先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

21.竹内一郎『人は見た目が9割』新潮社2005年

2006年03月12日 | Weblog
▼ ブックランキング上位を走る新書です。ベストセラーになってい
 ると聞いています。
  実は、この本の著者の竹内一郎さんからメールが来ました。
  昨年の秋頃だったと思います。

    あなたのホームページの内容を本に載せます。

 という内容のメールでした。そして、1週間後に新潮社から本が送
 られてきました。

▼ 私のHPの内容が載っているのは、

    第7話 良い間、悪い間、抜けてる間

 の『「読み聞かせ」のコツ』という部分です。3ページにわたって
 内容が紹介されています。

    小学校の先生で千葉昌之という方が、「『間』のと
    り方の工夫」という題で、ホームページ上に文章を
    載せている。彼は「読み聞かせ」のアイデアとして、
    「重要な部分の『前』『後』では、しばらく沈黙す
    る」と書いている。・・・・・

▼ 何だか宣伝になってしまいましたが、この本は、とても面白かっ
 たです。
  心理学・社会学からマンガ・演劇など、様々なジャンルの知識に
 基づいたコミュニケーションのとり方が記されていて、参考になり
 ました。
  ある文章を紹介します。この本の題名のいわれでしょうか?

    アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士
    は人が他人から受けとる情報の割合について次のよ
    うな研究成果を発表している。
      ○見た目・身だしなみ、仕草・表情 55%
      ○声の質(高低)、大きさ、テンポ 38%
      ○話す言葉の内容 7%
    話す言葉の内容は7%に過ぎない。殆どは、見た目・
    身だしなみ、仕草・表情、声の質、大きさ、テンポ
    で決まっているのである。
     ついついコミュニケーションの「主役」は言葉だ
    と思われがちだが、それは大間違いである。実に9
    割以上が、見た目その他だということが分かってく
    る。多くの人が実は「人を見かけで判断」している
    のだ。

▼ そして、学校教育を次のように批判しています。

    にもかかわらず、学校教育では「言葉」だけが、
    「伝達」の手段として教えられる。だから7%を
    「全体」と勘違いしている人が生まれる。たとえ
    ば、「本をたくさん読む人」が必ずしも「情報を
    たくさん摂取している人」ではないのである。私
    たちは「本をたくさん読む人」の中に、人望もな
    く、仕事もできず、社会の仕組みが全く理解でき
    ていないと思える人がたくさんいることを知って
    いる。

▼ これは一理あると思います。
  私が勤務した以前の学校でのこと。
  その学校は「夏休み体験文発表会」というのがありました。クラ
 ス全員の発表を行い、クラスの代表1名を決め、全校で発表会を行
 うというものです。
  さらに、12名の発表者(1学年2クラスでしたので)の中から、
 最優秀賞・優秀賞などの賞を決めるのです。
  当時(13年前)、4年生の受け持ちでした。代表をクラスで選び
 ましたが、どうも内容があまり良くなかったのです。しかし、声の
 大きさや声の張りの良さ・テンポが抜群の子どもでした。
  内容は変えられないので、その良い部分だけを練習して大会に臨
 みました。
  すると、最優秀賞(6年生のあるクラスと同票の)に輝きました。
  
▼ 子どもの選挙演説なんかもそうですよね。
  内容はたいして変わらないんですよね。それよりも、声の大きさ
 や質・表情などが大きなポイントになると思っています。
  最近は、スピーチやプレゼンテーションなどの方法を教える授業
 が行われています。非言語のコミュニケーションを重視する傾向が
 出てきていると言えます。

▼ 最後に、実生活でのヒントとなる文章をいくつか載せます。

    人間は、前髪を垂らすと、3~4歳は若く見えると
    いわれる。だから、自分を若く見せたい場合は、一
    般に前髪を垂らす。大人びて見せたい場合は、前髪
    を上げる。

    子供の遊戯室の内装の色と知能指数の関係を調べた
    のである。子供たちを2つのグループに分け、1つ
    は明るい色を使った部屋、もうひとつは白と黒と茶
    に塗った部屋で遊ばせたのである。明るい色を使っ
    た部屋で遊んだ子供たちの知能指数は12点上昇し、
    白黒茶に塗った部屋で遊んだ子供は、14点も下が
    ったのである。

    1組の男女が結婚する確率は、婚約者同士の距離が
    遠くなるほど減少する・・・・・。これはボッサードの
    法則といわれる。
 
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。


3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (しのりお)
2006-10-21 01:14:00
こちらの本から、HPそしてブログへとお邪魔しています。



東京都内の公立小学校でこの夏、ボランティア活動として、子供たちに発声法からスピーチを教えました。



声は魅力の一部ですし、声だけは鍛えていれば、一番年をとらないのだそうですよ。



子供たちに人生を豊かに過ごしてもらうためにも、声という自分にしかない魅力に気がつき、磨きをかけて欲しいと思っています。



それにしても、子供たちの非言語能力が低下しているように思います。言葉よりも雄弁に語ると私も思っておりますので、「言葉」でしかコミュニケーションが取れない子がトラブルを起こしやすいのではないかと考えています。
返信する
Unknown (Unknown)
2008-04-29 01:22:27
仕事がら接客をしていると自分で商品を探す人もいますががすぐに聞く方もいますがたいてい気が短いような人はすぐに聞いて来ますね顔がいかつく見える人がとくに多いきがする
返信する
おっしゃるとおりです (なかつかちゃん)
2009-02-18 21:53:14
 『私たちは「本をたくさん読む人」の中に、人望もなく、仕事も できず、社会の仕組みが全く理解できていないと思える人が たくさんいることを知っている。』

「ははは。おれのことじゃん」と思いました。おっしゃるとおり。
でも、いいんですよ。私は「役に立つことを学ぶ」のが嫌いなんです。自分が偏屈である事は百も承知です。私にとって読書は単に快楽なんです。ドラッグであると言っても差し支えない。

「全く正論であるが虫唾が走る」「論理的整合性が高いが鳥肌が立つ」「反論の余地がないが吐き気がする」ような御意見を私は信じない(マルクス主義者とかフェミニストとかエコロジストとか人権論者とか嫌煙権者とか。先方も私なんぞに用はないであろうが・苦笑)。

世間の皆さんは「人望」を得たり、「仕事」を成し遂げたり、「社会の仕組み」を理解する事が1番大切だと考えていらっしゃるのですね。すみません。知りませんでした。

そういうことにあまり(全然)興味がない人もいるんだけれど。
どうか勘弁してください。そっとしておいてください。
これから読書をします。
返信する