【AFP=時事】中国で、8歳の少女が肺がんを発症していることが確認された。同国で過去最年少の患者となるが、医師らは大気汚染が肺がんの直接的要因と述べている。中国国営メディアのウェブサイトで報じられた。
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中国国営の新華社(Xinhua)通信のウェブサイト「新華網(Xinhuanet)」によると、この少女は、中国東部、江蘇(Jiangsu)省の幹線道路そばに暮らしている。
江蘇省南京(Nanjing)にある江蘇省がん病院(Jiangsu Cancer Hospital)の医師によると、少女は長期間にわたって有害粒子とちりにさらされていたという。
米国がん協会(American Cancer Society)によれば子どもの肺がん発症は極めてまれ。発症が診断される平均年齢は70歳ほどだ。
だが、中国では、急速な発展により都市部を中心に大気汚染が拡大する中、肺がん患者が急増している。北京(Beijing)市の保健当局によれば過去30年で肺がんに関連した死亡は4倍に増えており、スモッグで覆われた北京市での最大の死因となっている。
がんの主要な原因は大気汚染、WHO
【10月17日 AFP】世界保健機関(World Health Organisation、WHO)は17日、屋外大気汚染をがんの主要な原因と分類すると発表した。
WHOの外部機関「国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer、IARC)」のクルト・シュトライフ(Kurt Straif)氏は「われわれが呼吸している空気自体が、発がん物質で汚染され続けている」と述べ、今や屋外大気汚染は全般的な健康への主要リスクのみならず、がん死亡の環境的な要因となっていることが分かったと明らかにした。
IARCの報告によると、一流専門家チームは、大気汚染にさらされることが肺がんの原因となり、膀胱がんリスクも高まるという「十分な証拠」を得たという。
大気汚染の組成や、大気汚染に人がさらされる程度は地域によって大きく異なるが、IARCが導いた結論は地球上のすべての地域に当てはまるという。
大気汚染が呼吸器や心臓疾患リスクを高めることは、既に知られている。
IARCによると、近年、急速な産業発展を遂げる多人口国家を中心に大気汚染への露出が著しく増加している地域がみられるという。
最新となる2010年のデータによれば、大気汚染が原因の肺がんにより世界で22万3000人が死亡している。
これまでIARCは、個々の化学物質や、ディーゼル車の排ガス、溶剤、金属成分、ちりなど大気中に含まれる混合化学物質の計測を行ってきたが、今回の発見は大気質そのものを対象に導き出した結論だ。
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