こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ヒーローだい

2015年12月21日 00時17分32秒 | 文芸
若い頃、

車を運転時、

指なし革製手袋をはいた。

テレビドラマでスターがつけているのに(かっこいいー!)と,

一目ぼれしたのだ。

 わざわざスポーツショップに出向いて見つけたドライビング用のレザー手袋。

ひと目で気に入った。

そうなると買うしかない。

しかし値段を見て固まった。

手袋でその値段は、

田舎に住む若者には信じられないモノだった。

仕方なく店を出たが、

欲しくて堪らない。

 当時給料は全部母に渡していた。

貰う小遣いで自分の買い物は本か文房具だけ。

それがレザー手袋に魅入られた。

諦めきれず母に話すと、

「あなたが仕事で頂いたお給料なんだから、好きに使いなさい」アッサリと余分の小遣いをくれた。

すぐにあの店へ飛んで行った。

 ついに手に入れた手袋。

はくと実にかっこよかった。

何度もはいては脱ぎを繰り返した。

ハンドルを握るとヒーローになれた。

 今は素手で運転する。

そういえば手袋をはく機会は,

いつの間にかほとんどなくなった。

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