チェンマイひとり暮らし

物価の安いタイのチェンマイで貧乏暮らしをしています。
先物取引でリッチになって、日本に復帰したい。

「浜辺の歌」の思い出

2006-07-29 08:36:22 | Weblog
♪あした浜辺を さまよえば ・・・♪ の「浜辺の歌」

先日、読売新聞に、作曲者の成田為三が心を寄せる女性に贈った歌であった、
とあった。
ちょうど、NHK衛星放送の「みんなの童謡」という番組でこの歌がかかっていた。
ところで、この番組、同じ歌を3週間以上かけている。手抜きじゃないか。

私もこの歌には思い出がある。
といっても、恋などとは関係ない。

中学1年のとき、私のクラスに男の教育実習生がやってきた。
科目は音楽。大学での専攻は声楽だという。

最後に、この実習生に対する感想、思い出を作文にすることになった。
困った。何も書くことがない。

朝と夕方のホームルームに担任の先生とともにやってくるが、
出欠をとり、連絡事項を事務的に伝えるだけで、冗談のひとつも言わない。

英語や数学などであれば授業を受ける機会も多かったのだろうが、
音楽の授業じたいが少なく、
また専攻が声楽ということで楽器の演奏ができないのであろうか、
実際の授業を受けることもほとんどなかった。

ほとんど印象に残らない実習生であった。

ただひとつ、実習期間中に何かの全校行事があり、
そのおりに体育館で全校生徒を前に、この実習生が自慢のノドを披露した。
それが「浜辺の歌」であった。

特にその歌声に感動したということもないのだが、
感想文を書くとすれば、このあたりを書くしかない。

なかなか文案が思いつかないなか、提出の時間も迫ってきたので、
あわてながら、
「・・・・浜辺の歌の歌声とともに、先生のことは一生忘れないと思います」
と結んだ。

私は、この感想文を提出した直後から気恥ずかしくなった。
いくらなんでも「一生忘れない」というのは、
お世辞とか誇張とかいったことを通り過ぎて、ウソである。

しばらくの間、この感想文を後悔した。
もし返事なんか来たらどうすればいいんだ、などと。

そして、折にふれ、浜辺の歌とこの教育実習生のことを思い出す。
結果としては、「一生忘れない」というのは間違ってなかったようだ。