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はづきちさんのはまりもの

まだあったので日記帳になりました

タイガー!イヤー! (速い子SS)

2010-01-06 03:10:32 | SS 番外編
初出勤
それは年が明け、正月気分を吹き飛ばす
ちょっと陰鬱な試練の日だ
こんな職業上、定期的な休み
それこそ正月休みなんかは普通無縁なのだが
まあそれは売れっ子の場合
売れてなければ暇なのだ
…くそう、来年は忙しくて仕方なくしてやる!
そんな事を考えながら事務所のドアを開けると
そこには一人の…
いや一匹の野獣がいた

「ぐるるるるるぅー!きしゃぁぁ!」
青い髪、サイドテール、少し幼い顔作り
整ってはいるはずなのだが、現状ではそれがよくわからない顔
八重歯は今の状態には似合ってる、凄く
そう、目の前で唸ってるのは…千速だ
「…聞くのもなんだがなにしてんだ?新年早々」
「ふしゃー!」
「四つんばいだと膝汚れるだろ、そもそもこんなに寒いのにTシャツか」
いつもへんてこな文字入りTシャツを着てる千速だが
今日は更にへんてこになってる
黄色と黒の縞々のしっぽをつけ、頭の上には同じような耳
これはどうみても…
「あら、千速ちゃん?今日はいつもよりワイルドね」
そう言いながら現れたのは765プロのお茶目な事務員、小鳥さんだ
「ですねぇ、いつもワイルドですが」
「ええ、アクセサリーの耳と尻尾がよく似合ってるわ」
「今日の千速なら生肉ぐらいモリモリいきそうですよね」
「昨日は御餅を喉につかえさせてましたよ」
「ははは、初笑いですね」
「ええ、クスクス」
のた打ち回る千速に掃除機を突っ込み餅を吐き出させる姿を想像して
つい笑いが溢れてしまった
こんな風に明るい気持ちにさせてくれる
それがアイドルだ
「きしゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ぎゃぁぁぁ!!」
引っかかれた
ううむ、なんという凶暴性
俺の一瞬の判断力がなければその鋭い爪で血だらけだったろう
「いや、危ないところでした」
「プロデューサーさん、血がドバドバでてますよ」

「ほら、千速、唸ってないで降りてきなさい!」
「千速ちゃーん、江戸屋小猫の物真似はもういいわよー」
「グルルルル…」
おかしい
いや、いつもおかしいのが千速なんだが
今日は特におかしい気がする
「くっ…」
そこによろめいた影が一つ現れる
「社長!」
ボロボロな姿だが、それを決して外に見せようとしないその黒い姿
自分が傷だらけなのを悟られないためなのだろう
その社長の精神に涙する
まあ本当は真っ黒でよくわからんのだが
「千速君は今…呪いによって乗っ取られているのだ!」
「「!!」」
緊張が走る事務所!
その衝撃的な発言に思わず声を上げてしまう
「何言ってんすか、非常識な」
「呪いとかあるわけ無いじゃないですか、ボケました?」
「おおう!君達!言葉のナイフが胸に突き刺さるよ!」
社長が語るには
・765プロには危険なアクセサリーを封印した箱がある
・その箱はしっかり管理されている
・正月なので虫干ししてたら居眠りしてしまった
・気が付いたら千速が虎耳、虎尻尾を付けてた
「管理できてないじゃないですか!」
「そもそもなんですか!?危険なアクセサリーって!」
「セクシーボンテージとか、ギャグボールとか…」
「それあんたの趣味だろ!」
「そんなものを堂々と真昼間から虫干ししないでください!」
「しょうがなかったんだよ!おとそも入ってたし!」
「酒飲んで大事な仕事するな!」

「で、あれはどうなってしまうんですか?」
小鳥さんが千速の耳と尻尾を差し
大事なことを聞いてくれる
呪いのアイテムと言われているアクセサリー
それ相応の理由があるはずだ
今の千速の状況を見ても、おそらく虎
虎が関係あるのではないだろうか
「うむ…それはね」
ゴクリ…
その唾を飲む音は俺のものなのか、社長のものなのか
それとも…
「説明書を無くしてしまったからわからんのだよ」
「…呪いとか乗り移ったとか言うのは?」
「勢いで言ってみたんだよ!」

社長を赤と黒のルージュノワールにした俺達
問題の虎のアクセサリー
虎と言うところに恐怖がある
動物の中でもかなりの戦闘力を誇る虎
もし、その虎になりきってしまっていると言うならば
それを俺達が止められるのだろうか
冷や汗が伝う
しかし、だが…
「小鳥さん」
「なんですか、プロデューサーさん」
「虎ってどういう行動するんでしょうか?」
「…さあ?」
見たところ先ほどから千速は
尻尾を振ったり
唸ったり
伸びたり
なんというか…これは…
「…猫ですね」
「ですね」

「つまり、今の千速ちゃんは大きな猫です」
「…猫」
「両方結局、猫科の生き物ですから」
そう言って猫じゃらしを渡してくる小鳥さん
嫌な予感はするが一応聞いてみる
「あのどう」
「これで千速ちゃんと遊んでてください、私は仕事があるので」
逃げられた
残されたのは机の上で伸びをしてる千速と猫じゃらしを力なく持った俺
遠まわしに俺に仕事が無いといわれてるような被害妄想
いや、千速の世話が俺の仕事だからまあいいんだけど…
とりあえず…振ってみる
千速に向けて先をゆらゆらと振らすとすぐに食いついてきた
目線で俺の揺らす先を見つめ、手をちょい、ちょいとそこに出す
…猫だ
このしぐさは猫だ…
そしてなんというか
それが可愛いと思ってしまってることが少し恥ずかしい
「ほーれ、ほーれ」
「にゃー、にゃー」
…猫だ
人なのに猫だ!
楽しくなってきてより激しく振って見る
「にゃん!にゃん!にゃん!」
千速も夢中になってるようで必死に全身を使ってじゃれている
「ほーれ!」
飛びついてきた千速から逃がすように猫じゃらしを上に逃がす
すると楽しげに飛びついてくる
…俺の上に
「うわっ!」
「にゃー!」
千速は今は確かに猫だが、体は千速のまんまなわけで
軽いとは言え全体重がかかったタックルは俺を押し倒すのに十分だった
手から落ちて動かない猫じゃらしには興味を失ったのか
千速はそのまま丸まってしまう
…俺の膝の上で
「…っておい!」
「にー」
なんとも心地よさそうに目を細められる
ゴロゴロと喉を鳴らしたり
そのしぐさはまるで猫そのものだ
思わず喉を撫でたりしてみる
おお、実に気持ちよさそうだ
そのまま無意識に撫で続ける
猫にするように、ゆっくりと、やさしく

「ああ、体温高いな、お前は」
「にゃ~」
「ははは、猫になった方が静かだな」

冬の事務所は寒いはずなのに
ポカポカしてたのはこの猫のおかげだろう
まあ、いつもの千速じゃ絶対無理だしな
こんな落ち着いた時間を二人で過ごすことは

結局
俺の今日の仕事は
猫を撫でる事だった










「大変です!プロデューサーさん!」
「しー、千速が起きます」
「あ、ごめんなさい」
指を前に立てるジェスチャーで寝ていることを小鳥さんに伝える
あまりに気持ちよさそうに寝てるので起こす気になれなかったのだ
「で、何が大変なんですか?
「はい、それがですね」
小声で話し合う俺達
「実は虎は猫と違ってですね、嫉妬深いそうなんです」
「嫉妬?」
「はい、他の虎と仲良くしてるとパートナーは怒るらしいんです」
「凄いですね」
「ええ、時には相手を殺してしまう個体もいるとか」
「とは言っても別に今の状況には関係無い…」
今、俺達は千速を起こさぬために小声で話してるわけで
相手の声を聞き取るために
必然的にお互いの顔がかなり近づいている
気づいた瞬間、赤くなったのか、青くなったのか
それは膝の上から響く唸り声だけが知っていた

「ぎゃぁぁぁ!!引っかくな!噛み付くな!」
「グルルルルッ!!」
「プロデューサーさん!虎の力は凄いから気をつけてください!」
「今、それを実感してますよ!ぐはぁ!足が痺れて逃げられない!」
「長い間、猫を膝に乗せてると足が痺れるからそれも気をつけてください!」
「先に言ってくださいよ!」
「虎は気に入った相手には甘噛みするらしいですよ!」
「これ本噛みだろ!イテェ!!」
「…音無君、彼らは何をしてるのかね」
「あっ、社長、仲良くケンカと言いますか…」

「ぎゃぁぁぁ!!やーーめーーてーー!!」


「…ところで千速は治るんですか?」
「鯛食べさせたら治るってユーザーサポートからメールが」
「なぜ鯛…?」
「お正月なのと鯛(タイ)ガーってことじゃないですか?」
「酷いオチだ」
「全くです」
























あけましておめでとうございます!
気が付けば2010年
驚きですよ、未来ですよ!
2010年って言ったらメイドロボぐらいいても
おかしくないと思ってたんですが意外とそうはいかない様で
未来っぽいのは薄型TVぐらいですよね
腕時計型の電話とかもうできてもいいと思うんですけど

久々のSSです
速い子ですが喋ってません、速い子
唸ってます
たまにはいいかなーと虎をテーマに書き出しましたが
・猫だこれ!
・別に速い子じゃなくてもよくね!?
と言う感じに
まあ僕は、速い子が大好きと言うことで
こっちも地味に動かして行きたいと言う願望もあるので
あ、後半の虎の性質に関してはデタラメです
多分

