
最後に訪れたのは、ゆりかもめテレコムセンター駅から少し歩いた場所にある「海上保安庁 海洋情報資料館」の見学です。
10名以下であれば、事前申し込みなしで無料ですぐに入館できます。
ここは、かつて海軍水路部が収集していた資料を、戦後、海上保安庁が引継ぎ、2002年に資料館として一般公開され、2023年にリニューアルされ現在に至ります。


海図展示コーナー 江戸幕末ごろに作成されたものや、日本近海図、海底地形図など我々が普段目にした事のない海図の多くを展示しています。

明治初期頃に製作された石板に描かれた海図の種版です。 これを転写印刷して海図を重版するわけです。取扱いが面倒なので次第に使用されなくなり現存するこの石版は希少なものだそうです。

ミクロネシアのマーシャル諸島で用いられていた椰子の葉の枝柄と小石や貝殻を用いて作られた海図 環礁の位置や海流、うねりの方角などを現しているのだそうです。

日本海図の創始者 柳猶悦(ならよし)日本における海洋測量の第一人者として測量体制を整備・統率し、日本各地の沿岸・港を測量し、海図を作成した。その功績から「日本水路測量の父」「海の伊能忠敬」と称される。 (WIKIより)

歴代の巡視船・測量船紹介コーナー 海上保安庁の巡視船と言えば、以前尖閣諸島で度かさなる警告にも関わらず中国国籍の不審船と衝突事故があった事件を想い出します。

海洋測量器具、歴史的な海洋図展示コーナー

希少な「大東京鳥瞰写真地図」(複製版)昭和八年当時1万分1地形図の図郭ごとに空中写真約10枚程をモザイクしたもので200部限定出版 だったそうです。 

昔住んでいた飯田橋辺り 当時の空中写真は、極めて珍しいものだそうです。

一級図化機 日本とドイツに一台ずつしか現存しない希少なもの

「潜水艦で輸入」と言った下りは、軍事的にも機密機器扱いだったのは想像に難しくはないでしょう。

潮候推算機 電子機器の無かった時代に複雑な未来の潮汐現象を計算した機械

今でこそインターネットですぐに、確認できる潮汐ですが以前はこんな大掛かりな装置が必要だったのですね。

六分儀 2点間の距離を測定する携帯用の測量機器

天体用経緯儀 望遠鏡の十字線を使って方向角を精密に測定する器具 

気泡六分儀 大戦中に使われた洋上で星や太陽の高度を測量し自位置を測量する機器

明治7年に我が国で起こった金星の「太陽面通過」天文現象を観測した場所の記念碑 まだ、勝海舟(海軍大捕)が存命だった時代 地球と太陽と金星の位置関係からそれぞれの距離を正確に計測できる絶好の機会だったそうで、アジア圏でしか観測できず各国が日本に来て観測を行ったんだそうです。

金星試験顛末 なかなか興味深い内容

日本近海地形図を赤青のメガネをかけ3Dで楽しもうと言う趣旨のコーナー

今の海洋観測技術は、従来よりの空からの観測、船舶での観測、また自律型の観測装置でも行えるようになったそうです。

巡視船、測量船のペーパークラフトは自由にお持ち帰り可能

不要になった海図をA4サイズの封筒で製作するコーナーもあって、新たな見識も広がりなかなか楽しめました。
☞公式リンク:海洋情報資料館|海上保安庁 海洋情報部
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます