黄葉を見にい黄葉(こうよう)
と自分に言い聞かせ、登山をすることにした。
登山といっても高い山をアタックするわけではない。
低山である。
暖かく穏やかな日を選んで行くことにした。
ふもとの駐車場に車を停め、管理事務所に届けたのち、
カメラをぶら下げながらゆっくりと登り始める。
三十分ほどでもみじが群生している場所にたどり着く。
この辺は比較的温暖な地域なので黄葉もかなり遅れて
やってくる。
それでも、もう十二月だから遅すぎたかなと心配して
いたが、まだまだ赤々としており、間に合ったという
感じである。
ここは下方の谷間にもみじの樹が集まっている所で
上から見下ろすことのできるまことに良きパースペクテイブ
の場所なのである。
自称、紅葉谷(もみじだに)と勝手に名付けている。
秘密の場所にたどり着いたようなワクワクした気持ちで
今年最後の黄葉を愛でてきたのである。