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旅と酒とバッグに文庫本

人生3分の2が過ぎた。気持ちだけは若い...

スーパーカブ50スタンダードに乗って耶馬渓へ

2009年03月31日 | 

今月の18日だったか、前から探していた中古のカブを購入した。
今まで乗っていたヤマハのスクーターはエンジンの調子は抜群だったが
15年近く乗ったので、フレームのあちこちにガタがきていて
コーナリングの時などふらついたりで、少々怖い思いもしたからだ。
タイヤのサイズも小さく、やはり街でのちょい乗りといった感じは否めない。
2サイクルで馬力もあり、坂道や発進時なども何のストレスもないのだが
何のストレスもないということは、面白くもなんともないということと同義語である。
ギアのチェンジも必要なく、ただ移動する手段であって
それ以外の何物でもなかった。
面白さにおいては、むしろ自転車のほうがよほどましであるし
若い兄ちゃんたちが、股をおっぴろげて乗り回している姿は
私の美学からは程遠いものである。
スクーターに乗るなら、洒落たベスパあたりに
ローマの休日のグレゴリー・ペッグとオードリー・ヘップバーンのように乗りたい。

さて肝心のスーパーカブであるが、こいつは何とも面白い。
まずはエンジンが非力である。
4サイクル独特の、パタパタという単調なエンジン音は
なんとも弱々しいし、実際坂道なんかでは力不足で停まりそうになる。
そんなときはシフトダウンして登らねばならないし
急な坂道なんかでは、ローギアにまで落とさないと登れない時もある。
信号停止からの発進にしても、うまくやらなければ
他の車にかなり出遅れてしまう。
「ガッタン」というギアチェンジをいかにすばやくタイミングをとって
行うかによって、随分と違った加速になる。
人によっては「こんなものいらないや!」となってしまう代物であるが
元来性格の捻くれた私には、これくらいがちょうど良いのである。

それにしてもカブは高い。
初めは新車で買うつもりであったが、諸費用などいれると20万は軽く超えてしまう。
自転車のローンも終わったので、それでもいいかなとは思ったが
どうせなら中古であちこち探すのもまた楽しみでもあって
しばらく仕事ついでや、納品ついでなどにネットで調べた
あちこちのバイク屋さんを訪ね歩いた。
最終的に、初めには候補になかったリトルカブも含めて
随分と探し回ったが、なかなか納得がいくものが見つからない。
皆さん結構保管状態が良くないのか、サビが出たものが多い。
エンジンの調子が多少良くないがフレームの歪みやサビが無いほうが
後々永く乗れると思い、エンジンは自分でいじるつもりで探したが
結構無いものである。
リトルカブのベージュ色で、セル付き4速で状態まあまあといったものがあって
こいつにしようかと随分悩んだが、上背のある私にはリトルカブは少々小さいし
あまりに可愛らしすぎて、娘に盗られそうでもある。
それにしても中古ですらちょっと良いものは、14万である。

結局これにしようと決めてバイク屋さんに電話したが出ない。
しばらくしても出ない。
これを運のつきというのか
「そうか、定休日なのか…」と諦め、明日にでもまた連絡しようと思ったが
そんな時ネットで近くのバイク屋さんに
スタンダードカブのよさそうなのがあるのを見つけ
あまり期待もしてなかったが、一応見に行ってみた。
一つ前の型のしかもセルなし3段変速のスタンダードタイプだったが
実は私はこのタイプのブルーの色が好きなのだ。
それにほとんどサビもなく、状態がいい。
しかも14500キロの走行で、8万円である。
こいつに3年分の自賠責保険も入って、諸雑費込みで95000円。
即決である。

商売とはこんなものだな。
リトルカブのバイク屋さんが休みでなければ、ベージュのリトルカブが
私の手元にあったはずである。

手に入れてからというもの、ほとんど整備に明け暮れた。
チェーンの清掃からたるみ調整、ブレーキの調整
サビ落とし、ワックス掛け、エアクリーナー交換。
カブにはまったく収納場所がないので、部品を取り寄せては
前カゴやインナーラックなどを付け、後ろの荷台には
RVボックスをステーを加工して取り付け、寒いので風防も付け
ひとまずカミさんが言う「おっさんカブ」の出来上がりである。
私には「ツーリングマシン」としか見えないところが不思議でもある。

あとはキャブの清掃とエンジンをばらしてオーバーホールするか
ボアアップするか、そこのところはこれからの楽しみである。

さて肝心のカブは来たものの、今年の春は実に寒いし
週末ごとに天気も良くないので、少々ためらったが
先日の日曜日、寒風吹きすさぶ中を、耶馬渓まで走った。

「いやー楽勝ですねー、自転車に比べたら…」

トコトコと左端を30~40キロのスピードでのんびり走る。
幹線道路では危ないので、必然的に自転車で走る道と同じ道を辿ることになる。
田舎の脇道をのんびり走る。
実に自転車に近い乗り物である。
ガチャンコ、ガチャンコとギアを入れ換えながら風を切って走る。
大体自転車の倍のスピードであるから、耶馬渓まであっという間である。
いや、しかし寒い。
自転車だと結構汗をかくんだが、バイクがこんなに寒いとは…
これじゃ釣り用の完全防寒対策で乗らないとやれんなーと思いながら
豊前の道の駅でうどんを頼み、思わずうどんを抱きかかえる。
神に仏、「うー美味い」うどんがこんなにも美味いものだとは思わなかった。
身体の中心に熱い出汁が染み渡ってゆくのがわかる。

この日は例の高速道路1000円効果のせいか、道の駅も随分賑わっていた。
車の駐車場は満杯だが、バイクならどこにでも停められる。
ETCなんてつけなくても、どうせ高速は走れない。
ガラガラの一般道をのんびり走るほうが楽しい。

椎田の浜の宮近くの桜の名所で、カブと私の写真を撮る。

 


耶馬溪には昼過ぎに到着。
羅漢寺奥の西谷というところの温泉に浸かって人心地つく。
こんな山奥には誰も来ないのか、風呂には私をいれて二人しかいない。
単純泉のいい湯である。
肌がヌルヌルして気持ちが良いし、よく温まる。
入浴料は400円。これもいい。
広い休憩室には婆さんが二人、畳に寝転んでいる。
テレビは高校野球。
なんとものどかである。
今頃高速道路のPAは超満員でごった返しているんだろうな…
私もしばらく休憩して、身体が冷えないうちに帰途に付く。

昨年の夏以来の中津、名物の唐揚げ屋を探し、少しばかり頬張る。
うどんとあわせ技の昼飯である。

この時はまだリアボックスを付けてなかったのでお土産は買わなかった。
帰りにあちこちのホムセンで適当なリアボックス代わりになるものを
探しながら帰るが、なかなか良いものが見つからない。
以前見つけておいた30リットルくらいの容量のボックスにすることにし
この日はとりあえず家に帰る。
純正で2万も出せば、容量90リットルという馬鹿でかい奴が買えるのだが
これはまた、ロングツーリングに行くときに考えよう。

耶馬渓まで行って帰って、130~140キロ、消費ガソリン約2リットル。
カブはなんともエコな乗り物でもあった。


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