アートには興味がありますが、藝大?今一つどういうところなのか?どういうことをしている
のか?どういう人たちが居るのか?分かりません。そこであの国谷裕子氏の登場です。好きだ
ったなぁ「クローズアップ現代」丁寧な言葉使いで鋭いツッコミ、あらゆるジャンルに遮二無
二入り込む知的な異色の番組でした。国谷氏の存在あってこそで、事前の取材も綿密でゲスト
がタジタジだったことをよく覚えています。23年も放送していたとは驚き。
その国谷氏が藝大に迎えられ、「クローズアップ藝大」というプロジェクトで藝大の講師陣に
迫っていきます。大学には伝統芸術から先端芸術まで様々な科が揃い、音楽から映像、アート
マネジメントまで幅広いジャンルに活躍する人々がいて実に多彩、非常に興味深いものになっ
ています。国谷氏は相変わらず舌鋒鋭く、テレビでは言えなかったような本音も飛び出し、ワ
クワク感が半端ない。
各講師陣との対談は面白い物ばかりですが、私が特に魅かれたのは熊倉純子氏です。熊倉氏は
芸術の力を使って地域の活性化をしたり、アートを通してさまざまな分野の人びとをつなげる
活動を担っています。大学で美術史を学んでいた同氏はアートマネジメントを教えていますが、
最近は特に地域を巻き込んだアートも増え、区の担当者と喧嘩になったり、地元の人のクレー
ムもしょっちゅうという現場を話しています。
残念ながら日本において、アートは身近ではありません。それでも日本のアート(過去のモノ
から今現在動いているモノまで)は世界に知られていない分だけ可能性が大きい。海外では一
つの産業になっています。未来を感じさせる本です。
クローズアップ藝大 国谷裕子+東京藝術大学 河出新書
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