こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

もうちょっとや

2015年08月06日 16時05分57秒 | 文芸
玄関の開き戸のカギがおしゃかになった。
 さっそく男の出番。ドライバーで止めねじを緩めて、鍵の部分をごそっと外した。
(さて?)
 裏に表といじくりまわしたが、さっぱり分からない。プッシュ式よりボックス式のカギはどうも複雑すぎる。こりゃお手上げ状態
である。
「鍵屋さんに頼もうか?」
 見兼ねた妻がポソッと。
 しかし、そう簡単に降参するわけにはいかない。一度手を付けたのだ。あっさり引き下がるのはプライドが傷付く。
「俺にまかしとけ」
 もう強がりで通すしかない。
 慌てて本屋に直行。自分で修理のムック本を買った。立ち読みしたページには、カギ、蛇口……イラスト付きで解説されてある。(これは、いいぞ!)と買ったのだ。
(これなら簡単じゃないか。いけるいける)
 意気揚々と再挑戦…。「ん?」なんだ、これは。掲載されてある修理道具がない。ドライバー1本では出来ないぞ!手持ちの工具が応用できるなら、今ごろは修理も済んでいるよなあ。ホームセンターに走った……?
 あれから3ヶ月。
「もうちょっとや」の連発も、そろそろ限界。
「ああ、忙しいんでカギに掛っとられへんわ。しゃーないわ。どっか専門の床に頼んで来い」
「ハイハイ」
 心得たとばかりに妻。こうなることは想定内と割り切っている。そういや、これで何度目だっけ……?
(2012・8・21原稿)

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