はづきちさんのはまりもの

まだあったので日記帳になりました

この美しくも儚い4畳半の世界 序奏2 (千早SS)

2007-03-08 22:09:55 | 千早4畳半(SS)
ここには物は殆ど無い
狭い部屋に沢山、物を置いてもしょうがない
古いテレビとラジオ、黒い電話
それとちょっと汚れた銀色のハーモニカ
吹ける曲は少ないけれど、お気に入りの一品だ
いつか夕方に窓際で吹いていたら、律子に注意されたっけ
「はまりすぎてるし…涙ぐむぐらいならやめなさい」って
私はこれを吹くと少し涙腺が緩くなってしまうみたい
窓から見える赤い赤い夕日と
演奏していた、私が一番好きな曲の歌詞が悪いのだ
「この翼もがれては生きていけない私だから」
嘘ばっかり
私はこうして生きている

布団の上でぼーっとしてたら鐘がなった
そうか…もうお昼なのね
特におなかは減ってなかったから
そのまま座って考える
さてと、今日はどうしよう?

空は快晴
外に出なきゃなんとなく勿体無い気分になりそうだ
窓から外を眺めて思い出す
そう言えばちょっと遠くに美術館が開館したとか
サイクリングにはちょうどいいかも
よし、今日は美術鑑賞の日かな
そうと決まれば、ブランチ代わりに蛇口をひねり
出てくるただの水道水を一杯飲み干す
帰りにそう…
夕食の材料と一緒に電球を買うのを忘れないように
自分に言い聞かせてからドアを閉めた



オープニングはこれで終了です
次回からは1話完結な感じでやりたいですが…
どうだろう?
特に何も無い日の未来の千早の一日って事で
設定なんかもポツポツ出して行きたいですが
まずは会話が無いのをどうにかしなければ…

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっと見つけた! (kiki)
2011-07-15 06:06:22
こういう 千早メインの静かな物語を探してました。
これから読み続けます。

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