…まずは連載式の方どうにかしろ
はい
めんちゃい



とりっくおあとりーと! (速い子SS)

2009-10-31 05:52:35 | SS 番外編
「トリックオアトリート!」
シーツを被ったバカが1人
俺は冷静に机の上を指差す
「おう、そこに酢昆布あるから食ってろ」
「なんだなんだノリわりーな!」
被ってたシーツを脱ぎ捨てるとちょこんとした背の少女が出てくる
サイドテールにした長い青髪がふらふらと揺れているのは
その持ち主の落ち着きの無さを表しているのだろう
幼い顔立ちに活発さを印象付ける八重歯
どこで買ったのかわからない卑猥な言葉が羅列されているTシャツ
そんなどこにでもいなさそうなアイドル候補生
如月千速、15歳
「最近お前の存在忘れかけてきたからある意味お化けみたいなものかなって」
そして俺はそのプロデューサーだ
というより遊び相手に近い現状だが
「言いやがったな、この野郎、私自身ですらうっすら思ってた事を」
「じゃあみんなそう思ってんだ」
「統計学的には2000人に聞いてみないとわかんねぇって」
「2000人もお前知ってるやついねぇよ」
まさに言葉のデットボールだ
スリーアウトでゲームセット

「つーわけでイタズラしに行くか」
「どういうわけなんだ、それ」
やる気満々にカボチャを被っている千速
背には黒マントやら、ほうきやら準備は万全のようだ
「この年になってお菓子も無いだろ、二択なんだから残るはイタズラだけだし」
「来襲して有無も言わさずイタズラか、それは犯罪者と言うんだぞ」
諭すように言ってみる
「気に入った相手には性的なイタズラ、気に入らない相手には深刻なイタズラという二択が」
「たとえば?」
「女の子に言わせる無い、ばかん」
「じゃあ深刻なイタズラは」
「実家燃やし」
「要するに性犯罪か、重犯罪かってことだよな」
「ハロウィンだけは許されるってキリストが」
「どこの世紀末キリスト伝説だ、それ」
「デスパンチ!」
ひねりの入った重いパンチが飛んできた
あまりに素早いその動きにガードを入れることが出来ずまともに食らってしまう
「人の話にチャチャ入れることしか出来ないとか会話術に問題ある上司め!」
「暴力を混ぜる会話自体に問題があると思うんだ、俺は」
説得は諦めた


「ファーストターゲットは誰にするか」
「お前はなんというか非常にあやふやな存在だからあやふやな人にしろよ」
「どういう意味だよ、それ」
「気にするな…おっ、小鳥さんが来たぞ」
「ううむ、ピヨさんか、からかうと怖いんだが」
あ、ちょっと渋ってる
まあ毎回怒られてればそうもなる
学習能力があったことに少しだけ安心した
「からかっていると言う自覚はあるんだな、死なないうちに止めておけ」
「しかしこれで止めたら明訓高校の名がすたる!いくで!豆ヤン!」
「ハイな、あんさん!」
…のせられてるなあ、俺も

「トリックオアトリック!」
「あら千速ちゃん、酢昆布食べる?」
「なんだ?事務所で酢昆布流行ってるの?というか頼むから格好に触れてくれ」
そういう千速は猫の格好をしている
ハロウィンの仮想なんだろうがどこから手に入れて…
「あらあら、猫の格好、また事務所から衣装盗んだでしょ」
「盗癖扱いされてるぞ」
「うむ、お菓子を貰う対価としては大きすぎる」
「プロデューサーさんも遊んでないでくださいね、忙しいんですから」
「ああ、はいすいません」
ううむ、冷静だ
流石765プロの頼れるお姉さん
そのお姉さんに呆れた様に千速が言う
「その余裕の無さがあれだね!日本人はダメだね!だからハロウィンが根付かないんだ!」
「あらそういえば…そっかハロウィンねぇ」
指を顎に当てちょっと考えるみたいな小鳥さん
ううむ、頼れる上に知的なお姉さんという感じで実にいい
「そうねぇ…言われてみれば余裕も必要よね」
「わかってくれたか、緑髪」
「はい、酢昆布」
「また酢昆布かよ!何個持ってんだよ!」
憤慨する千速を脇に寄せ、俺は小鳥さんに告げた
「小鳥さんハロウィンは別に酢昆布をアホの子にあげる行事じゃないんですよ」
「ああ、そうでした、はいプロデューサーさんにも」
「訂正しますハロウィンは酢昆布を配るイベントじゃないです」
「まあいいや、とにかくイタズラさせろ!」
元気良く手を上げた千速
「千速ちゃんには色々イタズラされてきたけれど予告されたのは初めてねえ…」
一方小鳥さんは、前かがみで目線を千速に合わせている
その奇行に付き合ってくれているようだ
「取り出しますはこのボタン!」
小さなボタンを取り出す千速
何の躊躇も無く押し込む
「ポちっとな」
チュドーン!!!!
大音量と共に揺れる事務所
「ななな…」
「何の音!?爆発?」
「ピヨちゃんのロッカーが爆発した音」
「なっ!」
「そしてこちらがその中身の一部です」
フリフリのとかレースのとか色取り取りの…これって…
「ち、千速ちゃん!それ私の下着!」
「うむ、あまりに華やかだったのでつい」
「ついじゃないの!ついじゃ!」
慌てて取り返そうとする小鳥さん
しかしヒョイヒョイと避けられてその手は空を切る
そしてその際に揺れる千速の持つその…ランジェリーが…
「しっかし黒まであるとは流石大人の女、これはエロいですよ」
実にその通り
エロいのだ
「解説しないの!返しなさい!」
うわー、顔まで真っ赤だ小鳥さん
「嫌だい!これを家の周りに吊るしてあの人が帰ってくる時の目印にするんだい!」
そしてどこまでも楽しそうだ、このバカ

「ところで小鳥さん、なぜロッカーに下着を…」
「ええと…その…ほら突然誰かに食事に誘われたり…」
ちょっとどもりながらちらちらと上目使いでこちらを見てくる小鳥さん
妙に顔が赤いのはやはり下着を見られたからだろうか
俺はそんな小鳥さんに謝ってから
頭の大きなたんこぶから煙を出すという
古典的な倒れ方をしている千速を引きずっていった
「なぜ食事に下着が関係あるんだろう…」
「下の食事じゃ」
千速の呟きアンサーは俺の耳には入らなかった


「酷い目にあった」
「自業自得だと思うぞ」
「ハロウィンなのにな!シャレのわかんないピヨさんだよな!」
「次はどこ行くんだ?」
「やる気だな!じゃあ…」
目の前に通りかかるすらっとした青い髪の女性
少し吊りあがった目は普通厳しさを与えるものだが
その雰囲気は柔らかい
飾らないシンプルな服装がかもし出すのか不思議な透明感を持っていた
「おい、あれ誰だ?」
「ああ、最近うちに来てくれてる講師の元アイドルだっけかな」
「へーなんか凄いな」
「過去にトリプルミリオン出してるらしい、Sランククラスのトップアイドルだぞ」
しかもうちの事務所のあるPの妹さんだとか
世の中には凄い縁のアイドルがいたものだ
「兄妹揃って業界人か、兄がプロデューサーで妹がアイドル、どこかで聞いた構図だにゃー」
トトトと女性に駆け寄る千速
いったい何をする気なのか
「私、冬弥君と寝たの」
…ああそっちなのか
キョトンとする女性
変な歌を歌いだした千速の頭を押して下げさせた
「どうもすいません、このバカが…」
「なんだよー、めったに見れない環境なんだからやるだろー」
ふさくれる千速をみて女性はくすっと笑った
「仲がいいんですね」
「えっ…はぁ…」
「でも仲がよくてもバカなんて言っちゃダメですよ、女の子なんですから」
軽く怒られてしまった
なんというか余裕のある人だなあ
「トリックオアトリート!」
急に千速が叫んだ
「イタズラか、お菓子か選べ!こんチクショー!」
「見事な5・7・5だな」
「本当に…」
「うっさい!偶然じゃー!」
なんか機嫌が悪いな
見事な川柳だというのに
「ハロウィンね、じゃあはいこれ」
女性はクスクス笑いながら包みを渡す
「クッキーよ、妹のために用意していたのが役に立ったわね」
「いいんですか?妹さんの分を…」
「ええ、帰ったらまた作るし…それに」
目を細め、女性は千速を見つめる
「なんとなくあなたにも妹みたいな親近感を持っちゃったから」
にこやかな笑い
幸せそうな、和む笑顔
「じゃあね」
そう言って女性は背を向けた
「じゃーな!おねーさん!」
ぶんぶん手を振って送り出す千速
「嬉しそうじゃないか?」
「お姉ちゃんがいたらあんな感じなんだろーなって」
「へえぇ…」
「なんだよ、悪いかよ」
「いや、そういや名前聞き忘れちゃったなあ…」
女性が立ち去った方向を俺と千速はしばらく見つめていた


