旅と酒とバッグに文庫本

人生3分の2が過ぎた。気持ちだけは若い...

水泳

2012年08月18日 | Weblog

今年の夏は、飛び石のように仕事が入って、長期の休みが取れず
残念ながら、例年のカブのたびには出掛けられそうにない。
仕方ないので近場で短期で済ましているが、期待していたヨットでの壱岐行きも
台風の影響で中止せざるを得なかった。
なんともストレスの溜まる夏である。
だがまあ、もう少し涼しくなってから久住あたりで車にキャンプ道具を積み込んで
快適なキャンプにでも出掛けてみようと思っている。
いい温泉も多いし…。

今日も夕方から仕事なので中途半端で何も出来ないので読書三昧。
島田雅彦の「佳人の奇遇」は中々に面白い。
島田という作家は二人居て、荘司の方はミステリー作家でちょっと奔放そうなおっさん。
雅彦は芥川賞の選考委員で中々にナイーブな感じのおっさん。
荘司は最近も「悪貨」という作品を読んだばかりで、好きな作家の一人でもあるが
雅彦のほうは初めて読んでいる。
花村満月の「ウエストサイドソウル」という本を最近読んだが
ブルースの知識ひけらかしみたいな小説で、ちょっと漫画的な感じだったが
「佳人の奇遇」はクラシック、とりわけオペラのオタク的な感じ。
しかし内容的には、様々な登場人物の物語がコンサート会場に終結しそうで
まだ全部読んでないので、なんとも言えないがかなり面白い。

夏に読書ばかりというのも何なので、これは秋に取って置いて
やはり夏は身体を動かすべく、というか暇なので
仕方なく市民プールに通って、水泳を楽しんでいる。

僕は海ならかなりの距離を泳ぐ自信はあるのだが
プールは、というかクロールはさっぱりで
最初のうちは25メートルを喘ぎながら泳ぐのがやっとであった。

8月に入ってから始めて、7回くらい通っただろうか
最近では50メートルは続けて泳げるようになった。
図書館で「ゆっくり長く泳ぎたい」という本を借りてきて
なるほど、こうやれば良いのかと納得してはプールに向かうのだが
知識をそのまま実践することの難しさに立ち往生している。
やはり水に対する恐怖感が身体を硬くして、沈めてしまうのだろう。
心の中で「リラックス、リラックス…」と唱えながら、2時間弱練習する。
休みながらではあるが、1000メートル泳ぐことを課して頑張っている。

泳ぎ終えると、水の中なので汗は掻かないが、かなりグッタリしてしまう。
最近、なんだかお腹周りの肉も落ちてきたみたいで嬉しい。
プールは同じような世代の人で溢れている。
毎日何キロも泳ぐ人。
ひたすら歩く人。
僕らのように休みながら泳ぐ連中は、休憩中のお喋りも弾む。
顔見知りも何人か出来て、そのうち1杯やりましょかという関係になりそうである。
みんな何キロも続けて泳げるようになりたいという目的で来ているので
話題は多い。

近くのジムに入会しても良いのだが、何となく日課になりそうなので
市民プールのレベルでしばらくやってみるつもりだ。
気が向いたときだけ気軽に通うのが、一番長続きするように思える。


ニコンD300 グリップラバーの張替え

2012年08月09日 | 写真



先日、撮影が終わってカメラの手入れをしているとラバーグリップが
剥がれかかっているのに気がついた。
底面の三脚ねじ穴の周りに張ってあるラバーも伸びて剥がれていた。

はてさてどうすべきか?
ニコンのサービスステーションに出して修理してもらうべきか?
とりあえず、自分で伸びた分を弱冠切り取り、裏に両面テープを張って
ラバーを張りなおしてみたが、すぐに浮いてしまう。
このカメラはかなり使っているので、総ショット数がわかるフリーソフトを
ダウンロードして調べてみたら、8万カットを超えていた。

カメラ自体はもう少しで限界というか、恐らくシャッターユニットの交換とオーバーホールをしなければならないはずだ。
となると最低でも5万は掛かる。
思い入れの有るカメラというか、とてもよく働いてくれたカメラではあるが、所詮デジカメは消耗品。
同じ機種を中古で買っても、程度のいい分が修理代と同じくらいの金額で買える。
されば、このままの状態で最悪の場合の予備機として使用するか悩んだが
あまりにもみすぼらしいので、とりあえずサービスステーションに連絡を入れてみると
自分でできるな部品だけ送ってくれるという。
値段も送料共で2000円くらいだと言うので、渡りに船とばかりすぐに送ってくれるように申し入れた。

