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HBD in Liaodong Peninsula

中国と日本のぶらぶら街歩き日記です。2024年5月からは東京から発信しています

旧ヘミングス&バークレー社ビル

2024-01-09 | 武漢を歩く
漢口旧英国租界の鄱陽街と青島路の交差点にこんなモダニズム様式の立派な6階建てビルが建っています。



これは英国の建築会社であったヘミングス&バークレー社の社屋でした。中国語では景明大楼です。

ヘミングス&バークレー社(Hemmings & Berkeley Co、中国語では景明公司)は、何度かこの日記漢口編でご紹介していますが、武漢の歴史上最も大きな功績を残した外資系建築設計企業です。
漢口にはこの会社が設計した建築物が実にたくさん存在し、今もその姿をとどめています。

これだけ多くの歴史的文化財を生み出したわけですから、戦後の武漢における街づくりや建築活動にも少なからず影響を与えたはずです。

近代史に名を残しそうなものですが、英語のサイトを調べてみると、思いのほかヒットしません。
地元の英国ではそれほど知られた存在ではないようです。これはなぜでしょうか。

この6階建ての社屋もヘミングス&バークレー社が設計・建設したものです。1920年に建築が始まり、翌21年に竣工しました。

1階はオフィスとして使用され、2階と3階がアパート、4階と5階は持ち家だったそうです。

1921年の漢口で6階建ビルはかなり珍しかったはずです。英国租界の中でも注目を集めるビルだったと思います。

最上階のベランダが設えてありますが、今も利用できるのでしょうか。足がすくみそうな高さです。

ビルは1938年の日本軍による武漢陥落後には日本軍が接収しましたが、当時何に使われたのかはわかりません。



なお、このビルの5階は1948年8月7日に起きたとされる集団強姦事件の現場です。その日ここで開催されたダンスパーティーで20人以上の米軍将校が30人以上の中国人女性に恥辱を尽くしたと。通報を受けた漢口警察局も取り合わず、武漢国民政府も事件を隠ぺいした事件とされています。

ネットでこのビルの情報を検索すると、この事件の情報ばかりが出てきます。



ビルは現在、武漢戦略発展研究所という組織が利用しています。

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