先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

22.鷲巣力『宅配便130年戦争』新潮社2006年

2006年03月13日 | Weblog
▼ 私は、教師をするまで、「宅配便」を「宅急便」と呼んでいまし
 た。教師になり、宅急便というのは、ヤマト運輸の宅配便の愛称だ
 ということがわかりました。
  次の名称は、みなさん、聞いたことがあるでしょう。

    「佐川急便」佐川急便
    「ペリカン便」日本通運
    「カンガルー便」日本通運
    「フクツー宅配便」福山運輸
    「名鉄宅配便」名鉄運輸
    「ふるさと特急便」「パンサー宅配便」トナミ運輸
    「中越宅配便」中越運送
    「ハート宅配便」岡山県貨物運送
    「西武宅配便」西武運輸

▼ 全国に宅配便業者は昨年の3月現在、34社あるといわれてい
 ます。よく知られているのは、上記の企業でしょう。
  先ほど、ヤマト運輸の「宅急便」が全ての総称のように思って
 いたと書きましたが、ヤマト運輸のトラック輸送による取り扱い
 個数のシェアは、37.2%で1位です。
  
▼ 私は、本を宅配で頼みます。1か月に1~2度は必ず頼みます。
 本の会社(例えば、アマゾンやBK1・ブックオフなど)によっ
 て、宅配便の委託会社が違うのです。
  でも、1番サービスがいいのは(私が個人的に感じるのは)、
 ヤマト運輸だと感じます。ある会社は、7時を過ぎたら、もう営
 業を終えていました。ヤマト運輸は9時までだったら電話がつな
 がり、必ず届けてくれます。
  共働きにとっては、頼もしい存在です。

▼ ヤマト運輸の小倉社長は、宅配便誕生の経緯の1つとして、身
 近な経験をあげています。

    小倉氏は、まだ宅配便を始めていない頃に、子息
    の洋服のお古を、甥に送ろうとしたことがあった。
    ところが、自分には送る手段がないことに気づい
    た、という。輸送会社の社長にして、輸送手段を
    もたない。家庭の主婦が日頃経験している不便さ
    を思い知ったわけである。同時に、「家庭市場は
    狙い目だ」と悟る。

  「目の付け所」が我々とは違うのです。

▼ 現在、ヤマト運輸は郵政省と闘っています。「ゆうパック」との
 闘いといった方がいいかもしれません。
  郵政公社の「ゆうパック」は2002年度で、宅配便市場の5.7%
 を占めるに過ぎませんでした。しかし、その2年後の2004年度は、
 7.47%に増加し、2005年度は10%を目標としているそうです。
  コンビ二は、今までヤマト運輸がその殆どを押えていたのですが、
 2005年には、ゆうパックの取り扱い店数が、ヤマトの取り扱い店数
 を上回りました。

▼ 「官」から「民」へ、郵政公社も移っていくわけですが、「民」
 というのは、「官」よりもいいのでしょうか?
  かつての、郵政公社について、笹かまぼこの会長は、次のように
 批判していました。

    郵便小包の欠点は、あて先不明で1か月くらいあと
    に戻ってくることがたまにあったことです。原因不
    明で戻ってくることもありました。一方、注文者か
    らは『まだ届かない』という苦情がときどき入りま
    した。確実性に欠けていたのです。
 
    ことにお歳暮やお中元の季節には、大量の注文を受
    けました。会社の近くにある中央郵便局で荷造りし
    て、ギリギリの時間に郵便局に持ち込む。そうする
    と、局員が露骨にイヤな顔をする。彼らにしてみれ
    ば、仕事がおしまいになる時間に仕事が入ってくる
    わけで、面白くなかったのでしょう。商品を放り投
    げたりして、扱い方がとても乱暴でした。

    郵便局に不満を抱いていたことが、宅急便を使って
    みた最大の理由だという。ところが、使ってみると、
    思いのほか、トラブルもないし、事故もない。しか
    も、お中元やお歳暮の繁忙期には、応援部隊が数人
    から10人も来てくれて、発送を手伝ってくれる。
    こういう支援は今日まで続いている。

▼ 公立小中学校は、まさしく「官」です。
  「官」の良い面もありますが、悪い意味で「官」と言われない
 ように、私たちも気をつける必要があります。そんな思いを抱か
 せてくれた本だったなあと思います。

私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。