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自家用操縦士hiropochiの雑記帳

2006年春 軽飛行機の操縦訓練を始めたhiropochiの訓練記録など徒然に...。

TC(カナダ)からFAA(アメリカ)へのライセンス書き換え

2016-05-28 | 軽飛行機訓練

相当久しぶりの更新ですが、今年2月にカナダに行った際、航空便の関係でロサンゼルスに立ち寄りました。(直行便より5万円ほど安かったので) その際、カナダのTransport CanadaライセンスからアメリカFAAライセンスに書き換えしてきました。 結構、この手の情報を探している方も多いようなので、備忘録的に掲載します。

*あくまでも私の経験談であり、同じような手続きをしても書き換えをできるとは限りませんので参考情報としてご利用ください。

 

書き換え手順

1.FAAに対し、自分のライセンスの有効性確認(foreign verification )を申請する

Form 8060-71 に記入し、既存のライセンスとメディカルの写しを添付しメール送信。私の場合 書き換え元のカナダのメディカルが切れていましたが、問題なく申請できました。 通常手続きには45~90日かかると書かれていますが、カナダとアメリカの間には書き換えに関する条約があるからか、私の場合は3週間程度でオクラホマからFAXが来ました。(下の画像)

ちなみに「申請はFAXでオクラホマ」と書いている方が多いようですが、私の場合は何度やってもFAXがつながらなかったのでメールに添付して送りました。「届いたら連絡欲しい」と書き添えていたら、「届いてます。何か不明点があればメールします」と返事あり。以後質問などをする際に、そのメールに返信することで尋ねられるので、FAXよりもいいかもしれません。

 

2.申請時に指定したFSDOに面接のアポイントをメールか電話で取る

私の場合FAAのホームページから当該FSDOにメールしました。しかし何度か試みたのですが返事がないので、仕方なく電話して、「Examiner or Inspector と話したい」と告げつないでもらい、

FAR 61.75 Private pilot certificate issued on the basis of a foreign pilot licenseの手続きでカナダからの書き換えの旨、書き換えたい理由を問われたのでその理由を話しアポイントを取った。事前にform 8710-11の記入を済ませておくと出頭時の処理が早いと思います。なおFSDOでの面接のアポイントは24時間以上前に行う必要があり、アポ無しではセキュリティ上の問題で入れてもらえません。

 

3.各種書類を携え面接にFSDOへ

指定時間にFSDOへ。インターフォンを鳴らし名前を告げると係員がドアを開けに来る。バッグを持っている場合は中身を検査され問題なければ中に入れてもらえる。 受付でパスポートを提示し受付簿にサイン。しばらく待つとExaminer or Inspectorが登場する。必要書類(カナダのライセンス、オクラホマから来たFAX、記入済のform 8710-11、FAAの3rdクラス以上のメディカル、書き換えテストのオリジナルの結果、ログブック)を提出。一旦奥の方に下がって 15分ほど待っただろうか、A4の紙を長手方向に半分にしたような紙 2枚を渡され確認するように言われる。内容確認後、問題がなければ、左端にサインをしてTemporary Airman Certificate が発行される。120日以内にプラスチック製の本免許が届くとの事。

以上で書き換え手続き終了。なお、電話でアポを取る際に話していたからか、特に英語の試験らしい試験はありませんでした。(これも試験官によるらしい)

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以上が通常の流れと思われますが、私の場合、3.でハプニングに見舞われました。(というか調査不足)

FSDOの最初の訪問時、書類提出後一式を持ってExaminer は別室へ。しばらくすると受付に戻って来たが、そこで衝撃の事実が発覚した。Examiner曰く「私も知らなかったが、カナダの自家用からの書き換えの場合はPrivate Pilot Airplane Canadian Conversion (PCP) という書き換えのためのテストを受けて、その合格結果の用紙が無いと書き換え出来ない。」という。 えっ?そうなのか…事前に調べた時には気づかなかったが、該当するAdvisory Circular(AC 61-135A)を探し出して読むと、確かにその記述が。「後日、テスト結果を郵送するのは可能か?」と尋ねたが、申請時点で無いと受付られないとの事で落胆しながらFSDOを後にした。 

今回の主目的は書き換えよりも、カナダでのフライトと当時お世話になった方々への訪問だったので、一旦当初予定通りバンクーバーへ向かいました。天候も2月にしては晴天で、カナダの空を満喫しました!