「ふふっ…あの頃私じゃあんな素直にヤキモチ焼けないわね」
懐かしむように呟いた言葉は
彼女の思い出の中から出てきた言葉だった


「さて次は」
「お菓子屋に銃剣突き立ててお菓子を貰うのはハロウィンじゃないからな」
「身近な人にイタズラできるのがハロウィンだろう?」
「もうお菓子は無かったことになってるのな」
「4月1日は嘘をつく日、10月31日はイタズラする日、世界って素敵だな」
「ここまで確信犯なハロウィンってのも珍しいぞ」
他愛も無い話をしながら事務所を歩く
いつに無く広く感じるのは気のせいだろうか
「なんだこりゃ?」
千速が不思議そうにドアを見る
俺も見覚えが無い
こんな部屋あったかどうか覚えてないことが不思議だ
「黒歴史…ってのに大きく×が付いてて待機部屋になってるな」
「こんな部屋あったのかー、ようし!行くぞ、プロデューサー!」
「でもこんな部屋聞いたことないし」
そう言ってるうちに千速はドアを開け放つ
なるほど俺の話は無視ですか
「トリック!」
大きな声で部屋に入る千速、それに続く俺
そこには二人のアイドルがいた
「な、なんでしょう?」
「なにー?」
しかも良く知った顔
「なんだ、貴音と響じゃねーか」
「本当だ何してんだ?こんなとこで」
この二人確か961プロに在籍するアイドル
顔見知りなのは昔、色々合ったからだ
「実は、私達見事に予想が外れまして」
「予想?」
「はぁ…発売してみたら全然キャラが違うというか、響もそんな感じで」
「…あーあー、はいはい」
千速と談笑している響を見てみる
「千速ちゃんー、久しぶりー」
「おう!相変わらず胸小さくて可愛いな!」
「あははー、酷いなー」
再び貴音の方を向き直す
「…酷いな」
「ええ…やってしまいました」
悔しそうな貴音
まあ気持ちはわからんでもないが
「私にしても知的な野望持ちというのには無理がありました」
「ある意味目的はあったんだがなあ…どうするんだ?これから?」
貴音は寂しそうに、だが決意を秘めた目で微笑み
「いつかお呼びがかかるかもしれませんから…私はここで響と待つことにします」
「…そっか」
俺も微笑で返す
それぐらいしか思いつかなかったからだ
「また会えるよな?」
貴音は少し悩みながら
「ええ、多分」
と答えてくれた

帰ろうとする俺たちに
無邪気な声で響が声をかけた
「千速ちゃんたちがこっち来る方が早いんじゃないかなー?」
「響!ダメでしょ!本当のことは思ってても言葉に出さないものなのよ!」
もちろんこの後キレた千速による粛清が行われたのは話すまでも無い


「なんかハロウィンなのにお菓子増えないんだけど」
「酢昆布なら増えたじゃないか」
そう話し合いながら俺たちは酢昆布をかじる
「イタズラもあまり出来なかったしなあ」
「存在自体がイタズラみたいなもんだからな、お前は」
「何を言うのか、このプロデューサーは」
「ひゃー、すっぺー」
「すっぺー」
夜空の事務所の屋上で
アイドルとそのプロデューサーが酢昆布をかじっている
実に不思議な光景だ
終わっていくハロウィンに
終わっていく今日に
それぞれ感傷的になっていたのだろうか
「なあ、プロデューサー?」
「ああ?」
「トリックオアトリート?」
「…ほれ」
千速の小さな体を隣に寄せ上着を二人でかける
重なった体が少し熱い
「秋の夜だしな…風邪ひいたら大変だ」
「…そーだな、へへへ」
そうして持っていた飴を口に放り込んでやる
甘い飴を舐め、千速は
「これじゃイタズラできないじゃんかよ…」
と小さく呟いた




































な、なげー!超なげー!
ここまで読んでくださってご苦労様です
現在朝6時
ちょっと書き出したら寝ないで書いておりました
校正とかしてないぞ…
いつものことだ?
そうですね
そうですよね
ううっ…

なんというか忘れかけていた速い子です
しかも色々出てくるある意味オールスターです
黒歴史オールスター!
…あいたたたた

いい感じにアイマス本編にもキャラが増えて
属性的なことで言えばほぼ保管できるようになりまして
(夢子ちゃんやサイネリア、DSでは様々なキャラが出たし)
ハチャメチャでも舞さんというとんでもない爆弾が現れました
本編で出てるような感じの人を
わざわざオリジナルでやる必要は無いわけで
そろそろお役御免の時期が来たのかなーと
2年を超えてしみじみと思ったり
そんなちょっと変な千速というアイドルは
マスコットみたいに時々どこかに顔を出して欲しいです
私自身、とても大好きですし

まあ発表の場でもあった定時自体が
セカンドシーズンと言うか
企画屋さんが管理から降り
定時にも新たな時代が到達したことで
自分が積極的に参加する時代も終わったんじゃないかとも感じています
新しい風が吹いていて、それを見るのが楽しいし
運良く自サイトって言う場が存在しているわけですしね
過去のレポ漫画なんかもこちらに移していこうかななんて考えたりしています


まあ懲りずに自殺絵は投下するんですけどね!


そういえば企画屋さんありがとうの管理終了祭りの時に
その寂しい気持ちと時代の変革を込めて
千速の完結編を定時始まってから書き始め
2スレ目中盤で書きあがったものの
結局投下するのをためらい
すっかり忘れたまま
今回書くときに出てきたというズッコケエピソードが
読むと凄く恥ずかしい
時間がたったのと表現的な意味で
封印、封印



おかーさんの誕生日 (千早四畳半番外編)

2009-09-10 03:35:39 | SS 番外編
「おかーさんにプレゼントをあげたいです!おねーちゃん!」
「う、うん」
突然の決意に面食らう
ベットの上で
まるでその国の王様のように指を天に差す
小さな王様の名前は「はるか」ちゃん
くりくりの瞳が印象的な女の子
ちなみに親御さん曰く「天使」だ

そしてそれを正座で聞いている私、如月千早
今、色々と事情は複雑なのだけれど
アイドル時代お世話になったプロデューサー宅に居候させて頂いている
はるかちゃんはそこの一人娘だ
「そういえばそろそろ小鳥さんのお誕生日ね」
「はいです!」
わかってはいたから既にプレゼントは用意済みなのだけれど
はるかちゃんの意気揚々とする姿を見てると言えるはずがないのだ
なぜなら彼女は私にとっても天使だから
「おかーさんはいつもおいしいごはんをつくってくれます!」
「そうね」
「おかーさんはいつもみんなにやさしいです!」
「全くね」
「おかーさんはさいきんたいじゅーをきにしてるみたいです!」
「はるかちゃん、それはあなたも10年後には気にするわ」
それは女なら避けては通れない道だからと続けようとして
寝ておにぎり食べてばっかで全く太る様子のなかった後輩を思い出した
「ということでおかーさんにプレゼントをしたいのですが」
そう言った所で少し顔を曇らせるはるかちゃん
何か贈りたいものがあるけれど手が出ないのだろうか?
それとも何か作りたくても作り方がわからないんじゃないか?
「はるかちゃんは何をおかーさんに贈りたいの?」
そう切り出すと
パッと輝いた表情に戻り


「おうたをおしえてください!おねーちゃん!」


とお願いされてしまった




誕生日当日
プロデューサーと小鳥さんをデートでもしてきてくださいと家を追い出して
二人で家を飾りつけたり、料理を用意したり
ケーキは出来合いのスポンジにクリームを飾り付けただけだったけれど
一生懸命イチゴを並べるはるかちゃんのおかげで立派なものになった
なんせイチゴでケーキが見えないんだもの

二人が戻ってくる前には用意が出来た
すっかり飾り付けられた居間や食事のためのテーブルは華やかになり
その真ん中にはどーんと居座る大きなケーキ
から揚げやポテトサラダ、シチューなど
比較的私でも作れるメニューからチョイスして頑張ってみた
殆どは音無家に来てから小鳥さんに教えてもらったものなので
小鳥さんへのお礼を兼ねたプレゼントとしてはありだろう

主賓は帰ってくるとそれはそれは感動してくれた
私とはるかちゃんを交互に抱きしめて放さない位に

ケーキを食べた後
ついにはるかちゃんのプレゼントタイムがやってきた
用意のために一旦出て行くはるかちゃん
もちろん私もお手伝いだ
お気に入りの黄色いドレスに着替えてもらい
一生懸命練習したその歌を
私のハーモニカの伴奏に乗せて歌う
一生懸命、一生懸命
今日のために頑張って練習したその歌を一小節ごとに紡いでいく
多分歌詞の意味は難しいからまだわからないだろうけれど
今まで聞いた歌の中で一番綺麗で
小鳥さんに贈りたいとはるかちゃんの言ったその歌を


「はるか、千早ちゃん」
花のようなその人は
「本当に本当に素敵なプレゼントをありがとう」
本当に幸せそうな笑顔を咲き誇らせて
潤んだ瞳を優しく微笑ませて
小鳥さんは私とはるかちゃんを抱きしめてくれた



「また「花」とはよく頑張ったものだなあ」
「はるかちゃんが小鳥さんに贈るなら一番かなと」
そのはるかちゃんは頑張ってくれたからか
普段より早くうつらうつらし始め、小鳥さんがベットへ連れて行った
なかなか帰ってこないのは
きっとあの無邪気な寝顔を小鳥さんはプレゼントされているのだろう
「本当に素晴らしい歌でした」
「花は成長を描いた歌でもあるからな…親としては感慨深いさ」
そこまで意識はしていなかったのだけれど
今日と言う日にはるかちゃんがこの歌を選んだ
それは凄いことかもしれない
「難しいことを我が娘は考えたものだね」
「ふふふ…勝手な思い込みかもしれませんよ?」
「いや、いや俺と小鳥の娘だしな」
「親バカ」
「うっさい」
ビールを煽ったプロデューサーの顔は赤い
お酒のせいなのか、照れなのか
まあ後者だと思うけど
余りお酒が顔に出ない人だから
こちらを向いたプロデューサーはそのまま
「そして姉で師匠は天才如月千早ときた、娘の未来は明るいな」
とか言ってきた
「だ、誰が天才ですか」
言葉がうわずってしまった理由は
天才というほめ言葉よりも、
師匠という買い被りよりも、
姉と言う甘酸っぱくなるような響きの言葉のせいだったかもしれない

