先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

29.谷川須佐雄『仕事の9割は声で決まる!』青春出版社2006年

2006年10月09日 | Weblog
▼ この本を書店で見つけて、まずは「おお、すごいタイト
 ルだ!」と思いました。『人は見た目が9割』を完全に意
 識しネーミングだと思いました。
  「そこまで、言うなよ」ということで、手にとって読んでみ
 ると、共感できる部分が多々ありました。すぐに購入!

▼ 私は、読み聞かせをクラスの子どもたちに毎日、15年
 間、続けてきました。「声の力」というものは、かなり大切
 だと思っています。
  「メービアンの法則」では、外見が55%であって、声の
 印象は38%だといっています。でも、それ以上のウエイト
 はあるように感じています。

▼ 教育の話になりますが、次期学習指導要領の改訂で
 文部科学省は、国語を他教科も含めた学習の基本であ
 ると位置づけ、「論理的な思考力」を向上させることを軸
 に教育内容を見直す検討を始めました。
  論理的にものを考える力については、学力に関する調
 査ばどで課題として指摘されています。これからの教育
 では、この「論理的思考」が大きなキーワードとなってい
 るのです。

▼ 谷川さんは、次のように言います。

    私は別に「論理的に話すことがいけない」と
   言っているのではない。相手にわかりやすく説
   明するために“論理的えある”ことは重要だし、
   交渉する際にも、論理を正しく用いることは重要
   である。しかし、論理力がそのまま説得力にな
   るかは別問題だ。むしろ、間違いである。なぜな
   ら“説得”とは、相手に自分の「こうしてほしい」
   という意思を伝えて、その通りにしてもらうように
   うながすことなのである。この「こうしてほしい」
   の部分は、あくまであなたの願望であり、“気持
   ち”である。(中略~千葉)
    つまり人を動かすのには“気持ち”が必要だし、
   それを補足するために“論理”があるということ
   だ。これを忘れてはならない。

▼ このことを、次のような例でわかりやすく説明していま
 す。(千葉が引用を要約)
  自分勝手な上司から、次のように頼まれたとします。
  
  「何か腹へったな。おい、コンビニで菓子パンを買って
 きてくれんか?」

  明日はプレゼンがあるので、断わりたいのです。これを
 以下、二通りの言い方をのべます。

  まずは、論理的に正論で断わると、次のようになります。

 ●「それはできません。なぜなら第1に、私は明日のプレ
   ゼン準備が控えています。仕事上の優先順位から考え
   ると、今はそちらに専念するべきと考えます。第2に
   課長の命令は、職務権限を超えるものです。その命令
   に従う義務はありません。」

  まあ、こんな言い方はしないと思いますが、こんな言い
 方をしたら、逆に相手に怒られますよね。ここは、怒りを
 こらえて、いかにも申し訳なさそうに言った方がいいので
 す。

 ○「課長、申し訳ありません。私の方は明日のプレゼンで
   いっぱいいっぱいで・・・・・。すみません!」

  この言い方の方が納得するのではないのでしょうか。
  論理的な言い方で納得させるのではなく、「勘弁してね」
 という気持ちを伝えるのです。

▼ 氏は、声を「グーの声」(閉じた声)、「パーの声」(開い
 た声)、攻撃の声を「チョキの声」(尖った声)と分類し、そ
 れらを使い分けることを強調しています。
  また、「声の高い・低い」「声が開く・閉じる」を2つの軸
 にして、声を4つのタイプに分類しています。
  声の質や出し方にも注目して、話術を鍛えるという点が非常
 に面白かったし、勉強になりました。