先生は,こんな本を読んでいます

読み聞かせを15年間毎日続けているちばちゃん(先生)が
読んできた本の紹介をします

14.河内浄『工作少年』文芸社2006年

2006年02月19日 | Weblog
▼ 『工作少年』。
  工作の好きな少年の話だな、何て単純なネーミングの本だろう
 と思いながらも、本を手に取りました。
  
▼ 確かに、工作が趣味(=仕事)の方の半生記だと思いました。
  小学生の頃から楽器系を中心に様々な工作を行ってきた方のよ
 うです。
  工作というから、ペーパークラフトの様なものを中心に作って
 いると思いきや、沢山の楽器を「発明」された方なんです。

▼ あのジョン=レノンからも、「楽器を売ってくれ!」と言われ
 るくらいですから、素晴らしい楽器を作る方なのです。

    外国の超一流の音楽家が、テレビを見て、作った人
    間を探せと言っている。売ってくれるか、というこ
    とだった。超一流とは誰のことかと聞いたら、ジョ
    ン・レノンだと言った。それはすごい、と私は言っ
    た。後日、ジョン・レノンの付き人という日本人が
    我が家を訪れ、私は楽器を渡した。ついでながら、
    私が弾いた「イエスタディ」のテープをおまけに付
    けた。それを聴いたジョン・レノン氏は、さぞ笑っ
    たのではないかと思う。代金として、YOKO O
    NOという名義の小切手を受け取った。

▼ 防衛庁勤めでしたが、「給料を2倍出す!」と言われて民間の
 会社(楽器関係)に引き抜かれた経歴を持つ方です。
  現在は、株式会社河内研究所の会長さんです。
  手がけた楽器は、私は(有名かも知れませんが)知らないもの
 ばかりでした。

    ●スピーロン    ●しゃみトロン  
    ●トラスピ     ●クラビオリン

  ちなみに、ジョン・レノンから依頼があったのはスピーロンと
 いう楽器だそうです。

▼ この方のもの作りへの意欲を培ったのは、小学校時代だと思い
 ます。
  高学年の時に「モーター」を独学で苦心して作り上げています。
  
    果たしてこのモーターは回った。自分の生涯で1番
    嬉しかったことは何かと聞かれれば、私はたぶん迷
    わずこのことをあげる。

  子どもの頃の大きな達成感というのは、生涯、心の中に生き続
 けるものなのです。

▼ そして、夏休みの研究として、全校児童の前で発表する機会を
 もらいます。発表後、校長先生から、全校の前で、素晴らしい言
 葉をいただきました。

    「河内の研究は難解で、自分がやったのではないか
    と思われるかもしれないが、自分は昔から河内を知
    っているので、自力でやったことは保証できる。」

  この言葉が50年以上たった今でも心に残っているそうです。
  私は教師ですので、こういう部分は強く印象に残ります。
  私も、今までそういう心に残る言葉を投げかけてきたかなあと、
 考えてしまいました。
私のHP「すぐできる読み聞かせ・ゲーム・心の話」もご覧に
 なって下さい。