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背中に赤ちゃんを背負い大きな男物の黒い傘をさし
ねんねこを着た一人の女が踏切を渡り切れないで
立ち往生ている姿は・
踏切番の人にとっては、異様に見えたに違いが
ありません。
実に速い速度で、私の所に飛んで来るなり「何してるんですか」と大きな声で怒鳴りました。
何もしてた訳ではないのです。此処は開かずの踏切で有名でしてその真ん中に取り
残された私は前にも後ろにも戻れないだけなのですが。
踏切番の人は、私が親子心中に見えたようです。
今と時代が違い、「ねんねこ」姿の若い女が大きなおむつ袋を下げて黒い大きな傘を挿していれば・
おまけにねんねこは雨でびっしょりと濡れていれば何処から観ても人生の悲哀を感じさせる姿だったと思います。
助けられて渡りきり友達の家についてこの話をしますと・あそこは渡らない方が良いとのこと。
お天気が良ければ回り道をして、駅の地下道を通るのですが雨が酷く時間も無いので近道をしたために起きた出来事でした。
それにしても親子心中に間違へ無くても良いのに・・
今のようにスマートな若いお母さん方を観ますとこの時の自分の姿が如何にみすぼら
しかったか・
あの時代は極普通なんですけれども雨に濡れた「綿入れのねんねこ」には哀感が有りすぎたようです・・
「幼き子背に路急ぐ踏切で電車に挟さまれぬれねずみの様」
「哀れにも親子心中と間違われ銘仙の衣が雨に泣いてる」
「踏切の中之島にて立ち往生行くも帰るも出来ぬ雨の日」
「雨の日に行くことないと言われても舅の居る身自由が欲しい」