宮大工・小川三夫さんは言っている。
‥‥
人は不器用の方がいいな。
器用なやつは
「早いけど、根性が入ってない」の。
簡単にものごとを理解しちゃうから。
不器用なやつは
長い時間をかけて理解するから、
その差が、出るんだな。
不器用は、逃げられないんだ。
先日の NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」に出ていた、パティシエ・杉野英実さんも同じ様な事を言っていてとても驚いた。
ものづくりをとことん突き詰めていく人は皆同じなんだ。
今は
「器用」な者、「要領のいい」者、
ばかりが目立ち、金儲けができる・・
それがよいとされる。
効率ばかり求める。
すぐに結果を求める。
「不器用」な者、「おそい」者、は
必要ない、とか、ダメなやつ、とされる。
「時間のかかる」事は、不要とされる。
・・・が、
そんなことはない!
ものづくりの先輩達はきちんとその仕事を成し遂げ評価を得て証明している。
もちろん「器用」な者、「要領のいい」者、が悪いわけではない。
適材適所
宮大工・小川さんも言っている。一口に「大工」といっても、みんな得意不得意がある。それを見極め、うまく配置することが棟梁の仕事だ、という。経済社会にあてはめれば、それが企業のトップの重要な役割の1つだ。
『SONYがウォークマンの国内生産を終了する』
ものづくりのベンチャーだったSONYは迷走をつづける。
いまやタイタニックだ。
これは今の日本を象徴しているように思う。
ものづくりが、『資源』なのに、その部分が消えていく・・
どうなるのだろう。。
でも、中小の会社には、まだまだ優秀な技術者やものづくりがたくさんいる。
古くからものづくりを見直し、本物を作り続ける人達も増えている。
役目を終えた大企業は、その支援に回る事に転換して欲しい。。
それが明日に繋がる事だと思う。
それが 適材適所 なのだと思う。
パティシエ・杉野さんは言う。
‥‥
味を飛躍的に高めるための裏技などない。
おいしいお菓子を作るためには、
地道な作業を、手を抜かずにやるのが必要だ。
当り前のことが一番むずかしい
‥‥
どんなに技術や道具や材料が進歩しようとも
できあがるものの最後の決め手は ひと 。。
「ひと」のものをつくる心は、知識だけでは進歩しない。
1つ1つの事を大切に、くり返しくり返しやることでしか身につけることができない。
「裏技などない」
杉野さんの言葉は、今の世の中に対する痛烈な批判であり、もっとも大切なアドバイスだと思う。
何が当り前なのか・・
‥‥
杉野さんが目指すのは、、、
ただおいしいだけではない、
「人を幸せにする菓子」
‥‥
この中にある。
- - - - - - -
設計してものをつくることの目的は、
もの そのものではなく
そこに ひと がいて、
笑顔=しあわせ がそこにできること
と考えています。>>>志田建築設計事務所