よしーの世界

好きな神社仏閣巡り、音楽、本、アートイベント情報を中心にアップします。

女たちの避難所   垣谷美雨

2024-04-10 06:33:24 | 

著者がこの小説を書こうと思ったきっかけは、東日本大震災のあと、ダンボールの仕切りを

最後まで使わせなかった避難所があったと知ったことだそうです。現実にあった事例で、こ

れを強いられた被災者はどんな思いで暮らしていたのかと想像すると眠れなくなった。とあ

とがきに書いています。小説中では乳飲み子を抱えた遠乃は授乳の度に好奇の目にさらされ、

女子高校生たちも常に見られている。プライベートが確保されず、被災者たちは精神的に追

い詰められていく。

 

冒頭大地震による津波の描写は、あまりにもリアルで衝撃的だ。普通のおばさん然とした福

子の東北弁の語りは、電車で読んでいる時にウルっと来てしまった。誰も自分にそんな災難

が降りかかるなど考えもしない。ましてや津波となるとこの経験を思い出し、大仰な警報と

は裏腹で影響が軽微だった記憶が「自分だけは大丈夫」という感覚に縛られてしまう。

 

そして被災し、現実になった時にどう受け止めることが出来るかだ。著者の書く小説には主

人公たちが追い詰められるシーンが多いが、本作ではさらに絶望的になる。それでも静かな

怒りから、立ち上がっていく女性たちの姿に本当に元気づけられる。遠乃が「日本の社会は

女の我慢を前提に回っている」という言葉は著者の前々からのメッセージだ。

 

   女たちの避難所   垣谷美雨            新潮文庫

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻生川沿いの満開の桜の続き

2024-04-09 06:21:58 | 日記

コロナが下火になって普段通りの生活に戻りつつあるようで、新百合ヶ丘駅から柿生駅へ向かう桜並木通りは沢山の人が歩いて

いました。

車は通らず、たまにオートバイ、自転車が通るくらいですので、のんびり歩いたり、写真を撮る人も多い。

桜の枝が麻生川に覆いかぶさるようです。

満開になったばかりで花の形もキレイ。

柿生駅に近づくと祭りの提灯が下がっていました。

桜の枝には花がびっしりと付いています。

桜を眺めながらゆっくり歩いていると平和な気持ちになります。実はこの日この時間の少し前に小田急線の近くの駅付近で人身

事故がありました。小田急線は混乱して、乗客には大迷惑です。本当に止めてほしいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻生川沿いの満開の桜

2024-04-08 06:20:15 | 日記

近年やたら桜の開花が早く3月中に散っていましたが、今年は4月に満開の桜を愉しむことが出来ますね。

新百合ヶ丘駅から柿生駅に麻生川沿いを歩いて桜を満喫しました。

開花が始まったと思っていたら、アッという間に満開!

近づいてみると丸いフォルムで可愛らしい花びらが。

川沿いのマンションからは眺めがよさそう。

私的には好きなシーンです。

ゆっくりゆっくり満開の桜を眺めながら歩くのは気分がいい。行き交う人はとても多いのですが、大混雑という程でもありませ

ん。記念撮影をしたり、佇んで眺めいったり、おしゃべりをしたり。こんな時間が大切だと本当に思いました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こんな政権なら乗れる   中島岳志×保坂展人

2024-04-07 08:05:13 | 

下北沢駅周辺は大きく変貌した。それも最近日本国中どこでも、よく見る駅周辺の風景とは全く

異なるものだ。駅前に広場が、駅近くに公園もあり、人々があらゆる方向に歩いて行ける動線が

ある。賑やかだが、雑然としていない。保坂氏が区長選に立候補したきっかけは下北沢の再開発

問題だった。賛成派と反対派に分裂し、住民説明会は怒号が飛び交い紛糾する中、反対派に押さ

れて立候補している。

 

保坂氏は150人規模の集会を年1回、20人~50人のワークショップを100回以上分野ごとに積

み重ね、小田急線の線路跡地に着目し、防災と緑の充実ための計画見直しを進め、小田急社長

の「シモキタらしく、ジブンらしく」という言葉を引き出し、開発型ではなく、支援型の再開

発に導くことに成功している。

 

保坂氏は区長に就任した際「5%だけ変えます」として、それ以外は踏襲すると表明している。

就任後100億円ほど税収が減っている世田谷区の財政再建の為に小さい区民サービスを削減する

ことではなく、コンピューターシステムの予算を再考し、ハコモノ建設事業の抑制で区長就任

3年目に黒字化を達成している。

 

待機児童問題でも「保育の質」にこだわり、保育園に土地を提供してくれるオーナー向けに大手

証券会社、金融機関で資産運用の相談役をしていた人を区の職員に採用し、保育園用地提供につ

いての説明会に出てもらい、保育園用地の確保につなげている。

 

保坂氏は世田谷区を歩き回り、住民の側に立った施策を常に考えている。元々教育ジャーナリス

トで、社民党時代に自民党と仕事をしたこともプラスに作用しているようだ。これから各首長、

各議員に求められることは抽象的な目標ではなく、対話と具体的な政策と実行力だと強く感じた。

 

   こんな政権なら乗れる   中島岳志×保坂展人         朝日新書

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岸田首相「責任は国民判断」波紋

2024-04-06 07:46:38 | 政治

 自民党派閥の裏金事件を巡り、自身の処分を見送った岸田文雄首相(党総裁)が「国民と党員

に(責任を)判断してもらう」と発言し、与野党で5日、波紋が広がった。

 

 政権の危機にもかかわらず、総裁再選や衆院解散を目指すことを示唆したのではないかとの見

方があるためだ。

 

 首相は自民党が処分を決めた4日夜、記者団から自身の責任を問われ「政治改革の取り組みを

見ていただいて、最終的には国民、党員に判断してもらう」と言及。5日の衆院内閣委員会でも

同様の認識を示した。(時事通信 4/5 金)

 

裏金事件の事実解明を全くせず、国会議員の責任を逃れさせないための法整備も着手する気配

がない。岸田派の疑惑があるにもかかわらず岸田首相は素知らぬ顔で、いつの間にか息子は秘

書活動を再開しているという。引退会見をした二階元幹事長も二人の息子を国会議員にしたい

ようだ。自民党の世襲議員は日本の政治をドンドン劣化させている。

 

国民の無関心が日本の未来を絶望的なものにしてしまう。国会議員や官僚は日本の将来よりも

「今だけ、カネだけ、自分だけ」なのだ。政治が私たちの生活に大きな影響を与える。次の選

挙は投票に行って与党議員を大きく減らさなければ、同じ事態が続くだけだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする