旅と酒とバッグに文庫本

人生3分の2が過ぎた。気持ちだけは若い...

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朝倉の様子

2018年04月19日 | 


朝倉の筑後川温泉に行った。

実に一年ぶりのことである。
昨年の大雨による被害で、僕の自宅からは
崖崩れなどで道路が不通になっていたからである。
今でも所々片側通行になったままである。
英彦山から小石原に向かう道がまだ工事中なのだ。

だいぶ早くから道路が通行出来るようになった事実は分かっていたのだが、災害後緊急の場合を除いて朝倉に行くことは憚られた。
報道によりかなり復興が進んで来たようなので
一年ぶりの朝倉行となったのである。

僕がよく行く筑後川温泉は大雨後に電話連絡により無事であったことは確認していたのだが、
流石に災害後の悲惨な状況の中で温泉に浸かりに行くことは出来なかった。
少しでもお金を使う事が朝倉の復興に繋がるとの意見もあるが、僕には出来なかった。

実はあの大雨の最中、僕はこの温泉に車で向かっていたのである。
昨年のあの日、家人が東京に行ってて、一人だった僕はこの筑後川温泉に出掛けたのである。

朝から雨が降っていたが、途中から雨が酷くなり
流石に崖の多い山道を走るのは危険かなと思い
中途から引き返したのである。
もしあの日、もう少し早く出掛けていたら僕は間違いなく土砂流に飲み込まれていたのだ。
その日の夜にニュースで惨状を知り血の気が引いたのを覚えている。

昨日の朝倉は春にしては暑いくらいの晴天。
まだ手付かずの場所もあるが、細い道をダンプカーが行き交い、あちこちで工事が進んでいる。
緑多き春の小川が流れる豊かな田園地帯の風景は一変していた。
河原や畑は一面の土。
川幅の拡張工事なのか護岸工事の最中。
あちこちに真っ黒な土嚢が積まれ、山の至る所にブルーシート。
この時期には花が咲き乱れていた果樹園も土砂に埋もれ、殆どの木が枯れていた。

娘の友人が教師をしていた松末小学校は土砂は綺麗に片付けられていたが、すでに閉校となっており、最後の卒業生と教職員の集合写真が春の陽光に晒されていた。
あの日彼女から娘にラインで連絡が入り、娘から僕に連絡があり、見る見る間に校庭が池となり周りの道路が川となり、土砂が流れ込み生徒と教職員は3階に避難したものの、怯える子供達をどうしたらいいのか相談されたのだった
「皆んなで歌でも唄えば」と言うと、言下に娘から「何を能天気なことを」と叱られたが、ロウソクやスマホの灯りしかない暗闇の教室の中で怯える子供達の事を思うと、そう言うしか無かった。
雨は二日降り続いたのだ。

朝倉の松末地区の写真を沢山撮ったが、許可を得た撮影ではなく個人のプライバシーの問題もあるので今回は無難な河原の写真のみ掲載する。
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国東 夷谷温泉

2018年04月17日 | 


雨の中、ふらりと出掛けた。

午前中はこの4月に開館した真新しい図書館に行き、新聞を読み、DVDの棚を見ると、カズオ・イシグロの「日の名残り」があったので借り出し
お昼にはチャンポンを作って家人と食べ、彼女がクリーニング屋に出掛けたのでその帰りを待ち、
そうこうしているうちに3時になったが、なんだか出掛けたい虫がウズウズしてきたので、読みかけの佐藤正午の「永遠の2分の1」を閉じ、冒頭のように雨の中、ふらりと出掛けた。

時間も時間だったが、近場の温泉にはあまり気に入ったところが無いので、どうせなら未だ行ったことのない所へと思い、以前耳に挟んだことのある国東の「夷谷温泉」に決めた。
決めたと言ってもクルマにガソリンを入れながら
そう思っただけである。

ただ問題は100キロ近い距離があるので、帰りの事も思うと少しだけ気が咎めた。
問題は雨で最近は雨の夜の運転が苦手である。
歳のせいか暗いと良く見えない。

まあ、もし酷い雨になるなら何処かに泊まれば良いかと気軽に思うことにした。
財布にはVISAとゆうちょカードが何時も入っている。
日本は全国津々浦々まで郵便局があるので大変便利。
財布には何時も一万円未満の現金。

自宅近くのGSでガソリンを入れ、いざ駆け出したのが午後3時過ぎ。
国道10号を延々と宇佐まで走り、県道に逸れ国東へ。
結局細い暗い霧の出た山道に入り、現地「夷谷温泉」には5時40分に到着。

