先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

18.内藤いづみ『あなたが、いてくれる。』佼成出版社2005年

2006年03月03日 | Weblog
▼ 副題が「在宅ホスピス医 いのちのメッセージ」とあります。
  私は一昨年、父を亡くしました。発病から2か月の入院で逝って
 しまいました。あまりにも、あっという間の時間でした。
  最期はホスピスにいたのですが、「何とかして自宅に帰してあげた
 い。」という希望は、かないませんでした。

▼ 私の母が病室に泊まり、様々な面倒をみていました。私も1日だけ
 泊まりました。
  子どもにかえった父が「・・・してほしい!」と頼むのですが、も
 っと泊まって、話をたくさん聞いてあげればよかったと思います。
  「きちんと聞く」ことが本当に大切なようです。

    私自身、がんの末期患者さん、そしてご家族の方とお
    つき合いをする中で、「きちんと聞く」ということが、
    どれほどむずかしいことか痛感させられます。看護師
    さんには「とにかく聞いてあげて、相手がいったこと
    を評価したり道筋をつけたりしないでください」って
    いっているんです。特に死に近い人たちの場合、孤独
    なんですよ。
     
    今、お医者さんは患者さんと話す時、どこを見ている
    と思います?コンピューターですよ。手もにぎらない。
    日本の医療は臓器とか、細分化したものに対する研究
    はすごく進んでいるんです。でも、悪い臓器を背負っ
    て生きている一人の人間として見ることができなくな
    ってしまったんですね。

▼ 上記のことは、全てのことにあてはまります。
  私も、子どもたちや保護者に対して、資料を見ながら話すことがな
 かっただろうか、機械的に話すことをしたんじゃないのかということ
 を振り返ってみる必要があると思いました。

▼ また、次の言葉も非常に勉強になりました。

    「生きていくうえで、重要な要素はなんでしょうか?」
    この質問を進行がんの患者さんからいただいた時に、
    私は、こう答えています。
    ①呼吸(十分な酸素の交換)
    ②食べること
    ③十分な睡眠
    ④安定した精神状態と気力
    これが病気で障害を受けると、いろいろな困難が生じてきます。
    反対にどんな重病でも。この4原則をなんとかうまく保ってい
    けば、病気と共存し、結果的に延命できるように感じています。
    そして何よりも、食を生きることの基本として、ファーストフ
    ードからスローフードへ。子どもとともに食卓を囲む意味を、
    私たちは再認識する時を迎えているように思います。

▼ 教育現場でも、「食」に対する関心が高まっています。
  確かに、偏食の子どもたちの割合は増えているように思えます。
  命を考える上で、「食」についても、子どもたちに考えさせたいと
 思いました。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。