「イヤホンマイクの音声はいつでもONにしておくわ、使いたくなったら使って頂戴」
「それだと息も入ってしまわない?」
「低レベルのノイズ扱いになるからそこは拾わないわ、安心して」
律子がそういうのだからそうなのだろう
「ウィッグはこれでいいの?」
「付けないでいっそ髪型変えてくれたほうがいいかもね」
屈伸をしながら質問の繰り返し
お互いに今出来る事、出来そうな事、無理な事
確認しながら最良の演出を探していく
「あなたがソロで歌った時のダンス、そのままでお願い」
「真美のパートね…アレンジは入ってなかったわね」
「ええ、真美はあなたの時のダンスそのままだったの、亜美がミラーでね」
どうりでアドバイスもしやすいはず
けど10年近くあのダンスに少しもアレンジが加えられてないというのも不思議な話だ
「完成してたからね、あのダンス」
私の考えを読み取ったのか律子は答える
「楽曲完成時に作られたダンスをプロデューサーがアレンジしたの」
「アレンジ?」
初めて聞いた
あの人が持ってきた時から振り付けは変わっていない筈
そしてあの楽曲を歌ったのは私が一番最初
つまり最初から振り付けはああだったはずなのだ
「知らなかったのね」
「習った時からあの振り付けだったもの」
「…言ってなかったんだ、まあプロデューサーらしいけど」
「どういうことなの?」
少し思案してから時間もないしまあいいかと律子は切り出した
「あの曲ね、本当はもっと複雑な振り付けのプロトタイプがあったのよ
プロデューサーはあなたのダンスマスター挑戦に合わせて
できたばかりのrelationsを手に入れてきたのだけれど
どう考えてもダンスが苦手なあなた向けの振り付けではなかった
だからプロデューサーは振付師の先生と相談して
少ない動きでダイナミックな動きを感じられる振り付けに大幅変更したの
結果的に見栄えも良くなったし、シンプルながらも大胆な振り付けになったわ
始めは難色を示していた振り付け師の先生も熱意に負けたみたいね
初お披露目となるアイドルがダンスが苦手なあなただとは思ってなかったみたいだけど
あの歌声には私の振り付けを変えてもいいぐらい魅力があるって納得してくれたって」
私は黙って聞いていた
黙るしかなかった
影でのあの人の努力
私のための努力、まだ隠していたんだ
「泣かないでね、本番前なんだから」
「ええ…」
頭をかきながら律子は少し困った顔をした
「言わないほうがよかったかしら…?」
「いいえ」
この場にいなくてもテンションを上げてくれるなんて…
あの人はやっぱり私の「プロデューサー」
静かに燃えてきた私を見て満足そうに頷く律子
今なら…大丈夫!
「そんなあなたに頼りになるパートナーを紹介するわ」
「パートナー?」
良く考えればよくわからない私だけでメインになる筈が無い
一応変装もする訳だし
今回のメイン亜美真美の代わりに入るのだから
「確かに私だけでは華が無いわね」
「あなたが「如月千早」として出てくれるなら十分なんだけどね」
「無理よ、私を見て喜ぶなんて「あの人は今」ぐらいだわ」
「本当に外の情報見てないのねぇ…」
少し呆れた表情で呟く律子
「まあ、いいわ、そのためのゲスト!カモーン!」
指を鳴らしドアを開けて入ってきて
そのまま勢いよく私に抱きついてきた
「千早ぁー!久しぶりー!」
「ま、真?」
だいぶ間が空いてしまいました
ごめんなさい
謝ってばかりな気もしますが
すこし身の回りが片付いてきたので
更新に取れる時間が増えるかも…ね?
アケの方は鈍ってきてます
ボーダーが読めない
4-4-4とか久々に取りました
おかげでランクAの亜美真美、やよいが敗北減退をがっつりと…
40週待たずS行けそうですが…きついなぁ
アケマスの弱点というかなんというか
精神的に本当にがっかりするんですよね
申し訳ない気持ちで一杯になる
だからこそやってもらいたいんですが
悔しい気持ちは絶対無駄にはなりません!
リセットで薄められる安心感も好きだけど
取り戻せないあの「申し訳なさ」味わってもらいたいです
そんなプロデューサーである自分も
ついにアクセコンプまで後1つ!
143の輝く数字がまぶしいぞ!
携帯のクリスマスプレゼントは全部持ってるから意味が無いぞ!
箱版のナイト帽子が欲しいぞ!
ナースキャップも出てないぞ!
衣装はコンプしたのに!なんでだ!?