「それでいてあなたの弟子のプロデュースですものね」
小鳥さんが居間に入ってきながら淡く微笑んだ
話は聞こえてたみたい
「私ははるかちゃんのお手伝いをしただけですよ」
「千早ちゃん、はるかは最初なんて言ってた?」
微笑みながら私に問う
それはとても優しい笑顔
「大好きなお母さんに大好きな歌を贈りたいって…」
「そのお手伝いこそがプロデュースだよ」
プロデューサーのその言葉にハッとする
「大好きな人に大好きな歌を届けたい、これはまさにプロデューサーの仕事だね」
本職の言うことだからか、信頼してる人の言葉だからか
この人の言葉は不思議な説得力も持つ
「一番大事なことじゃないかな、それは」
多分それは彼が持つ信念とかそういうものなのかもしれない
遠くを見つめるような瞳で呟くセリフがそう思わせる
「はるかがアイドルになったら千早ちゃんに頼みましょうか?」
「えっ?俺は?」
「はるかはあなたよりお姉ちゃんの方がいいって言いますよ」
クスクスと笑い混じりの話を
少し遠くから見ているような感覚で聞いていた
なぜならば小鳥さんの言葉が楔のように心に引っかかったからだ
それは道が扉が一つ開く様な感覚
翼を広げ、空を飛んだ様な
心の中から何かが生まれるようなそんな
私が…プロデュースを?
考えたこともなかったけれど
もしかしたらそんな未来も…


小さな女の子の母を思う歌声は
私にも素敵なプレゼントを授けてくれたのかもしれない
それはまさに歌の通り

限りない明日へと向けた一つの種を















お久しぶり、そしてすいません
そーとぶりのSS、そして四畳半です
誕生日と言うことで小鳥さんSSでもと思いましたが
なんというかこんな形に
多分自分の中で構築した世界での小鳥さんの最上級の幸せな姿が
四畳半の世界の小鳥さんだからだと思います

元々相当吹っ飛んだ設定の二次創作なんで
現状のアイマスキャラと違う点はありすぎるほどありますが
それはそれとして横に置いといて読んで頂けるとありがたいです
横のところのSS目次から千早四畳半に飛んでいただければ
そこら辺はカバーしていただけるかと
長いので非常にめんどくさいですが…

一応簡単な設定としては

舞台は9年後ぐらい

プロデューサー:元千早のプロデューサー、既婚
千早:元Sランクアイドル
小鳥さん:Pの奥さん
はるかちゃん:Pと小鳥さんの娘

うわーい!たーんじゅーんー!(笑)

ということで
小鳥さん!
お誕生日おめでとうございます!




はやのじ 新学期 (SS番外編)

2009-04-09 01:19:32 | SS 番外編

職場が変わった
出向なのか、なんなのかよくわからないが
肩書きもまた一から
見習いプロデューサーからスタートだ
こんな事を今までにも経験した気がするけれど
気分一新
新しい環境で仕事をするというのもいいものだね
「人のフリしてモノローグ入れるの止めてくれませんか、社長」
「おおっ、すまんね」
真っ黒い人が照れくさそうに口を閉ざす
この人こそ俺の所属する765プロの社長なんだが…
一言で表すなら変わり者だ
黒いし
「というわけで一からスタートしてもらいたい」
「はぁ…別にいいですけど」
めんどくさそうに返す
「む!やけに物分りがいいね」
「そりゃあ…一回も給料貰った事無いですし」
正直に返す俺
別に降格しようが何も変わらないのだ
「お金じゃ買えないモノがある…違うかね?」
「お金がなきゃ買えない物だらけなんですが」
「おおう!もうこんな時間か!それではこの中から一人選んでプロデュースしてくれたまえ!」
社長は凄い色々端折った上に説明から逃げた
机の上に広げられた3枚の履歴書に目をやる…が
「社長、質問です」
「うん!いいねぇ!ドンドン聞いてくれたまえ!」
「全部一緒なんですけど」
目の前に並んだ履歴書は全部同じもの
写真には見覚えのあるバカ面と元気一杯の文字
どれぐらい元気かって言うと
名前が大きくはみ出てて、プロフィールまで埋まっちゃってるぐらい
そう、これは…
「おお!如月千速君を選ぶとは!なかなか勇気があるな!」
質問に対する答えじゃねぇ
なかなかに性質の悪いメッセージスキップだ
「いや、選択肢無いんですか?」
「ない」
うわ、断言
「いや、彼女を受け持てるのは君だけというか…
そもそも千速君がアイドル候補生じゃない気がしてきたというか」
「今なんか言ったでしょ!確信的な事!社長!」

「彼女は…あー…どこかにいるはずだ」
「はいはい」
投げやりな社長、投げやりな俺
仕方ないと思うけど
「まあ、彼女ならおやつまでには帰ってくると思うが」
俺も同感なのは
決して事務所の冷蔵庫に「速」と書いてあるプリンを見たからではない
ない

「さてあいつの事だから…」
懐からスッと出すはフライパン+おたま
テフロン加工のいいものだ
それをガンガン叩き、大声で
「お昼だぞー!」
叫ぶ
「「にゃー!!」」
あっ!茂みから野生のアイドルが飛び出してきた!
「って…千速と…誰だ?」
「ご飯じゃないのか?じゃあ帰るさー」
野生のアイドルは去っていった…
「誰だ?あの子?」
「知らない子、遊んでたら仲良くなった」
「千速のと波長の合う子がいたのか…」
なんかもうシャツとかドロだらけ
ご丁寧に葉っぱまで乗ってる千速の頭を払ってやる
「女の子なんだから遊ぶ時はもう少しおとなしく遊びなさい」
そう言いながらハンカチで顔も拭う
綺麗な顔してるのに真っ黒で
分けたサイドテールはボサボサになっている
ちょこんとでた八重歯がワンパクさに磨きをかけているようで
これはこれでと思えてしまうのがこいつの怖いところだ
「むー」
黙って顔を拭われている千速はとても15歳には見えない
いいとこ小学生だ
体型的には完璧だしなぁ…胸とか
「ほら、綺麗になった」
「ねープロデューサー、ご飯は?」
「その前に」
千速をきちんと正面を向かせる
「また君をプロデュースします、これからよろしくお願いします」
キョトンとした顔
「…あ、うん、よろしくおねがいします」
それでも返事を返し
互いにペコリ頭を下げてニヤッと笑いあう
なんだかんだでいいパートナーなんじゃないかと
2年も付き合ってると思うんだ
「…あれ?2年?じゃあお前今…」
「忘れろ!このバカ!」
ガツンと何かがぶつかったような音と衝撃
「ガッシ!ボカッ!」俺は死んだ。
「スイーツ!(笑)」
舌を出してイタズラチックにぶりっ子してやがる千速
起きたらぶん殴ってやると思いながら
俺の意識は閉じていった


















SPということでお久しぶりに
千速はどうやら2007年の4/25日発生のようなので
そのあたりにもう一本ぐらいいきたいかなと
昔の961組がやはり大嘘になったので
そっちでも書いてみたいとか思ってたり
SPの実績解除が忙しくて遅々として作業は進まないんですけどねぇ…
はぁ

はやのじ としのせの… (SS番外編)

2008-12-19 23:20:32 | SS 番外編
年度末というものはとにかく忙しいものだ
それはもちろん芸能界も同じ事が言える
どこもかしこも大慌て
師匠も走るで師走というぐらいだし

そんな忙しい季節
俺も打ち合わせのため千速と765プロにいた
いつもと同じで暇そうだとか思わないように

「まあ、私がどれだけ真面目ちゃんかは口なんかじゃ言い表せないからな」
学校での神童ぶりをアピールする千速
クイズ番組に出る自信があるかと聞いて出てきた答えだ
嘘くさいので、とりあえず先日手に入れた物を出す
「そういえば学校からなぜか俺宛にお前の成績表が届いた」
「うむ、それでは文字というはっきりとした伝達手段で
知性の泉が溢れっぱなしの私の頭を確認してみるといい」
少しは取り繕うために慌てると思ったんだが…
どちらかというとおつむのネジが緩みっぱなしのサイドテールを見て思う
「俺はもしかしたらお前はアホなんじゃないかと勘ぐってた」
「その目は節ホールか?こんな知的美人を目の前にして」
自信満々に無い胸を張る千速
「でもこれを見て自分の間違いに気が付いた」
「まあ間違いは誰にでもあるさ、
今後は私が眼鏡をずらす仕草で性的な気分になればいい」
千速の目の前で開いた成績表から飛び込んできたのは
殴り書くような担任の大きな血文字で書かれた
「勘弁してください」という切実な懇願だった
「お前は凄いアホだ」

「音楽と体育以外オール「頑張りましょう」って…」
しかも本来は5段階評価らしいのだが
備考欄に
「人と比べてたら比較対象が全部5になってしまうので一人だけ個人評価です」
と書かれてる
どこまで特別扱いなんだ、このアホの子は
「で、なんで俺のところに成績表が来る?」
「んー…進路希望の紙だしたからかな?」
進路希望とな
なるほど
アイドル活動中(一応)の千速だ
成績の事で所属事務所の担当者に文句が来るのも仕方が無いだろう
「すまなかったな…」
「へっ…なにが?」
謝った相手がソファで寝転びながらポテトチップスとか食べてるんだから
実に誤りがいの無い事この上ないが
忙しいアイドル活動のせいで勉強がおろそかになってしまってるというならば
俺の管理責任でもあると思う
「それに関しちゃ責任とってやるからな」
「マジでか!」
一緒に挟まっていた進路調査の紙を開きながら言うと
目を輝かせてこっちを見る
なんだ?
まあ勉強を見るぐらいなら俺にでも…