こんな山中に本当にあるんかいな?と思いながら走ると忽然と集落が現れ、温泉の建屋が見える。
まだそんなに古びた感もない建屋は山中にしては立派である。

受付横の券売機で300円のチケットを買い、浴場へ。それにしても安い。
大分県ならではの安さである。

少し熱めの濁り湯だ。
硫黄臭は無いが、如何にも効能がありそうな湯である。舐めてみると少し塩味がある。
内風呂には浴槽が三つ。
普通の浴槽と泡風呂とサウナ用の水風呂。
流し場も清潔。
ただコレだけだと少し物足りない。

僕はサウナはミスト以外はあまり好まない質なので、露天風呂へ。
扉を開け少し廊下のようになった通路を歩くと
コレもあまり広く無いが、空気感がなんとも言えない露天風呂である。
他の人が「今日はちょっと熱いな〜」などと言ってるので、日によって少し温度が変わるのかしらん?と思う。

シトシトと降る雨に打たれながら首から下は熱めの湯の中というのもなかなかで小1時間堪能する。

出がけに受付前に美味しそうな御萩が並んでいたので家人への土産にと2パック購入。

結局7時前に帰途へ着く。
慣れない雨の夜道、然も山中なのでなるべく前のクルマに付いて走ろうと思うも、他にクルマが居ない。大きな県道に出るまでそろそろ走り、
あとは前のクルマに付いて小倉へと。

自宅には9時過ぎに到着。
家人に言わせれば「馬鹿」と罵られるような
「馬鹿」はやっぱり面白い。
こういうのは1人に限る。
これからもふらっと出掛けてみよう。

ちなみに夕食は「ほか弁」で買った「のり弁」を
クルマを公園に停め貪る。
いい歳のおっさんがである。笑
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blank13

2018年04月15日 | 映画

久しぶりにというか、何年ぶりかの更新である。

北九州市の小倉に「昭和館」という名画座のようなこじんまりとした映画館がある。
市内には他には何軒かの映画館が有るが、すべてシネコンである。

すべてというのは言い過ぎかもしれないが、有ってもピンク映画専門館である。
そういった意味合いで唯一の名画座的な映画館である。
ここの館主は女性であるが、とても意欲的に映画の上映を行っている。
先日も亡くなった大杉漣氏の追悼会と映画の上映を行っていた。
応援していきたい映画館である。

今日、久しぶりに訪れた。
上映中の映画は「blank13」である。
トレンディな俳優でもある斎藤工氏の作品である。

この映画はシネコンなどでは上映されないので
この機会を逃せば、後はDVDで観るしかない。
上映期間も後わずかなので、家内と観に行った次第である。

最近の邦画は変化球が多く、少しうんざりしていた所に
久々のど真ん中直球という胸のすくような爽快な映画であった。
いや、爽快なというのは少し違うような気もするが
心は温かく満たされた。

僕はテレビはあまり観ないので、この斎藤工という俳優のことは
余り知らなかったが、イケメンのチャラチャラした俳優かと誤解していた。
家内が観ているテレビドラマでちょくちょく拝見してそう思っていた。
だからあまり期待はしてなかったのだが
失礼ながらとても真面目な男だと云う事が分かった。
そして仲間との関係をとても大切にしていることも分かった。

映画をまだ観てない方のためにも、ここでは内容について記述しないことにする。
画面はフィルム特有の柔らかい少しトーンが飛んだような処理で
とても好感が持てたし、父と子の関係や兄弟の関係など
実際の立ち位置の距離感などで丁寧に描いていた。
音声も凝ってない。
それでいて飽きない。
見るからに予算も少なそう。
それでもこれだけ感動に浸れる映画が出来るのだと改めて感心した。

映画を観てあまり泣いたことの無い僕が
ラストの母親が安アパートの窓辺に腰掛けて、夫の形見のハイライトを
吸いながらわずかに見える空を見上げるシーンに、思わず一筋の涙がこぼれました。

人生の幸せってなんだろな~?

