写真は、加賀市民病院
お恥ずかしい話ですが、先日水曜日(6/24)の勤務中に体の具合が急に悪くなり、救急車で近くの加賀市民病院に運ばれました。今月初めに、金沢市内の高校の先生が脳溢血で急死されたばかりでしたので、周囲の人たちが大事をとってくれたのです。 2泊3日の検査入院の結果、幸い脳内の出血は認められず、疲れによる血行障害からくる「前庭神経炎」では、ということでした。結局、金曜日に一応退院の許可が下り、しばらく自宅療養すればよいとのことで、無事家に戻ることができました。
上の写真は加賀市民病院の救急入り口 下の写真は、救急車の内部(参考写真:オーストリアの救急車)
今回の緊急入院で、ひとつ勉強になったことがあります。それは、最近話題になっている「チーム医療」を体験できたということです。まずは学校で急にめまいと吐き気がして動けなくなったときに、駆けつけてくれた救急車のチームの方々の的確な処置に、とても勇気づけられました。
そして入院することになって後も、 「私が担当する看護師の〇〇です」 「私が担当する薬剤師の△△です」 「私が担当する栄養士の□□です」といった具合に、次々に担当の方がベッドまで来られて挨拶され、丁寧な説明を受けました。15年ほど前にも同じような症状で入院したことがあるのですが、その時に比べて、「スタッフ全員によるチーム医療」を感じたのです。そしてそれぞれの方が、自分の職務に誇りと自信を持っておられるようでした。
そして家に戻ってみると、うれしいニュースが・・・。というのは、「歴史に学ぶ改革実践研究会」でご一緒していただいている青島敬二先生が勤務されている芳珠記念病院が、「日本輸血細胞治療学会」より安全な輸血医療を実践する“I&A認定施設”として認定されたというのです。青島先生は「臨床検査室、薬剤部、看護局、診療局のチームで勝ち取ったもの」とおっしゃっていますが、とても素晴らしいことだと思います。 ☆青島先生のご紹介は、芳珠記念病院のHPをご覧ください。http://www.houju.jp/doctor/doctor-top.html
ときに、「歴史人物に学ぶ改革実践」のために本を読んでいる二宮尊徳ですが、先日(6/22)のブログでご紹介した「積小為大」や「五常講」といった実践偏のほかに、「一円融合」という考えも説いています。
一円融合(いちえんゆうごう) 全てのものは互いに働き合い、一体となって結果が出るという教えです。例えば、植物が育つには水・温度・土・日光・養分・炭素ガスなど、いろいろなものの徳が融け合ってひとつになって育ちます。
NPO法人はが観光協会HP 「桜町二宮神社」の案内より
今回の入院で体験した医療の場における「チーム医療」は、まさに、二宮尊徳の「一円融合」の現代版ですね。そして、この入院体験を青島先生にメールでお知らせしたところ、次のようなお返事をいただきました。
平野先生入院されたとのこと大変でしたね。幸い、短期入院で済んだとのことでほっとしています。めまい、嘔吐の方は、当直や初診外来をしていると1日に一人や二人は診ています。救急車で搬送される方から自分で歩いてこられる方など症状は様々です。ほとんどは平野先生のように2-3日で軽快しますが、中には小脳出血なども方もて、頭部CT検査を極力しています。 <一円融合>という言葉はチーム医療にも通じるものですね。
また、先日、PFドラッカーの言葉で、<カルテは共通の楽譜である>というものがありました。ここ1-2年、チーム医療の実践の一つとして、カルテ(正式には診療録)の毎日の経過録に医師のみでなく、リハビリや栄養士、ソーシャルワーカーなどに記載して、主治医との情報共有をはかっています。また、院内メールで情報交換や相談を行い、電話の回数が減り、仕事の中断が少なくなりました。これからも認定施設としてみんなで協力してさらにレベルアップしていきたいものです。 〒923-1226 石川県能美市緑ヶ丘11丁目71 医療法人 社団 和楽仁(わらに)芳珠記念病院 内科 青島敬二
芳珠記念病院の「I&A認定施設」も、それぞれのメンバーが、自分の部署における「徳(長所)」を持ち寄って、成し遂げられたことだと思います。これからもきっと、よりよい医療サービスを地域の皆さんに提供してくださることでしょう。そして加賀市民病院の医療スタッフの皆さん、救急隊員の方々(何とリーダーは、私の中学時代の同級生でした!)、本当にありがとうございました。またよろしくお願いします。(といっても、あまり病院のお世話になりたくはないですけどね・・・笑)
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