             如月千速進路希望調査

1、お嫁さん (プロデューサーの)
2、永久就職 就職先、プロデューサー
3、同棲の乱れた生活(この場合性活が正しいかもしれない)

「あほかぁ!」
思わず紙を放り投げながら叫ぶ
「責任取るって言ったんだから責任取れ!結婚しろ!」
「てめぇ!嘘でもアイドルって書けよ!お前は結婚願望の高い30台女性か!」
「誰も事務員の事なんて言ってねぇ!私の純粋な希望だ!」
言い争いの中
すっと現れる黒い影
そこには
…表情の無い30台事務員の姿が
「…私は二十チョメチョメ才です」
そう言い残し、紙を一枚置いていく小鳥さん
二人で覗き込んでみる

             音無小鳥 進路希望調査

1、お嫁さん(相手はプロデューサーさんでもいいです)
2、お母さん(やよいちゃんみたいな子供が欲しいです、千速ちゃんは勘弁です)
3、お婆さん(縁側で孫のために歌とか歌える幸せな老後です)

「…これは」
「既に進路というよりは人生設計…」
しかも「でも」のあたりに千速よりも真剣みを感じた

「この封筒も…俺宛?」
「うちの担任の先生からだ、なんだろうな?」
こうなるとろくな手紙じゃないと思うのだが…
仕方が無いので読んでみる
「ええっと…確かに千速ちゃんはバカです」
「なんだと!心外な!」
「落ち着け!手紙を読んでいるだけだ!」
しかしまだ心外と言い張るこいつが凄い
ここまでの事で完膚なきバカだという事はばれきってると言うのに
「続きを読むぞ、しかし彼女は愛らしい大事な私の教え子です」
なるほど、さすが教育者だ
生徒を単なるバカで切り捨てなかった
「ですから避妊はきちんと…ぁんだこりゃ!」
「2年待ってね!ハニー!って事か」
「てめぇ!学校で何のたまわってやがる!」
手紙の続きには
愛し合っている以上仕方が無いのかもしれません
ですが千速ちゃんはまだ15歳
せめて結婚できる年齢までは…とか書いてある
「凄い誤解だ!凄い誤認逮捕だ!」
「ぬっぽぬっぽ」
「気の抜けた顔で卑猥な擬音音読してるんじゃねぇ!」
ウーパールーパーみたいな顔でぬっぽ言ってた奴の口を
両端から引っ張るようにして吊り上げた
「いひゃい!いひゃい!」

もう読むのもいやなんだが4枚目がある
というかまた封筒
封書という事はまた長い文章で
児ポ法違反者!とか先物買い野郎とか、青田買いとか、変わり者とか
そんな社会的にまずいレッテルを貼られてしまいそうだ
「まずい…まずいぞ」
「おい、てめー今、人のこと児童扱いしたりしたろ」
「うっさい72以下」
後ろでな、なななななじゅうにちゃうわ!はちじゅうろくあるわ!
とかいう寝言が聞こえたが無視
「おい、この封筒は?」
「あ、それは家の親から」
もうこうなるとどうせこいつの親からも
娘に卑猥な事するなとか
そうするなら正式なお付き合いとか言い出す気だろう
「まったく…俺はプロデューサーだってのに…」
マネージャーも兼ねている765プロの形式では
確かに担当アイドルと仲良い事が一番大事だ
お互いを信頼しあってこそいい仕事が出来るもの
だからといってそれが恋愛感情に繋がるかは別の話
確かに千速とはいいコンビだとは思うが…
そういう関係とはまた違う
ぶつくさ言いながら開いた封筒から出てきたものは

婚姻届

「んあんじゃこりゃぁぁぁ!」
「おっ!さすが母さん、わかってんな」
「わかってんなじゃねぇ!あ、付箋が」
そこにはとても綺麗な字で
「できれば婿に来ていただければ」と

「どこまで進んでんだよ!お前の家では!」
「母さんはお前用のセーター編んでる、息子に着て貰うんだって」
「もう息子!?俺、息子なの!?」
どうやら母親もこいつと同じような考え方の方なようだ
「父さんと弟はお前の事殺すって言ってた」
「なんでぇ!?」
そして父親と弟さんは正常な考え方するようだ
「大事な姉、娘が弄ばれてるんだから仕方ないだろ、男家族としては」
まるで他人事のように言ってくれる
いや、実際にはしてないし、できるはずがないので当然嘘なのだが
「してないじゃん!そんなことして無いじゃん!」
「うちの家族の前ではもう私、ハイライト無くなってるからね」
「なんだそりゃ?」
「レイプ目でブツブツと「私ハプロデューサーノモノナノ…」って繰り返す」
「酷い冤罪だ!痴漢の冤罪よりももっと酷い!」
「私の考えた遊びで身も心もって言う名前でな」
「名前なんて要るかぁ!」
「それをコタツで家族の団欒の時にな」
「タイミングまで最悪だぁ!」
「こうミカンを囲んで」
「おまえ、バカだろ!なぁ?バカだろ!」

全ての手紙…もとい最悪の種を読み終えて
コーヒーを一すすり一休み
ちなみにこのコーヒーは千速が入れてくれたものだ
こいつコーヒーだけは美味しく入れられるんだよな…
「なぁ、お前将来どうするんだ?」
少し先生みたいだけど、人生の先輩としても聞いてみたかった
ちょっと気になっている点ではあったし
「アイドルを続けるにしても学校には行った方がいいしさ」
「うーん…」
腕を組んで考え込む千速
「今の時点では深く悩む必要はないんだけどな
したい事、行きたい場所そんなのでいいんだ」
「じゃあここだ」
サッパリした答え
「お前がいて、歌が歌えて…ここ以上の場所なんて無いよ」
にっこりと笑って
堂々と言い切れる様なら間違いは無いと思う
「そっか…」
千速の頭に手をあてグシグシと撫でる
「第一希望は変わんないけど」
目を細め撫でられ続けてる15歳は
やっぱり千速だったけど












おまけ

「おい…この婚姻届、名前のところの漢字間違ってるぞ」
ふと先ほどの婚姻届に目を通していると
千速の名前の漢字が違っていた
その他にも既に実印が押されてたり、不思議が一杯ワンダーランドなのだが
「母さんめ!自分が結婚するつもりか!」
母親って…え?
「同じ名前なのか?」
「うん、漢字が違うだけ、父さんといつでもラブラブな癖に!」
「お前と同じようなお母さんなのか…」
想像してみる
2秒でギブアップだ
「いんや、どっちかってとおとなしいタイプかな、母さんは」
「まあ、お前だらけじゃ家庭が心配だ」
つい出た本音だが気にしなかったらしい
「母さんも歌が凄く上手いんだ、蒼い鳥なんか母さん一番の十八番!」
「へぇ…」
ちょっと気になったが他人の家庭の事
あまり突っ込んでも失礼だろう
「何時か聞いてみたいもんだな」
移動しながら無難に話を切り上げようとする
「じゃあ蒼い鳥を結婚式の余興で歌ってもらおーぜ」
「はいはい」

「じゃねぇ!」
「照れんな、照れんな!」
「照れてねぇー!」

しかし何時か本当に聞く事があるんだろうか?
親子二代の蒼い鳥を
それはそれで楽しみではあるけれど
そうなった時は俺はその人の義理の息子
つまり…

 

ホットケーキと速い子と

2008-10-31 00:39:04 | SS 番外編
「第一回!チキチキ!ホットケーキミックスを使ってどれだけ卑猥な表情がっ!」
「ひあうぃがっ!」
俺の必殺チョップで崩れ去る千速
…後味の悪い戦いだった
煙草を灰に流し込む
「嫌な味だぜ…」
「愛した人間を殺めたあとの煙草は特に…」
「勝手なアテレコするんじゃねぇ」
いつの間にか復活していた千速が俺の足元でしゃがみこんでいた
頭に三角巾、エプロンまでつけてる
「本気で料理するつもりなのか?」
「このさすらいの宮廷料理人と呼ばれた千速ちゃんだぞ」
「さすらう宮廷は滅びてるな」
間違いは正してやる
それがいい大人の義務だ
「若い頃はその料理の上手さから鉄鍋の千速とも…」
「さ、給湯室いくぞ」
ちょっと不満そうにカーッカッカと笑う千速を引きずり
クッキングスタジアムである給湯室に向かった

