はづきちさんのはまりもの

まだあったので日記帳になりました

千早と律子 Nature3 (千早SS)

2007-03-17 22:48:15 | 千早4畳半(SS)
律子がちゃぶ台でトマトをかじっている
シャワーを浴びて部屋に戻って初めて見たものがこれだ
かなりのインパクト
「土の上で働いて、シャワーで汗を流して、収穫したてのトマトにかじりつく!
こんなに充実した休日があるかしら!」
あ、いつの間にかにかビールまで開けてる
「行く前はあんなにぶつぶつ文句言ってたくせに」
「いやー!生きてるって感じよねー!しかもまだ午後3時だって!」
「時間を理解しながらもビールを開けるあなたが凄いわ」
向かいに座って私もトマトをかじる
よく冷やしておいたから甘くて冷たい
ちょっと歯に染みるぐらいがちょうどいいのだ
「普段じゃ千早まだ寝てる?」
「そんなに寝坊してばかりじゃないわよ…でも10時ぐらいまでは寝てるかしら」
考えてみれば早起きなんてするほうが珍しい
目覚ましをかけるなんて普段は無い事なのだから
「いい御身分ですこと、羨ましいわー」
ちゃぶ台に倒れこむようにして律子はだれる、でトマト食べてる
かなりお行儀は悪い
「バリバリの敏腕プロデューサーさんは忙しくなきゃダメじゃない」
「まあそうなんだけど…これがなかなか…あー千早って凄かったのね」
「なによ、突然…」
律子が私を褒めるなんて珍しい事もあるものだ
事務所を辞めて最初の頃罵倒や説得はあったが
褒められるなんて今の生活になってからは無かった気がする
「トリプルミリオンの歌手がうちに居たなんて今では伝説よ」
「…伝説なんて生きてるうちにされるもんじゃないわ」
私もビールを開ける
今でもあの頃の事を思い出すと少し胸が痛むのはしょうがないと思う
それでも昔のように、嫌な事ばかり思い出して泣きそうになる事は無い
背中を丸めてベットに蹲って嗚咽を上げて
泣いて叫びたいけどそれもできなくて、うめく様に泣きじゃくる
そんな事は…もう無い
時間は全ての特効薬
昔の人は本当に上手い事を言ったものだ
「あの頃は破竹の勢いだった我が765プロも今じゃあ中小プロダクションだもの」
「その言い方は私が抜けたせいみたいじゃない」
「4が2になってしまった感じなのよ!今の765プロのビルは」
「4?2?何の話?」
765プロが移転したと言う話は何回か聞いたが数字の意味がよくわからない
「と、とにかく新人がなかなか芽が出なくて弱ってるの、プロデューサーとしては!」

なるほど…
これは酒の席での仕事の愚痴か
あの律子が愚痴をこぼすと言うのも珍しい事もあるものだ
珍しく早起きして、珍しく褒めてくれたんだし、珍しい愚痴も聞いてみましょうか
「今はしっかりレッスンできる準備期間があるって言ってたじゃない」
「準備期間はあるはずなのにルーキーズに間に合わないのよ!スケジュールが!」
ルーキーズとは新人アイドルの登竜門
これの合否はそのアイドルのその後を左右する事になる重要なオーディション
…と受かった後で聞いた事を思い出した
「私達の時のスケジュールが無理があっただけの気がするけど」
「ええ、あのタイトなスケジューリングは私には無理!」
あのタイトな…それは恐らく、いや確実に私がプロデュースされていた時の話だ
つまりは彼のスケジューリング
確かにかなりのハイペース、休みもほぼ無い私のアイドル期間だったが
「活動記録なんて残ってるのね」
特に意識もせずに出た言葉だったが、律子は食いついた
「あなた達のスケジューリングは本当に奇跡の綱渡りだったのよ」
ビールを傾けながら続ける律子
「絶妙のタイミングでの雑誌取材、プロモーション、新曲発表…」
最後のトマトを掴み、指を数えるように折っている
「そこら辺は運が良かったのと、後………とにかく私の活躍じゃないわ」
トマトが無くなったので、一緒に貰ってきた枝豆でもゆでようかと
席を立つ私の背中に律子は呟く
「そして全ての成功の下地は…あなたの歌よ」



農家お出かけ編最終です
はい!まったく作業風景とか無いです!
ギギギ…アンちゃん悔しいのう
ワシはトマトを収穫した事ないんじゃあ
さてこれから過去を振り返る事になります、
そして他のキャラの現在の姿が出て来る事になると思います
そしてそれはあくまで私の妄想です
設定などは定時のスレで語られたものを使うつもりなんですが
なにやら律っちゃんが酒飲みキャラにしかなってねぇのが…
765一刻も大好きなので
そこらへんもクロスオーバーはさせていきたいですねぇ
過去の話は…どうなるのか自分でもまとまってない
(いつも書きなぐってよく考えないで上げてるから)

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1 コメント

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引き込まれてます (茶漬け)
2013-03-08 04:09:39
アイドルマスターを最近知り見事にハマってしまい、ネットでssを読み漁る日々、偶然発見したこの作品にこれまでないほどに引き込まれています!

とても面白い予感、最後まで読んでみます

2013より
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