寺の名に 惹かれ新緑 わけ登る
荒寺なるも 魅する住職 風薫る
「大悲閣千光寺」という名前が大層いかめしく、また山上にあるその寺からの京都の眺めが素晴らしいと聞いていましたので、福田美術館の後で渡月橋を渡り、新緑のどかな保津川の上流へ右手に舟遊びを見ながら歩いて行きました。
1キロ余りということでたいしたことないかと始めは思っていましたが、参道からは急な坂道。深き新緑の急坂参道を登り切りますと、お世辞にも立派とは言えない雑な構えの小さな建物がありました。「お坊さんは居るのかな、拝観料(400円)はどこで払うのかな」と思いながら「こんにちは」と大声を出しましたら、ざっくばらん風のお坊さんが出てこられました。話せば話すほどこのお坊さんの人間的魅力に惹かれてゆきます。このご住職のお名前は「道忠」さん。寺にお住まいではなく(というより、建物の状況から住む場所が今のところないのでは・・・)、通われながら、長年、寺の再興にご尽力されおられるそうです。