30分後
「ふははははー!必殺!ホットケーキミックスライサー!」
「ぐはっ!語尾になんとない言葉をつけただけなのに槍最強技みたいだ!」
ボールを抱えた千速が泡だて器を振り上げ襲い掛かってくる
飛び散るミックス済みのミックスをリッツでお洒落に受け止める
「ナビスコガードだと!ロイヤリティな真似を!」
そしてそれをゴロを裁くセカンドよろしく千速の口に放り込む
「…あ、美味しい」
「意外にいけるだろ、そのまま舐めても美味しいぞ」
大人のB級グルメアドバイス
それを聞き何かを思いついたような千速は
また泡だて器を振り回し始めた
「うわっ!ばか!ミックスが付いちまう!」
「付いたら取ればいいじゃん!舐めて取っちゃえばいいじゃん!」
歌うようなリズムでノリノリに振り回す
「俺を舐める気か!?」
「安心しろ!後でミックスで出来た服で出てきてやるから!」
「それでどうしろってんだ!?」
真っ白いモコモコした千速を頭に浮かべる
かなり怖い
「一枚ずつ舌で脱がせろ!そしたらそのまま中身を頂いちゃえ!」
「テメェはもっと自分を大切にしろ!」
「おまけが中から出てくるチョコエッグみたいなもんだ!」
「おまけの性質が悪い!なんだその選ぶ余地の無いおまけは!」
言いながら脱がせにかかってくる千速
てか自分の服にも手をかけてやがる!
「やめろ!落ち着け!」
「安心しろ!賞味期限はまだまだピチピチだ!」
「だから犯罪になるんだろう!」
「じゃあ偽装表記だ!実は28です!プロデューサー!」

「うるさーーーーい!」

食べ物で遊ぶなと小鳥さんに二人して怒られた
千速は小声で
「偽装表記がぴよセンサーに引っかかったか…」
とか呟いていたが
「まあ、確かに後は焼くだけだしな」
「あまりに簡単すぎて遊んじゃったんだよな、次はてんぷらでもやるか」
さりげなく提案する千速
バカに油は危険そうなので却下した
「じゃあドーナツ…」
「それも一緒だ」

「しかし…お前がお菓子を作ってみたいとは…世も末だな」
「人がお菓子を作りたいという願いだけで世紀末扱いとは、そんなに期待するない」
しかし普段はアレな千速も
エプロンと三角巾でなんとなく女の子に見えるもんだ
フライパンを持って右往左往してる姿なんか結構微笑ましい
「焼けたか?」
後ろから覗き込む
そこには一心不乱にミックスの元を舐め続ける妖怪「ミックス舐め」がいた
「焼けよ!」
「うっせい!止められない、止まらない!」
とりあえずボールを取り上げてミロの粉を与えてみる
ペロペロ舐め始めたので問題解決
さすが粉末ミロの粉
そのまま舐めてもカルシウムそのままに美味なだけある
そんな事してる間に俺が焼いてしまう事にした

「出来上がったものがこちらになります」
「おお!これが私のホットケーキ!」
「…おまえ混ぜただけじゃん」
バターとシロップをかけてやって皿に盛られたホットケーキ
綺麗に焼けて黄金色
千速のは3段積んでみた
見た目にも贅沢なホットケーキタワーだ
「わー!わ!食べていいか!?な?」
「いただきますしてからな」
「うん!うん!」
そう言って目をキラキラ輝かせる千速
それは無邪気な子供の目だった
「よし、じゃー、せーの!」
俺が手を合わせると、千速も習って手を合わせる
「「いただきます!!」」

もふもふ食べる俺達
ま、たまにはこんな日もいいかなと思う
「なー、プロデューサー!」
「あん?」
口に一杯ほおばったまま千速が言う
「今度は私が焼くからな!」
確かに混ぜただけだったし、千速も思うところがあったのだろうか
「全部一人でやってみるのか?」
「うーん、それはそれで自信ない」
「威張って言うな」
うん、それなら
「じゃあ今度は俺が混ぜるか?」
きょとんとした千速は大きく頷いた
「うん!」

「ほんとは全部一人でやったやつ、食べて貰おうと思ったんだけどな」
「あ、それもいいな」
うーんでもなぁ
という顔で千速が首を振る
「一緒の方が楽しいしな!」
その声に頬が緩む
「次は裸エプロンだな!」
やっぱり緩まない

















久々
しかしまた速い子
これは最近の定時の
お題「ホットケーキミックス」
それで書いた15行を長くしたものです
ちなみにその時の15行

「ふははははー!必殺!ホットケーキミックスライサー!」
「ぐはっ!語尾になんとない言葉をつけただけなのに槍最強技みたいだ!」
食べ物で遊ぶなと小鳥さんに二人して怒られた
俺と千速はホットケーキを作ろうとしただけなのだが
「しかし…お前がお菓子を作ってみたいとは…世も末だな」
「人がお菓子を作るだけで世紀末扱いとは、そんなに期待するない」
皮肉が全く通じねえ
「料理は愛情という言葉を聞いたことがある」
「うん、ある」
「なら愛情より強い欲情はさらに強いはずだ」
「すまん、やっぱり聞いた事無かった」
「そして最後に隠し味、一つまみの愛情とおまじない!」
「おお、女の子っぽい」
「小さじ一杯の媚薬と、喘ぎ声編集したエロカセットテープ」
「うん、スリーアウト、チェンジ」

今回のは無理やり削った部分を付け足しただけです
やりたいことは多くても15行だと難しいので
やりたい事をやれるだけ書いたらこうなった
前後の脈絡が若干おかしいところもあるかもなのですが
速い子は勢いが命なので
15分ぐらいでバーッと書いたのを軸にしています

さて11月はイベントも多いし
忙しくなりそうだなぁ…ワクワクテカテカ




はやのじ ぜぇーと! おーばーますたー 後編 (SS 番外編)

2008-09-05 03:57:30 | SS 番外編

「駆け上がったなぁ」
「ええ、本当に感謝していますわ」
考えられるだけの俺は最大の手段を使って貴音をプロデュースした
下積み的な仕事は実力で掴んだオーディションですっ飛ばす
常に少々高いレベルの仕事を請ける
なおかつ最低限成功させる
ノーマルではない、最低でグッドだ
そしてこれが一番辛い仕事だったのだが…
「永遠と7万登場までカチカチしてくれてお疲れ様でした」
「…タブ切り替えだけで心が折れそうだったよ」
「流石にあれだからオーディションを探してくれた事にします」
「言ってから隠そうとしないでくれ」
くすりと笑う貴音
この数ヶ月でずいぶん心を許してくれた気はする
「これで私の目標に届きました」
「よかったな」
「なんでトップになりたかったか聞かないのですか?」
不思議そうにたずねる
頭がいい貴音だから不思議なんだろう
目的も教えない人間に全力で手伝ったことが
でもそれは当たり前のことで
「貴音がやりたかったことを支えるのが俺の仕事だからね」
そう、俺はプロデューサーだから
「目的なんてどうでもいいのさ、結果を与えられたんだから」
ニッコリ笑って答えてみる
自分で言うのもなんなんだがいい仕事だったと思う
(さて、俺の仕事はここまでか)
961プロへの偵察という事だったが
貴音をプロデュースしている間に色々わかった事がある
彼女の協力によるところも大きかったのだけれども
それを持っていけば仕事は終了だ
「後は貴音のやりたい事をやればいいさ、そのためのトップだったんだろう?」
「…えと…」
何か言いたそうに俯く貴音
俺も765に戻るかな、いままでありがとうな、貴音」
頭に手を乗せて撫でる
ちょっと顔が赤いようだが、熱でもあるのだろうか?
俯いたまま「うんと」とか「えーと」とか切り出しにくそうに呟いている
「プ!プロデューサー!」
「は、はいっ!」
意を決した様に大きな声の貴音に
驚いて上ずった変な声が出てしまった


「…聞いて欲しいんです、上を目指した訳、そしてできれば…」
何かを決意した様に俺を見上げる
真剣な二つの瞳に視線を吸い込まれるように見詰め合う形となる
ちょっと上気した顔と潤んだように見える瞳
そして夜風になびく美しい銀の髪
言葉を紡ぐ桜色の唇が艶やかに…
「千速ちゃんキッーク!!!」
劈くような聞きなれた怒声と共になんか飛んで来た
貴音を引き寄せ一緒に避ける
「なぜ避ける!」
「そりゃ避けるわ!」
「そこをあえて受け止めるのがプロデューサーの仕事だろ!」
「そんな仕事は当たり屋に頼め」
いつものように受け流すが、なんか妙に機嫌が悪い
「どした?千速?」
「いつまでくっついてんだ!放れろや!」
ビシッと指差したその先には俺
その腕の中には貴音が真っ赤な顔で俺に抱きしめられていた
「ああっ!ご、ごめん!」
慌てて手を離す
「…いえ」
折角信頼関係も少しは気づけたかなと思ったのに
また俯かせてしまった
千速もなんか機嫌悪いみたいだし…やれやれ

キックの後ろからやってきたのはアイドル2人
二人ともほぼ俺と関わる事はなかったので初対面に近い
彼女達にもプロデューサーが付いてたはずなのだが
そのプロデューサーとも会わずじまいだ
「ええっと我那覇さんに…美希ちゃん?」
「美希達呼ばれたからきたんだけど…」
「久しぶりー、たかねちゃん」
「ああん!もう!久々にアウト!完全にストライク!」
「ええと…貴音さん?」
ちょっと元気なくなったと思った貴音が我那覇さんに飛びつく
そのまま頬を摺り寄せて偉く強く抱きしめてる
これは…
「レズ?」
さすが悪魔のサイドテール
思ったことをそのまま言葉に出すアホっぷり
「もう!相変わらず可愛いんだからぁ!」
「くすぐったいよー、たかねー」
我那覇さんは決して嫌がってはいない様子
慣れてるのかもしれない
「子煩悩なお母さんと愛娘かな」
抱き合う二人を見てそう思った
「婆さんと孫でいいじゃん、白髪だし」
アホはそう思ったようだ