これからの斎藤氏の活躍にエールを送りたいと思います。
ずっと見続けていきたい映画監督の一人です。

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フェリーニの「道」

2013年12月16日 | 映画

このところ、ずーっと忙しくてブログにまで手が廻らなかった。
といえば、聞こえは良いが、すっかり更新するのを怠けていたのと
11月に降って沸いたような幸運が訪れ、今まさに人生の至福を味わっている状態で
ブログどころではなかったというのが本音である。
その至福とは、何も宝くじで1億円当たったなどという低俗なものではなくて
いや、1億円ならば喉から手が出るほど欲しいのだが
ブログに大っぴらに書く訳にもいかないので、もどかしい。
が、とにかく幸せの絶頂なので、しばらくはブログの更新もままならないと思う。

さて、表題の映画についてであるが
以前から気になる監督であったフェデリコ・フェリーニであるが
なにせ彼の映画を観たいと思っても、九州の田舎に住んでおっては
おいそれと観られるものではなかった。
「8 1/2」を随分前に劇場で観たくらいで、なかなか機会に恵まれなかったのだが
昨今のレンタルDVDのおかげで、いとも簡単にかれの映画が観られるのは嬉しい。
まさか「道」がDVDになっていることすら知らなかった。
ちようど仕事も一段落していたので、早速映画鑑賞。

少し頭がおかしいが純真なジェルソミーナと粗暴な貧乏旅芸人ザンパノの物語である。
何をやらせても中々うまくいかないジェルソミーナ、粗暴で女好きで
邪魔になれば彼女を放り出して、好き勝手なことをやるザンパノ。
彼女を女としてではなく買い取った道具としか見ないザンパノ。
それでもひたすらに彼を思い続けるジェルソミーナ。
しかし、ついにジェルソミーナを捨ててしまったザンパノ。
何年か後、すっかり出世したザンパノだったが、ふと耳にしたジェルソミーナの哀れな死に
自分の人生の中で一番大切なものを失った気がして、砂浜に倒れこむザンパノ。

この映画はフェリーニのデビュー作である。
この映画の中でジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マッシーナは彼の妻である。
決して美人ではないが、何かしら存在感のある女優である。
とくに故郷の海を見る彼女の表情や、サーカスのピエロの化粧をした表情に
とても強く惹かれる。
フェリーニの映画には絶対的な孤独感と言うか、生きることのそこはかとない無常のようなものを感じる。

サーカスの綱渡りアルレッキーノが何をやっても上手く行かないジェルソミーナに
神の啓示を行う場面がいい。
「この世に役に立たないものは、何一つ無いんだ。道に落ちている小石だってなにかの役に立っている」
名言であり、フェリーニの生き方そのものである。

ニーノ・ロータの切ないメロディといい、「道」はとてもいい映画だと思う。
もう一度観よっと。

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門司港で藤原新也氏を見かける

2013年10月13日 | Weblog

昨日の土曜日は、藤原新也氏が主催するCAT WALKのOFF会が門司港であった。
ボクも会員なので参加する権利は有るのだが、生憎と午前中は仕事のため参加できず。
午後1時頃には仕事が終わったので、もしかして一目彼に会えるかもと思い
門司港へ向かう。

門司港に着いたのは2時を廻っていたので、とりあえず「好々亭」で天そば大盛りを食べ
門司港レトロの港にクルマを停め、あたりを散策してみるも
藤原氏らしき一行は、まったく目にすることが出来ず
港には必ず来ると踏んでいたのだが、連休の初日で、人出も多く
こういった観光地には来ないかもしれないと思い
ならば、彼がその保存運動にも一役買った三宜楼には
必ず訪れるに違いないと思い、クルマで向かう。

この読みは的中し、なにやら多勢の人の群れが三宜楼に入ってゆくのを目にする。
すかさずクルマをUターンして、路地に入ると、先頭に藤原新也氏がヘッドマイクを着けて
先導していた。
ボクは自分が会員であり、この会に参加したかったのだが
仕事の都合で参加できず、だが一目会いたく、門司港までクルマを
飛ばしてきた由を伝え、握手でもしていただきたかったのだが
道が狭い上に、クルマの通行も多く、どうにも停車できず
この目論見は泡と消えた。

しかしこの機会を逃してなるものかと、再度クルマをUターンして
彼ら一行を追っかけたのだが、どこへ向かったのか見つけることは出来なかった。
再度港にも行ってみたが居らず、古い商店街にもクルマを走らせて見たが
目にすることはなかった。

大変残念ではあったが、またの機会を待つことにしよう。
彼は思ったほどの大男ではなく、中肉中背のおっさんだった。
丸いサングラスに、刈り上げた白髪頭、そしてダブダブの茶色のシャツといった出で立ちだった。
今年は本当についてない。
悉く仕事に邪魔される。

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