椿落ちてきのふの雨をこぼしけり
燕(つばくら)や去年(きよねん)も来(き)しと語るかも
妻も子も寺で物くふ野分かな
妻や子の寢㒵(ねがほ)も見へつ薬喰
釣鐘にとまりてねむるこてふ哉
突さして團(うちは)わするゝ俵かな
月天心(てんしん)貧しき町を通りけり
月更けて猫も杓子も踊かな
頭巾着てともし吹(ふき)消すわび寝哉
辻堂の仏にともすほたる哉