「はっ!…こほん、ええと私とここにいる響、そして美希さんを連れて行って欲しいんです」
落ち着いたらしい貴音が話してくれた「トップに行きたかった訳」
それは961プロからの移籍
いや脱出とも言えるものだった
「連れて行くって…」
「ええ、765プロへ…いえ、あなたが行くプロダクションならどこでも」
「なんでなの?貴音ちゃん!?」
問う我那覇さん
千速と美希ちゃんも不思議な顔をしている
真剣な眼差しで彼女の方を向き肩を掴む貴音
「黒井社長はあなた達を騙しているの、私はそれが許せなかった」
「騙すって…」
「あなたも聞いたはずよ、765プロのプロデューサーに対する悪評を」
「…ヘンタイでアイドルにイタズラしてるってやつ?」
じっと見られた
千速と美希に
「おまえもしてたんか?」
「ここ数ヶ月はお前の担当だったろうが、されたか?」
「千速さん相手じゃその気もおきないと思うの」
「表に出ろ、金髪おにぎり!」
「まあ美希ちゃんの意見は間違っちゃいないんだが…」
「うぉーい!お前が裏切ってどうするんだよ!」
「裏切りなのか?」
「違うと思うの」
しかしそんな事、自社のアイドルに吹き込んでいたのか
妙な所属アイドル、社員の忠誠心や
同業種他企業に対する異様な対抗心はここからきてたのかと納得した
これはある意味
洗脳だ

「響、私はあなたが特に心配なの、こんなに可愛くて頭がちょっとなんですもの」
「さりげなく酷い事言ってるな」
「あそこにいるサイドテールはそこからマイナス可愛さだけど」
なぜこのタイミングで千速に絡むのか?
初対面から相性は悪そうだったが…
「てめぇも敵か!この若白髪!」
「銀髪です!貧しい乳を持つ女!」
「映画のタイトルみたいに言うな!素直に貧乳って言え!」
「貧乳、貧しい乳で貧乳」
「言い直すなぁー!!」
わかった
千速はこの場では美希と貴音と相性が悪い
おそらく胸のせいで
貴音が千速に絡む理由はわからないのだが…
「じゃあ765プロのプロデューサーは変態じゃないの?」
無垢な瞳でこちらを見る我那覇さん
瞬時に視線を伏せる俺と千速と美希
「…他のプロダクションの人、いえ悪い人なんてそうそう居ないのよ」
諭すような優しい声
「無垢なあなただから、人を信じられないあなたになって欲しくないの…」
キュッと響を抱きしめる貴音
その胸に顔を埋めエヘへと笑う少女
その姿はまるで本当の母と娘のようにも見えた


「黒井社長、お世話になりました」
俺は自分の退職願を黒井社長に渡す
そして続けて貴音が自分の引退の旨を伝えた
「君の辞職はいい、だが貴音君はいまやウチのエースだ…そそのかしたのか?」
「いえ、彼女の意思です」
黒い陰のある顔を震わせる
それが怒りなのか、笑いなのか判断は出来ない
「貴音君たしかに君の進退には手が出せない、だが…」
これは笑いだ
「響君はまだウチにいるよ…響君を残してここを去ると言うのかい?」
人質
しかしまあ…これも予想していた範疇
「それに千速君もウチの所属のままだ、いいのかい君も辞めてしまって」
こっちを見てニヤリと笑う黒井社長
「あー、千速は俺と一緒に765に帰るって言ってます」
「響と美希も私と一緒にここを辞めさせて頂きます」
俺と貴音のツープラトン
「し、しかし契約がある!」
「本人の意思が伴ってない契約では役に立たないのでは?」
うろたえる黒井社長
ここで俺は調べてきた推測を使うことにした
「社長、そもそもあなたではムリだったんです」
「どういうことだ!」
怒気が言葉尻に出て来ている
「あなたはセルフプロデュースという形を取り続けてました
貴音にも我那覇さんにも特定のプロデューサーに担当させない
一人で全てをやらせようとしている…」
「それがどうした!自分で全てが出来ないと一流ではない!」
「そこにあなたの不自然な点がある!」
ビシッと黒井社長を指刺す
「あなたは優秀な社長だ!だがプロデューサーではない!
実はプロデューサーとしては高ランクではありません!」
「だからどうした!」
「つまりあなたの同時プロデュース可能人数は多くない!
現所属アイドル4人を同時にプロデュースなんて出来なかったんだ!
だからいつまで経ってもアイドルをプロデュースしようとしなかった!
いやできなかった!」
図星だったのだろう
黙り込んだ黒井社長にはこれまでの覇気のようなものは感じなかった
がくりと肩を落とし
そして…吼えた
「そんなに高木がすきかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁl!!!」
「「いえ、別に」」


「しかし本当によかったのかい?」
「愚問です」
「いや、そうじゃなくて、君達なら765じゃなくてもっと大手でも通用するだろう?」
答えの代わりの微笑なのか
手を口元に当てくすりと笑う貴音
そして
「こちらの質問に答えてくださったら教えて差し上げます」
「なんだい?」
いたずらっ子のように
「あなたは私達4人をプロデュースできるプロデューサーですか?」
聞かなくてもわかってる
そんな笑顔
「アイドルの願いを叶えるのがプロデューサーの仕事だ」
「つまり?」
ああもう、頭のいい子なはずなのに
あくまで俺に言わせたくて仕方ないのか
「君が願うのなら…4人まとめてプロデュース…させてくれるかい?」
「…ありがとう、アイドルマスターさん」





「いつかもう一つの願いも…」
「まだあるのかい?」
何かを含むような微笑
「こちらは自分で叶えますわ、自分で叶えなければ意味がないし…」
何かに気づいた貴音は視線をそちらに向ける
そこには千速を先頭に駆けて来る美希ちゃん、我那覇さんがいた
「ライバルもいますし、お相手本人には頼めないでしょう?」
そう言って手を振り貴音も駆けていった


アイドルを信じて自分を信じて
そうすればきっとどこまでも行ける

その場所がどこだって

俺はプロデューサーなのだから
























終了ー!
仮961プロ編「おーばーますたー」終了です

およそ1ヶ月の間でしたがそれでも新情報が微妙に出てきて焦る焦る
想像だけで書いてるもんだから色々不都合な点とかあったり
まあ新発表までのドキドキワクワクが
一つの妄想になってくれたと思っていただければ嬉しいかと
全ての設定が妄想に過ぎませんからね
…千速が出てる時点で

この子もメインにしてる時は勢いだけでどうにかしちゃうのに
サブにしてプロデューサーと離した瞬間難しくなりました
千速、美希、響(俺予想版)だと全員アホの子なんですよ
話進まねぇ…
結果、突っ込んだりしてますね
珍しい

近いうちに僕の予想した貴音、響さんでも


あ、アニサマ行ってきました
凄くよかったです




はやのじ ぜぇーと! おーばーますたー 4 (SS 番外編)

2008-08-29 00:07:05 | SS 番外編
「…高みか」
貴音の高みへ連れて行って欲しいという願い
その答えは961プロからの独立だった
彼女ならばここにいても確実に成功する
俺が付かなくても、誰がプロデューサーでも
そう、あの黒井社長ならば俺なんかより早く確実にトップにいけるだろう
だが貴音は待った
自分を磨きながら
「961プロには在籍しているが、961プロを抜けられるプロデューサー」を
黒井社長の手先ではいけない
自分に対する仕事から契約まで全ての事を貴音に開示する
そんなプロデューサーが彼女には必要だったと
全てを明かした後
「あなたがもし無能ならば…私が仕事に関することは指示しますが?」
…この娘は本当に恐ろしい娘だ
まあ少々カチンと来たのもあるのだが
わざと椅子を軋ませ尋ねる
「正攻法で勝ち上がるって事でいいのか?」
「裏道はあまり好きではありませんから」
微笑む
解ってやがる
プロデュースってやつを
…いや、もしかすると「俺」なのか?
「わかった、気張らせてもらうよ」
うぬぼれすぎかと息を吐き、答えた
「ふふふ、よろしくお願いしますね」
ドアを開き去っていく貴音
椅子の背もたれに体重を預ける俺
ドアが閉じられ、差し込む光が途切れる
暗闇の中
ディスプレイの光の前に俺はまた思案に入る
すっかり冷めてしまったコーヒーを飲み干すころには
外は既に薄く朝日が差し込んできていたのだった

千速パート

「響ー、なんかここ変じゃねー?」
飴を舐め舐め聞いてみる
子供もビックリ巨大ペロペロキャンディーだ
「千速ちゃんー、虫歯になっちゃうよー」
「んー、大丈夫大丈夫」
やっぱり、響はいい子
背も同じぐらいだし、なんか親近感がある
「千速はなんでも丈夫だから大丈夫なの」
「黙れ、そこのおにぎり娘」
「今はババロア食べてるからババロア娘だと思うな」
美希はなんつーか敵だ
主にあの胸が敵だ
響は味方だ、主に胸が
「あいつは敵だ、響、いいな?美希は敵だ」
「なんでー?、美希ちゃんいい子だよー」
「いい子かどうかは関係ねぇ、あの胸だ、でっかい胸は敵だ!アンダスタン?」
「んー?」
くそっ!わかってねぇ!
「でも千速ちゃんもまだ15なんだからおっきくなるよー」
ああ、本当にこの響はいい子だ…
「千速はなんかもうおっきくなるのはムリな気がするの」
「おにぎりぃぃぃ!!!」
「背が」
「なんだ背か…」
「胸も」
「ババロアァァァァァァ!!」
私の背後からユラリと現れる霊波紋(スタンド)
これはアイドルのオーラが形を作り実体化したもので
アイドルならば誰もが持っている特殊能力の様なものだ
「意外と律儀なの」
ババロアを口元につけたまま立ち上がる美希
その背後にも現れるスタンド
「オラオラオラオラオラー!!!」
「なのなのなのなのなのー!!!」
そこに響が割って入った
「まーまー、千速ちゃん、美希ちゃん、ジョジョごっこはそれぐらいにしよ?」
「響は気になんねーのかよ!胸の事とか!」
「んー、あんまり気にした事ないよー」
「こ、こいつ…」
「他にも千速ちゃんには素敵なところがたくさんあるんだから
あんまり気にしても仕方ないよー」
天使だ
純粋すぎてなんか眩しい天使がいた…
「765プロさんはセクハラプロデューサーが多いから気にしてたのかもしれないけど
ここではそんな事気にしなくてもいいんだよー、千速ちゃん」
「「へっ?」」












できれば後2話ぐらいでっ!
情報がたくさん出てきて破綻する前に畳みきってしまいたいっ!

