公立高校の履修もれが大きな問題になっている。
必修科目でありながら大学受験に関係ない世界史などの科目を
受験科目の授業に振り替えていたという。
私は県立高校を出たが、受験科目に特化した時間割なんてなかったし、
受験科目の授業でも、全然「受験向け」ではなかった。
生徒たちは公立高校というのはそういうもので、受験対策は生徒個々人が
するものだと思っていた。
私立高校が生徒のニーズに合わせ、甲子園コース、東大コース、芸能コース
などを設けるのは当然だと思うが、
公立高校が受験モードのカリキュラムを提供してくれるというのは
随分サービスがいいものだと感心した。
大学受験に関わる今回のニュースを見ながら、自分の高校時代を思い出した。
受験生のとり得る手段としては、
定評のある参考書・問題集で自習、予備校に通う、通信教育を受ける、などあるが、
私にとって思い出深いのは、文化放送の大学受験ラジオ講座(ラ講)である。
予備校は費用が高いし近くにはなかった、通信教育もやったけど長続きしなかった。
ラ講は安価だし、毎日の放送がペースメーカーになってくれたので日課となり長続きできたのである。
講師陣も一流ぞろいである。
彼らの多くは予備校でも教えていたが、人気があったと聞く。
夜11時半から0時半までの1時間。
30分づつの2科目。
夜遅いので途中で居眠りしてしまったことも多かった。
現代国語を除く国語、数学、英語は、このラ講だけでどの大学の受験準備にも
対応できたと思う。
茫洋とした現代国語、そして社会科や理科はラ講では不十分だったが、
それでも役には立った。
印象深いのは数学の寺田文行先生の「鉄則ゼミ」。
わずか数十の「鉄則」のひとつかふたつを使うだけで、東大や京大の実際の
入試問題が解けるのである。
私は文系で、数学にはあまり時間を割けなかったので、「鉄則」を信じて
ラ講のテキストの問題と、テキストの付録ついていた鉄則集の練習問題を
繰り返して勉強した。
それだけで、数学の成績は上がっていった。
そこで気づいたのは、復習の重要さ。
受験生はとかく手を広げがちになる。
未知のことがまだまだたくさんあるように感じ、一度学んだことを繰り返すのは
時間の無駄のような錯覚に陥る。
受験勉強の範囲は広そうに思えるが、実際に押さえなければいけないことは意外に少なく、
大事なことを反復学習で習得するのが大切であると教えてくれたのが「鉄則ゼミ」であったように思う。
私は他の科目も、同じ問題を繰り返し解く反復学習に切り替えていった。
私が志望校に入学できたのも、受験勉強のやりかたを教えてくれた「鉄則ゼミ」であり、
それを提供してくれたラ講のおかげだと思っている。
そんなラ講は10年前に終わってしまった。
全国に放送され、テキストは安価なので、私のようにお世話になった受験生はたくさんいたであろうし、
放送が続いていれば、地方の受験生やあまり裕福でない家庭の子弟のハンデを埋めてくれたのにと
残念に思う。
必修科目でありながら大学受験に関係ない世界史などの科目を
受験科目の授業に振り替えていたという。
私は県立高校を出たが、受験科目に特化した時間割なんてなかったし、
受験科目の授業でも、全然「受験向け」ではなかった。
生徒たちは公立高校というのはそういうもので、受験対策は生徒個々人が
するものだと思っていた。
私立高校が生徒のニーズに合わせ、甲子園コース、東大コース、芸能コース
などを設けるのは当然だと思うが、
公立高校が受験モードのカリキュラムを提供してくれるというのは
随分サービスがいいものだと感心した。
大学受験に関わる今回のニュースを見ながら、自分の高校時代を思い出した。
受験生のとり得る手段としては、
定評のある参考書・問題集で自習、予備校に通う、通信教育を受ける、などあるが、
私にとって思い出深いのは、文化放送の大学受験ラジオ講座(ラ講)である。
予備校は費用が高いし近くにはなかった、通信教育もやったけど長続きしなかった。
ラ講は安価だし、毎日の放送がペースメーカーになってくれたので日課となり長続きできたのである。
講師陣も一流ぞろいである。
彼らの多くは予備校でも教えていたが、人気があったと聞く。
夜11時半から0時半までの1時間。
30分づつの2科目。
夜遅いので途中で居眠りしてしまったことも多かった。
現代国語を除く国語、数学、英語は、このラ講だけでどの大学の受験準備にも
対応できたと思う。
茫洋とした現代国語、そして社会科や理科はラ講では不十分だったが、
それでも役には立った。
印象深いのは数学の寺田文行先生の「鉄則ゼミ」。
わずか数十の「鉄則」のひとつかふたつを使うだけで、東大や京大の実際の
入試問題が解けるのである。
私は文系で、数学にはあまり時間を割けなかったので、「鉄則」を信じて
ラ講のテキストの問題と、テキストの付録ついていた鉄則集の練習問題を
繰り返して勉強した。
それだけで、数学の成績は上がっていった。
そこで気づいたのは、復習の重要さ。
受験生はとかく手を広げがちになる。
未知のことがまだまだたくさんあるように感じ、一度学んだことを繰り返すのは
時間の無駄のような錯覚に陥る。
受験勉強の範囲は広そうに思えるが、実際に押さえなければいけないことは意外に少なく、
大事なことを反復学習で習得するのが大切であると教えてくれたのが「鉄則ゼミ」であったように思う。
私は他の科目も、同じ問題を繰り返し解く反復学習に切り替えていった。
私が志望校に入学できたのも、受験勉強のやりかたを教えてくれた「鉄則ゼミ」であり、
それを提供してくれたラ講のおかげだと思っている。
そんなラ講は10年前に終わってしまった。
全国に放送され、テキストは安価なので、私のようにお世話になった受験生はたくさんいたであろうし、
放送が続いていれば、地方の受験生やあまり裕福でない家庭の子弟のハンデを埋めてくれたのにと
残念に思う。