こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

安いのないの?

2015年07月31日 02時49分16秒 | 文芸
男の手料理愛をひとつまみ



 昨春、退職を機にわが家の食事づくりを担当するはめになった。

 さっそくレシピ本や料理サイトを見て和洋中に挑戦だ。意気込みは充分だが、いざ調理となると、思惑違いの連続。

「ボク、食べる人」のときは考えもしなかった食費の限界。現実は厳しかった。予想外の体験で、妻がいかに苦労していたか、やっと分かった。

 レシピ通りの食材調達など無理。自家栽培の野菜中心にならざるを得ない。試行錯誤を重ねて、ようやくわが家なりの調理法がつかめたのは半年後だった。

 食材や調味料の買い出しはチラシとの睨めっこ。スーパーや安売りの目玉商品を求めて走る。

 おかげでモノの値段を覚えた。安い食材で、うまい料理。言うは易く行うは難し。しかし、家族への思いやりを忘れなければ、美味いものが出来上がる。そして。それは家族の笑顔を生み出す。

 女性に委ねがちだった家事・料理が、男の手に移ってもおかしくない時代だ。

 誰が担うにせよ、根底に家族への愛があればいい。

 さあ、今年こそ、隠し味に愛をひとつまみだ。

(朝日・2013・1・1掲載)



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