といった感じで
明日辺りからの情報ラッシュでどうなるかですね
個人的にはゲーマガに期待します

後、まこちん、お誕生日おめでとー

はやのじ ぜぇーと! おーばーますたー 3 (SS 番外編)

2008-08-23 00:37:45 | SS 番外編

「しかしなんとまぁ…」
何の問題も無くレッスンをこなし
何の問題も無くオーディションに勝つ
それが俺が四条貴音に持った印象だった
レッスンなど必要が無いぐらい
高い水準で纏められているボーカル、ダンス、ビジュアル
俺のやることはスケジュールの作成ぐらいしかない
本当に手がかからない子だが…
「なぁ、四条君、君は本当に素人なのか?」
思わず出た言葉
デビュー直後のこの力量は疑問でしかない
「…ええ、プロデューサーに出会ってデビューしたアイドル見習いです」
「にしてはレベルが高すぎる、それに」
「それに?」
「意図的に指示を見逃したりしたね、余剰アピールはしないという姿勢かい?」
「…わかってるならなぜ?」
不思議そうな顔
だがこれもフェイクか
自分の望んだ答えが返ってくるか
値踏みされている
「そちらの方が楽な時もあるから」
「レベルの差があるなら…ですね?」
…恐ろしい
この娘は自分でオーディションの組み立てまでしている
そしてこちらの言いたい事まで完全に理解している
あえてぼかした答えさえも

「ま、おかげで本来の仕事にも手が回せる」
夜の事務所にて
内情から探る961プロ
そこから出てくるものはやはり黒井社長の偉業なのだが
その偉業に少々疑問も感じている
プロダクションでプロデュース方法が違うというのもあるのだが
それにしても…
「何かわかりまして?」
「いや、疑問点はいくつかあるが確証にいたるまでには…っ!」
いつのまにか目の前に貴音が居た
「どうぞ、コーヒーです」
「貴音…」
「あら?名前で呼んでくれるんですか?」
微笑む貴音
だが…目の奥には笑いは無い
全てを見透かされているような瞳
「俺に何を望む?」
もはや言い訳は通じないだろう
洞察力に優れた人間をしばらく相手にしていなかったツケがここに出たか
元担当アイドルの何も考えていないアホ面を思い浮かべる
…まあ、あいつはあれがいい所だったな
「ふふっ、そうですね」
顎に指をあて悩む仕草
それは実に魅力的だ
弱みを握られた物には冷や汗しか出てこないが
「とりあえず私を高みへ連れて行ってください」
「高み?」
「ええ、私とその周囲を私の意志で動かせるぐらいのレベルまで」


千速パート

「みんな!頑張っていこうな!」
「うるせぇ!バーカ!ジュース買って来い!」
「いきなり学級崩壊なの!」
「たく!ニセプロデューサーが!」
買ってこさせたコーラの缶を投げる>クリティカルヒット
全く
プロデューサーと一緒だから961プロに来たってのに
いきなり離れ離れで、変な奴にプロデュースされる事になっちまって
しかもなんか変
ここに居るアイドル達は全員同じプロデューサー
だからと言ってユニットじゃないようで
掛け持ち?
あー考え事するとなんか頭がこんがらがる
「ふふふ、いけないアイドルちゃんだ…俺が素直な子にしてやる!」
気絶させたと思ったのに意外と回復力がありやがる
しかも飛び掛ってきた
「ふははははっ!女の力で俺の突進が防げるかな!」
A+Bで避け
「ぐふぉあ!」
「けっ!97でも女々しくEXゲージ使ってた奴の避けを舐めるな」
「千速、絶対15じゃないよね」
そんな事言う美希の口はキスではなくおにぎりで塞ぐ
「モガモガー!」
「たく、響!遊びいこーぜ!」
「えーでも、レッスンが」
流石の純真沖縄っ子
なんか真面目な事言ってる
お姉さんそういう子嫌いじゃないので
「人生勉強!これまたレッスンだ!」
と真顔で嘘をついたら頷いてくれた
うん、ノリのいい子だ
「もうもんー?(そうなのー?)」
「美希、お前は口の中空にしてから話せ」
「むぉあいはーい)」
「人の話を聞け」
キャッキャと友達と放課後遊びに行くなんて久しぶりかもしれない
まあ楽しむ時は、楽しまないと
「おい!お前ら!レッスンはいいとしてもこのスケジュール通りに…」
「うっせー!バーカ!ジュース買って来い!」
「あ、いい角度なの」
綺麗に入ったC+Dに吹っ飛んだニセPに響が近づいてく
「おお…響…お前は…俺について…」
「なんくるないさー」
ガクッ
あ、崩れた
あーあー、プロデューサーは何してんのかなぁ…?













おかしい…
2回で終わらせるはずだったのだが…
という事でパートまで分かれちゃいました テヘ
ちょっと都合上短いのを短期間で複数って感じになりそうです
ネタが端から腐っていきそうで不安ですが
俺の中での貴音さんはちょっと怖い人
踏む以外にもね


はやのじ ぜぇーと! おーばーますたー 2 (SS 番外編)

2008-08-21 02:30:14 | SS 番外編

「よく来てくれた、歓迎しよう」
「よろしくお願いします」
俺と千速が訪れた961プロ
業界でも意外な力を持つ不思議プロだ
765プロと比べるとアイドルの人数は少ないものの
そのデビューからランクアップの早さには定評がある…らしい
これは小鳥さんの「ザ・スパイメモ」より抜粋
何やってるんだろう?あの人は?
「で、765を裏切ってウチに来たんだって?」
「同系列の職種の転職と取っていただきたいですね」
「ふぅん…」
ジロリとこちらに視線を移す961プロ社長、黒井
敏腕も敏腕
社長とはいえおそらく俺と20も変わらないだろう
言葉遣いも少々ラフだ
今、俺が試されているのかもしれないが
「アイドル連れてやってきたんだ、それは立派に元居た会社にダメージを与えてると思うが」
「私も単身でこちらに来るつもりでしたんですがね…」
少し困った様に笑ってみせる
「彼女が付いてきたいと言ってまして…いやはや」
「なるほど…やり手というのは間違いなさそうだ」

そう、そういう設定だ
一応それなりの知名度のあるアイドル「如月千速」
これからまだまだ伸びる時期であるこの「駒」を土産として持って
俺と千速は961プロに侵入する
俺達は潜入アイドル、プロデューサーなのだ

「それではウチでも全力を尽くしてもらいたい」
「ええ、私の力の限り働かせていただきます」
グッと頭を下げ社長室を後にしようとする
「ああ、待ってくれ、君の担当アイドルなんだが…」
「…如月千速ではないのですか?」
まずい
あいつを他のプロデューサーに任せられるとは正直思えない
手元に置いておかないと不安で仕方ないのだ
一応普通のレッスン方法等もレクチャーはしておいたのだが
できれば二人でいたほうが心強いというのもある
ちなみに千速にはスパイの事は言っていない
あくまでフリーになって、他での力を試すという話になってる
千速自身は
「お前と一緒なら別にいいや」
とあっけらかんに決めてしまっていた

「君には四条貴音君を任せたいと思う」
そして千速君には違うプロデューサーについてもらう」
バァン!!
ドアが大きく跳ね、飛び込んでくる影
千速だった
「あたしはこいつじゃなきゃヤダっ!!」
そう怒鳴りながら、俺の背中に飛び登り俺の首に手を回す
はい、入ってます
気道確保できてません
「おい!千速っ!やめっ!苦しいっ!」
「やーだ!やーだ!」
放り投げようとするとさらにグルグル回ってくる、人の首で
「こいつがいいんだぁー!」
「こらっ!千速!社長の前だぞ!」
一気に騒がしくなった部屋に
突然コツコツと印象的に響く足音
印象的な銀髪が軽いウェーブを纏いフワリと息をするたび微かに揺れている
既に完成された印象を与える少女だ
高い背とスラリとしたプロポーションながら
出ているところは出ていて引っ込むべきところは引っ込んでいる
美少女…いや美女と言っても差し支えは無い
切れ長な瞳は冷たく見下すように千速を見る
「…子供ね」
「んだとぉ!誰だ!テメェ!」
少女は怒鳴る千速を無視し、目線を外しこちらに向きかえる
「はじめまして、プロデューサー、四条貴音です」
穏やかな笑顔
だがその奥にある何か冷たいモノを
俺は言いようの無い威圧感と共に感じていた
















やべぇ!
続報が出た!
なのに話が大きくなっちゃいそうだ!


えー近況報告
コミケ行きました
50冊以上の素敵なアイマス本に出会えました
お金がすごく無くなりました
961本にも何冊か出会えました
みんなの考えた961プロ素敵

雪歩が現在雪歩ランキング26位ぐらいに居ます
264万、残7週、思い出15個