送ってきたのは、グリップ部前面のラバーと背面のラバー。
それにカメラ底面の薄いゴム。
これだけで送料共で2195円。
なんと良心的なニコンさん。
この不況下、助かりました。




(これらは取り外した古いラバーです。3枚目の写真を拡大してください。矢印の部分がビスで留まっています)

取替えは実に簡単。
古いラバーを剥がしてカメラ本体に残った両面テープの糊を丁寧に剥ぎ取る。
この作業は丁寧にやったほうが良い。
僕はジッポーのライターオイルを綿棒につけて糊を落とした。
あとはきれいな布で丁寧に拭き、新しい部品の両面テープの紙を剥がし
カメラ本体に取り付けるのみ。
この両面テープが実によくできていて感心する。
とても細い部分にも丁寧に張られている。

一つ言い忘れたが、グリップ前面部を取る時は、電池室の奥にある小さなビスを一つ
外さないといけない。
このビスでラバーが固定されているのだ。

カメラは見違えるようにきれいになった。
このカメラは壊れるまで使うことにしよう。
それがせめてものカメラに対する感謝の気持ちだ。
それにしてもこのD300は実に良いカメラである。
使いやすく、故障が無く、画像の色や質感なども申し分なく
ちょっと補正をかけてやるだけで、実にスタンダードな画質を得られる。
さてもう一稼ぎしてください。


久しぶりのキャンプ

2012年08月08日 | 















今年は、例年のように長い休みが取れず、飛び石のように仕事が入っているので
1週間以上のツーリングキャンプに行けず仕舞いで終わりそうな夏の予感。

それでも先週、顔なじみの子供達が玖珠町の竜門の滝でロッジに泊まるというので
カブにテントを積み、追いかけた。
ちょうど我が家から100キロの距離。
昼前から出掛け、4時頃には現地に到着。
ロッジの前にテントを張り、子供たちと遊ぶ。
風があり大変涼しく、テントを張る作業をやっても汗を掻かない。
というよりも、風邪が強くて、張りづらい。
子供たちとカレーを食べたり、お菓子を食べたり、花火をしたりと
あっという間に夜が更けて行く。



川の流れと滝の音がやかましく、なかなか寝付けない。
カジカの声がとても心地よいのだが、時折強く吹く風と雨音にナーバスになり
熟睡できないまま朝を迎える。

昨日から道中の販売所で買った完熟トマトばかり食っている。
ロッジに冷蔵庫があるので、勝手に使い、とても冷たくて美味しいトマトが食える。
昨夕に近くの酒屋で買ったビールや酎ハイなども叩き込んで、快適である。
そういえば、近くの温泉に行くと、インド人にも出会った。
中々の泉質で、掛け流しなのでとても気持ちが良かった。
外国人は決まって温泉に長く浸かることが出来ない。
すぐに出ようとした彼を引き止めて、しばらく話をする。
彼は42歳のインド人で、甘木のカレーショップで働いているという。
自給800円。
1ヶ月に約18万稼ぎ、そのうち15万をインドにいる妻や子に仕送りしているという。

「あなた、3万でどうやって暮らしているの?」
「1万が携帯代で、タバコが3000円、一番安い しんせい で240円もするから、あまり吸えない」
「家賃は?」
「部屋はオーナーがただで貸してくれる。でも残りのお金で食ってゆくの大変。携帯はインドにかけるので仕方ないし」
「でもインドで月に15万あれば楽々だろう。もう少し仕送りを減らせばいいじゃない」
「インドも最近物価が高くなった。野菜なんて10円で買えてたのが、30円だよ。それに子供の教育費が大変」
「お前さん、若いのに苦労してるなー」

北九州に有るカレーショップの情報を知りたがるので、古くから有るタージマハールのことを話してやると
知っているという。
自分で店を持ちたいようだが、大変だぞと話してやると
とにかく今のままもう少し頑張ってみると言いながら彼は風呂を出て行った。

