法、スーパーモニターの育て方「モニターへの道」

『コンパッショネートユース(Compassionate Use:人道的使用)』を考える

2007-07-01 12:45:52 | 治験
現在、厚生労働省の「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」が未承認医薬品をいかにして、迅速に安全に患者へ届けるかを検討している。
今日(2007/07/01)現在、第8回まで検討が終了している。

この検討会の中で一部の未承認薬については『コンパッショネートユース(Compassionate Use:人道的使用)』を限定的に認めようではないかという方向で話が進んでいる。

詳細はこちら
  ↓
第7回有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会資料




新聞等の報(*)によれば厚労省はこれを受け、来年度導入に向け検討に入るらしいが、実際にはいつになることか。
(*新聞報道⇒06月29日の朝日新聞06月15日の毎日新聞


この制度を患者の立場で考えると、心配になるのがまず「費用」の問題だ。
未承認薬なので、当然、健康保険は使えない。全て、自費ということになるのだろうか?

また、「万が一」の副作用などが出た場合、それも重篤な場合に補償や救済されるのだろうか? 例えば、総合機構の「副作用被害救済制度」の対象となるのだろうか?
そして、それはいつまで未承認薬のままなのだろうか? 製薬会社は通常の健康保険が適応できるよう承認をいつかは取ってくれるのだろうか?

・・・・・・というようなことが心配だ。

そもそも、この『コンパッショネートユース(Compassionate Use:人道的使用)』の対象となるのが「重病で代替治療がない」場合を対象としているので、患者や家族は、この制度に期待をかけると思う。

しかし、これはあくまでも『特例』なのだ。
この制度の対象にならない「未承認薬」もあることだろう。そのような場合、患者はどうしたらいいのだろう?医師に頼んで個人輸入してもらうしかないのだろうか?

現在でも、難病で患者数が少ない疾患の治療薬は「オーファンドラック」制度があり、製薬会社に対しては税制上の面と審査段階での優先順位の点で優遇される。
でも、こういう制度が有ったとしても、もやっぱり製薬会社の思惑ひとつで、日本国内で開発するかどうかが決まる。

医師主導型治験制度も、この手の「製薬会社」がなかなか開発をしてくれそうもない場合、医師が自らその薬の治験をやることができる、ということがメインの目的として制度化された。
この目的はいいのだが、今のところ、期待されたほど活発に利用されていないようだ。


『ドラッグラグ』というのは、時間差があるけれども、日本国内でも承認され、使用されるから、まだましだ。

『コンパッショネートユース(Compassionate Use:人道的使用)』を検討する必要性というのは、そもそも、製薬会社が日本で開発する意志が無い(けれど、海外では使われている)治療薬が存在しているからだ。



先週からの繰り返しになるが「患者」にわざわざ「様」までつけて患者を思ってくれている製薬企業もあるくらいだから、是非、その「患者様のための」製薬会社になって欲しい。

ところで、「患者のための製薬会社」って、どういうことだろう?どんな会社なら、そう呼べるのだろう?




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