真っ暗な6分、神秘の闇を体感(読売新聞) - goo ニュース
その瞬間から辺りは一面、真っ暗闇となった。国内では46年ぶりとなった皆既日食。
地上での観測が期待された鹿児島・トカラ列島の上空は22日午前、あいにくの悪天候で「黒い太陽」は拝めずじまいだったが、太陽が月にすっぽり隠れ、真夜中のような状態が6分ほど続いた。
一方、太陽が大きく欠けて見える「部分日食」は沖縄などで観察され、天体の神秘に酔いしれた。東京など都市部のオフィス街でも、ビルの屋上から人々が空を仰いだ。
◆悪石島
皆既状態が人の住む陸地で最も長い6分25秒続いた島では、朝から厚い雲が空全体を覆った。観測客と報道陣計約220人と、地元の人々が集まった十島村立悪石島小中学校の校庭。たれ込めた雲の裏で太陽が欠け、辺りが薄暗くなり始めた午前10時半ごろから豪雨となり、皆はテントや学校の体育館に避難した。
それから約30分。薄暗かった空が突然、すっと真っ暗に。風が強まり、気温が下がった。「まるで夜みたい」「うおー」「すごい」。集まった人々はぬれるのも忘れて外に出て、神秘の闇に感嘆の声をあげた。
◆中之島
厚い雲が空を覆い、薄暗い天候のなか、島内の校庭でツアー客約70人と島の児童らが、世紀の天体ショーを見守った。午前10時53分頃、月がすっかり太陽を隠した。「こんなに暗くなるなんて思わなかった」「こわーい」。真夜中のような暗さに、子どもたちから驚きの声が上がった。
しかし、注目のコロナやダイヤモンドリングは姿を現さない。「一瞬でも晴れ間がのぞき、コロナを見せて」。そう願って見守ってきた人たちからはため息も。この日のため6年前から勉強会を開くなど準備を進めてきた中之島天文台の福澄孝博台長(46)は「日食体験を共有できたことは、たとえ太陽が見えなくても、みんなの財産になりました」と笑顔をのぞかせた。
◆諏訪之瀬島
午前10時45分を過ぎると次第に暗くなった。それまでうるさく鳴いていたセミは徐々に鳴きやみ、気温が下がり、暗くなるとともにぱたりと聞こえなくなった。6人の全校生徒と教員、保護者ら20人が集まった平島小中学校諏訪之瀬島分校では、真っ暗になると、はしゃいでいた子どもたちもおとなしくなり、一気に静寂に包まれた。
真横に座る人の顔すら見えない闇の中、小学6年の小桜 斉生 ( さいき ) 君は「暗くなったから眠くなっちゃった」とごろりと横になった。
◆屋久島
早朝から厚い雲がたれこめ、強い雨が降った。観測ツアーで訪れている鹿児島県天文協会(鹿児島市、65人)会員ら約30人は、南北約30キロの島の北と南の端に二手に分かれて観測ポイントに。カメラやビデオ撮影のために三脚を並べて、その時を待った。
にわかに空が暗くなり、会員らがカウントダウンする中、午前10時56分頃、突然、周囲は真っ暗に。「ワーッ」と歓声が上がり、島の民宿には夜のように明かりがともされた。約4分後、西の空から徐々に明るくなると、会員らは「すごい」「来て良かった」と口々に話した。
◆奄美大島
北部の 用 ( よう ) 海岸は絶好の観測ポイントの一つとされ、多くの天文ファンが集まった。太陽が大きく欠けると、海面に反射していた光が消え、冷たい風が吹き込んだ。空は夕暮れのようにオレンジ色に染まり、薄暗くなると、どよめきが起こった。
千葉県野田市の森田喜久蔵さん(68)は「異様な雰囲気だった。あっという間だったがいい機会だった」と感慨に浸っていた。
生中継 46年ぶりの皆既日食 (ライブ映像がお楽しみいただけます、NHK)
2009年7月22日 皆既日食・部分日食 (各地の情報が載っています、 goo 天気)
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