はづきちさんのはまりもの

まだあったので日記帳になりました

なつのゆめ2

2007-07-28 23:57:10 | 千早4畳半(SS)
「これからよろしく、如月さん」
「千早で構いません」
ここは…765プロだ
私が突っ張ってそのまま歌だけで生きると決めた場所
夢だっていうのに
もう少し愛想よくすれば良いのに
大丈夫、その人は敵じゃないから
あなたが初めて心の底から信頼する人
気弱で、おっちょこちょいで、レッスンはあまり上手くなくて
でもとっても温かい人

流れていくように一年が過ぎる
アルバムの写真みたい
一枚一枚まるで他人事のように
衣装を着て困った顔をしてる私
初めてのオーディション合格
ランクアップ
喧嘩
仲直り
いけない
また恋から始まりそう
でもその恋は…
映画のようなダイジェスト
懐かしむようにそれに見いる
ENDの字幕が出るまで
…二人の最後の時まで

「よう!どうだった?」
「ラストシーンが良くなかったわね」
「ははっ!言うねぇ!」
闇からの声に違和感もなく返答する私
妙に喋りやすいのだ
まるで違う自分と話してるみたいに

「起きないわねぇ…」
見下ろす布団にはタオルケットをかけた千早が寝ている
しかし綺麗に寝るものだ
よだれなんてもってのほか
ビシッと布団に収まって寝ている
タオルケットをかけ直す隙さえ与えてくれない
頬杖を付きビールを煽る

私、秋月律子はいつものように千早の家に遊びに来た
すると家主はエアコンもない四畳半で寝息をたてていた
「暑くないのかしら…」
これがこの部屋に勝手に入り込んで出た始めの一声
「いい身分なものよねー」とはテーブルの上のビールの缶を見ての感想
こちとら徹夜で仕事を終えてさっき解放されたと言うのに
叩き起こそうかとも思ったんだけど
寝顔を見たらなんか楽しそうな微笑を浮かべてて
なんかそれみたらどうでもよくなっちゃって
寝顔を肴にビールを飲んでる
しかし…
「暑いわね…なんで千早は汗かかないのかしら?」

「楽しめた?」
闇と言うかもう大体形が見えてきた案内役が言う
というか髪形の違う私自身だ
さすが夢
キャラは大分違うようだけど
「そうね…懐かしかったかな」
例えるなら古いアルバムをめくった時のような
それよりも遥かに鮮かだった気がする
「そりゃあ、よかった」
「楽しかったとは言ってないわよ」
冗談交じりに答える
「じゃあ楽しくなるように続きを作ってくれたまえよ」
「偉そうに」
口元が緩む
そして私は私に最後になるだろう言葉を伝える
「ハッピーエンドは自分で…ね…」

見知った天井
空ろな瞳で上体を起こすと
「あ、やっと起きた?」
見知ったおさげメガネがいる
「…ああ、律子…おはよう」
「なぜここにいるの?とかそう言うのすら無しなのね」
「…なにが?」
まだボーっとしてる
起きがけに失礼な事を思ったかもしれないが
寝起きだから仕方がないだろう
「なにか夢でも見てたの?」
「夢?」
「ニコニコしてたわよ、どんな夢?」
「うーん…あはは、全然覚えてない」
「なんだ、残念」
「でも、中々楽しかったと思うわ」






いやーごめんなさい
期間が開きました
1はさらっと書けたんですが
繋がりのジョイントが全然浮かびませんで
当初の計画とは大きくずれてこういう事になりました
いつも即興で書いてるのに何を言うのか

知ってる方は知ってるかもしれませんが
今回は元ネタと言うかそんなのがあります
赤ちゃんと僕の17巻
お父さんの夢の話
この話凄く好きなんです
ラストのセリフとかまんまだし

最後に
拙い文をここまで読んでくださってありがとうございます
いや、まだ書くけど

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1 コメント

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読んでますよー (kiki)
2011-07-18 13:21:03
過去の投稿に対してのコメントも何なんですが、
「ありがとうございました」と出たときは
びっくりしました。
千早SSをじっくりと楽しんでいきたいです。
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