こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

餅つきペッタン

2021年12月29日 04時02分52秒 | 日記
数年前まで、年も押し迫ったころの、
家族総出の餅つきが、我が家の恒例行事だった。
それがコロナでやれなくなった。
餅つきを引っ張っていた父も、
今年97歳でなくなり、
餅つきはもはや風前の灯状態に。
仕方がなく、ここ数年市販の餅に頼っている。
形も量も統一された規格で使い勝手はいいが、
家でついていた餅の不揃いの丸餅は、
捨てがたい風情があった。
昔ながらの臼と杵で、
「ペッタンペッタン」と突き上げた餅を、
餅粉を広げた台へ移し、
何人かがよってたかって、手で丸めるが、
馴れていないと、いびつな丸い餅になってしまう。
何より、臼で搗きあがった餅を、
手でちぎって小分けする作業が難しい。
それを器用にやってのけたのが父だった。
たかが餅なのに、
年季がものをいう。
幼いころから参加しているが、
子供の役目といったら、
蒸しあがったもち米(おこわ)や、
丸めた餅を頬張ることだった。
あんこやきな粉が用意されて、
なんぼでも食べられるおもち。
もんぺと割烹着姿で手ぬぐいをかぶった母を思い出す。
「腹いっぱい食べな」
忙しく立ち働きながら、
母は子供たちへの優しさを忘れることはなかった。

きのう孫二人を預かったが、
あの子らに餅つきを体験させてやりたいと思ったが、
臼や杵はもうない状態では、
どうしようもない。
マシーンを使った餅つきでは味気ない。
自分の手でで搗き、そして丸める、
あの光景が復活する日を願いたい。
コメント
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