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遺言執行

2014年04月27日 | 仕事
遺言執行業務

公正証書遺言で遺言執行者に選任されている場合の、
1.清算型遺贈の場合の移転登記の方法について
  公正証書遺言による「遺言者は、不動産を換価処分の上、この処分に要した
諸費用を控除した残額全てを○○会に遺贈する」とある遺言書に基づき遺言執行
者が不動産を売却して、買主名義に所有権移転の登記の申請する場合には、その
前提として相続による所有権移転の登記を要することとなるが、移転登記の申請
方法について、下記の意見のとおりで差し支えないか。
1.昭和45年10月5日民甲第4160号民事局長回答
 「遺言執行者は不動産を売却してその代金中より負債を支払い残額を受遺者に
分配する」とある遺言状に基づき、遺言執行者が不動産を売却して買主名義に所
有権移転の登記を申請する場合には、その前提として相続による所有権移転の登
記を要する。(先例集追Ⅴ261頁、登研276号61頁〔解説277号74頁〕
月報26巻1号594頁)
2.昭和52年2月5日民三第773号回答
「遺言執行者の単独申請により被相続人名義から相続人名義に相続による所有権
移転登記を経由した上で、遺言執行者と買主との共同申請により相続人名義から
買主名義への所有権移転登記をすることになる」
(登記研究456-133)
3.日本加除出版発行『実務家のための相続法と登記』(幸良秋夫著)259ペ
ージ(登研476号)により、清算型遺贈の場合、2段階で所有権移転登記を行う。
 ①相続人全員を名義人として、相続人の代理人である「遺言執行者」が単独で、
相続人が関与することなく法定相続分の割合に基づき所有権移転登記(相続登記)
を行う。
 ②上記の相続人全員への移転登記完了後、今度は相続人全員を売主として、売買
を原因とする所有権移転登記を行う。ただしこの場合も、実際の売買手続と登記手
続は、「遺言執行者」が買受人と共同で行う。
4.以上、
  ①法定相続分での登記は、遺言執行者からの申請で可能
  ②登記識別情報は相続人分発行され、遺言執行者の受領が可能
  ③売却に伴う売買による所有権移転登記も、②の識別を添付して遺言執行者か
ら可能でよろしいか。
・昭和45年10月5日民甲第4160号民事局長回答(先例集追Ⅴ261頁、登
研276号61頁〔解説277号74頁〕、月報26巻1号594頁)
・『実務家のための相続法と登記』(幸良秋夫著)259ページ(登研476号)

(回答)  
上記記載のとおり、可能である。

 疑問点1として、連件で申請する必要はあるのか⇒ ない。
 疑問点2として、マニュアル書式精義には、売買の際の添付書類としての代理権
限情報として、①公正証書、死亡を称する戸除籍謄本、除住民票が必要と掲載され
ている。⇒ 法定相続登記を入れているにもかかわらず、売買の際に求める添付書
類としては、公正証書のみで差し支えないと思われるが・・・法務省の通達は、
ないため、疑問が残る。
 疑問点3として、遺贈の本来の遺言者の意思を反映するためには、何も法定相続
人に登記を煩わせたくないのが本音であるため、直接的に売買の買主あての所有権
移転登記ができないものであろうか?清算型の遺贈については、遺言書を作成する
ときも、遺言者を納得させるのに苦労をするのである。物権変動を省略できないた
め、中間省略登記ができかねるということが論理的に説明をされているが、現実的
に乖離している法構造に疑問を呈するのである。さらには、譲渡税の対象になる相
続人が出てくる可能性があるために、あらかじめ、税務当局に申し入れをしておか
ねば、登記面上での課税をされるため、法定相続人は被害甚大であり、注意を要する。


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