ロスでお世話なったSBIFAのKさんのお力添えもあり、格安航空券でも200ドル程度で変更できました。元々カナダからの帰路もロス経由の日本だったので、1日早くロスに戻る事にして、そこで試験を受け、再度FSDOに申請に赴く事にしました。

カナダ滞在中に何度かアポイントを取るためFSDOに電話したのですが、最初にあったExaminer のPさんとタイミングが悪くつながりません。もう1人教えてもらっていたInspector のJさんと翌日電話がつながりましたが、どうやら特に引き継いでもらっているわけでも無く、最初から説明する事に。ちょうどバンクーバー国際空港のロビー付近に居たので、WIFI経由のSMARTalkで電話。最初からの説明や先方の保留もあり、結果20分ほど通話した上で、ようやく2日後の午前10時半のアポに漕ぎ着けました。その翌日、ロスに当初予定より1日早く戻るために変更した便が朝7時台出発のため、3時半起床で4時半にホテルのシャトルバスでバンクーバー国際空港へ。アメリカの入国をバンクーバーでやってしまうようです。ここからようやく試験勉強。どんなテイストの問題が出るのかは、大体は知っていましたが、いかんせん問題集が無い…しかし便利な世の中で、カナダ→アメリカの書き換え問題集アプリが存在していました 価格はAppストアで6,120円…ちょっと高いけど、そんなこともいってられないのでポチっとな。ホテル滞在時にダウンロードしていたので開き、さっそく挑戦。全部で450問…何問勉強できるかな?途中何度かウトウトしましたが、約3時間のフライトで何とか半分程度をこなす。ロス到着後再度予約していたレンタカー屋さんでエコノミーカーを借り3日ぶりにSBIFAへ。11時ごろ到着し、ソファで勉強の続き。Kさんに、14時ごろ一回受けて見ますか?  との事でそれを目指して暗記に励みました。昼食後 1時半ぐらいから試験を受けるための手続きに。名前や住所など必要事項を入れていくのですが、カナダからの自家用書き換えの問題が選べないらしく、サポートセンターに操作方法を教えて貰いようやく試験準備完了。カナダからの自家用の書き換えというのは、なかなかレアらしく時間がかかってしまいました。 試験会場は同じ敷地内にあるパソコンのある部屋。システムにログインしスタートをクリックすると試験開始。2時間で40問を解き70%以上正解で合格となります。見覚えのある問題が多く結果88%正解で合格できました。

翌朝その結果を携えて書き換えに臨み、今度は無事に受理してもらいTemporary Airman Certificateを受け取りました。

この手続きを行ったのが2月26日で、届いたのが5月16日で3か月弱かかりました。 なお、尋ねて分かったのですが FSDO側の書類記入ミスがありその訂正に時間がかかったようで発行まで時間がかかりました。2カ月経っても届かない時は、調べてもらったほうがいいかと思います。問い合わせて3日後 FAAの免許検索システムでprivate pilot single engine land と登録されていたのを確認。 それから2週間後 現物が届きました! 

なお、無試験で書き換えできる日本→FAAの場合はLimitations欄に"ISSUED ON BASIS OF AND VALID ONLY WHEN ACCOMPANIED BY JAPAN PILOT LICENSE NUMBER(s) ****. ALL LIMITATIONS AND RESTRICTIONS ON THE JAPAN PILOT LICENSE APPLY.”(日本のライセンス[番号****]を基に発行したもので、すべての条件や制限は日本のライセンスに従う)と記述されますが、今回カナダからの書き換えの場合は、筆記試験が必要なこともあってか、Limitations欄にENGLISH PROFICIENTのみの記載となり、アメリカで訓練を受け免許を取得した方と同じ扱いにしてもらえました。 あと、不思議なのは、カナダではPrivate Pilot で夜間飛行する場合はNight Ratiingが必要なので、書き換えてもDAY VFR ONLY などと制限がつきそうなのですが、おそらく日本で夜間飛行と離着陸経験があるためか、その手の制限はありませんでした。 書き換え時、試験を受けるという手間が発生しましたが、結果的に通常のFAAライセンスに書き換えることができてラッキーでした。


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