竜門の滝を後にし、国東へとカブを走らせる。
初めて走る院内から宇佐に抜ける387号線は実に快適。
車の通行量も少なく、久住のような高原の道で空気も良く最高である。

実は国東のどこかでもう1日キャンプをするつもりだったのだが、今朝テントを畳む時に
ポールのテンションロープが切れた。
3年目だからしょうがないと諦め、ポールは折れてないから何とかなるが
次の日に仕事の野暮用があり、その次の日には撮影もあるので
今回は、4年前に訪れた長崎鼻に行き、管理人の山下さんに会ってから姫島に渡り拍子水温泉に浸かり
夜遅くまでにうちに帰ることにした。

長崎鼻は前回同様、途中の道が素晴らしい。
海が見える丘を抜けるとキャンプ場があるのだが、こんな場所に住みたいといつも思う。
キャンプ場は少し寂れていた。
山下さんが居た売店も閉まっていた。
駐車場の管理人に聞くと、彼はもう辞めたという。
売店も土日しか客が来ないので、いつもは閉まっているらしい。
朝、トマトを食ってから、何も食べてないのでここの売店で何か口にしようと思っていたのに残念である。
聞けば彼は近くの物産館で働いているというので、そこに行って見る。
なんたらウェスタンという名前だったと思うが、そこで少し早い昼食を摂り
山下さんを探してみると、目の前に彼が居た。
4年も前のことだから初め彼は怪訝な顔をしていたが、すぐに思い出してくれ
コーヒーを飲みながらしばらく話す。
歳も70歳を超え、体力も落ちたと言う。
このあたりも年寄りばかりで活気が無くなったとも言う。
相変わらず4年前と同じような気ままな旅を楽しんでる僕を羨ましいと言う。
しかし、僕も体力が落ちた。
今回、カブで来てみてわかったのだが、よくもまあこんなアップダウンの激しい道を
荷物を満載した自転車なんかで来たもんだと、我ながら感心したという話をする。
山下さんも4年前に自転車で現れた僕に驚嘆したと言う。
実際カブで走ってみると、2速ギアで精一杯アクセルを廻しても時速20キロしか出ない坂道だった。
しばらくそんな話をして、再会を誓って物産館を出る。

文明の力は偉大である。
なんのかのといってもカブのおかげで汗もあまり掻かずに国美の姫島フェリー乗り場に簡単に到着する。
自転車だと大変だった道のりである。
姫島での目的は拍子水温泉に入ることである。
そのために僕はカブも積み込んだ。
温泉は港からかなり離れているので、カブがないと話にならない。



何処の温泉が好きかと聞かれれば、僕は即座に夏ならば姫島の拍子水温泉と答える。
風呂自体はなんの他愛も無い普通の風呂だが、ここの冷泉は最高なのだ。
もちろん源泉の掛け流し。
暖かい方はボイラーで沸かし少し水を混ぜているのだが鉄分の多い炭酸泉で
タオルは黄色でないとすぐに色がついてしまうくらい赤い。
だからここでは受付で黄色のタオルを貸してくれる。
温まった身体を冷泉に移すとひんやりして実に気持ちが良い。
しかも窓を開ければ目の前に海が広がる。
二つの浴槽を行ったり来たりしていると時間の経つのも忘れるくらいである。







拍子水温泉はすっかりリニューアルされ実にきれいになっていた。
浴槽もシャワーも待合室もマッサージ機までもが新しくなり快適だ。
マッサージ機はただで使い放題。
しかしそんな施設よりもここの良さは島人たちの快さである。
陽気な婆さん達が和室やテーブルでゴロンゴロンしており
「にいちゃん、パン食わんか?」とか「おこわ食べんね」とか必ず声を掛けてくれる。
みなさん元気がよろしい。齢80~90歳といったところだろうか。
ちょっと独特の話し方で、早口でもあるので聞き取りにくいのだが、みなさん優しい。
僕は、「にいちゃん」と書いたが、それは前回のことで、今回は「おいさん」と呼ばれた。
やはり歳を取ったのかな?最近口ひげまで生やしているせいかな?
往復で1700円払ってフェリーに乗ってまで来る価値のある温泉である。
赤錆の臭いの強い炭酸泉をたっぷり飲んで、夕方のフェリーで国東に渡った。

夕方の強い西日を浴びながら北九州まで走った。
昨日から300キロ走っていた。