ニューヨークとアンティーク

アメリカンアンティークを勉強するブログ
ビンテージアイテムから知るNYスタイル・歴史・フリマ点景

ルーサイト・ボタン

2006-07-12 13:13:41 | プラスチックウェア
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                                     ④Lucite buttons
先日のフリマ点景で、ビンテージファッションを扱うディーラーさんから購入した
ボタンが、これ・・。透明なプラスチックに彫刻、そしてペイント。表から見ると
レンズ効果で浮き上がる模様は、とっても不思議で魅力的なデザインですよね。

さて、このボタンの素材・・・。アメリカのビンテージファッションアイテムに
ご興味のある方でしたらご存知、ルーサイトと呼ばれるプラスチック。
1940~50年代に作られたファッションアイテムは、ボタンだけにとどまらず、
バッグ、アクセサリーなど様々なものの素材として利用されていました。

で、ルーサイト*(言葉そのものは商標登録)って何?ってことになるんですが、
平たく解り易く言えば・・現在のアクリルに値するものなのであります。



ちなみにこのルーサイトの誕生の秘密は、1930年代の半ば、飛行機の防風
ガラスの代用品
として開発されたもの。そして、それは当然のことながら、
第二次世界大戦時の戦闘機に使用されることとなります。
因みに、今回このルーサイトのことを色々調べていたら、、この製品はNY近郊の
街・ARLINGTONというNJ州の町で誕生したことがわかりました。
(更に余談でいけば、同じNJ州の近郊にRED BANKという街があるのですが、
 そこにある有名なアンティークモールは、戦時中、飛行機工場だった建物。
 その当時、マンハッタン近郊のNJのエリアが、一体どんな役割を果たしていた
 のかを、垣間見れるエピソードにつながりました。)

そんな軽くて割れ難いルーサイトのボタンが主に製造されたのは、
1930年代~1960年代なんだとか。
一見でのベークライトの判断が難しくても、現在私たちの生活の中にすっかり
溶け込んでいるアクリル樹脂なら見分けはおそらく簡単。
なので、、、これは手にしたら直ぐに製造年代に辿り着けそうですよね。(笑)



一口にプラスチックといっても種類は様々。
その歴史を見てみると・・人類初の合成樹脂(プラスチック)とはベークライト
なるそうで、この素材の工業化に成功したのもアメリカの会社。
また初期プラスチック(原料が植物成分)とされるセルロイドも、アメリカで誕生
したものだそうで、、如何にアメリカがプラスチックの最先端を行く国であったか
を知ることができますよね。
そのあたりのことを思うと、、日々アメリカで大量に使い捨てされるプラスチック
製品が、アメリカが豊かさを世界に発信していた時代から続く・・名残そのもの
なのかも・・・と思ってみたり。

さて、上の写真は、1950年代のプラスチック製ボタンで、質感は現在の通常
プラスチックそのもの。このボタンをあつかっていたおばあちゃまディーラーさん
曰く、表面に施された彫刻は、当時の流行そのものなんだそうです。



さてさて、、これまでご紹介したボタンの糸通しの部分を見ると、、
ホールボタン、、もしくはメタル製の部品がついていました。
このメタル部品・・、ループシャンクと呼ばれる代物だそうで、
ここで初めて私は「SHANK(シャンク)」という部位名を覚えたのでありました。
(当然、ご存知の方も多いかもしれません・・・。>笑)

アメリカのプラスチックボタン。
明日は、、ベイビー級の可愛さ?をもつボタンをご紹介予定です♪

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あっこ)
2006-07-12 14:25:50
ボタンのお話も興味深く読ませて頂いています。

専門のディーラーでなければ、ブースの端っこや棚の奥のほうに無造作に置かれているボタンも、色々あるのですね~。Jさんのところで拝見したアイテムが、つい気になってしまって、今まで素通りだったものをイチイチ手に取ってしまいます~。良いんだか悪いんだか・・・^0^;

それにしても、幅広いジャンルをひとつひとつ深く掘り下げて調べていらっしゃるので、読む側としてはお気軽にお勉強させて頂けて有難い限りです!!本業のほうもお忙しいでしょうに、一体いつこんな調べモノを?!



プラスチックボタンの続き、明日も楽しみにしています♪
ボタン (ひまわり)
2006-07-12 14:59:40
今まではボタンは貝ボタンとプラスティックボタンの二種類しかないと思っていた、私です。プラスティックでもそんなに種類があるなんて~、もう頭の中が混乱しています~。

プラスティックといえば、アメリカですね。

色も柄も形も豊富です。
ボタン (ladyinnj)
2006-07-12 22:41:30
素材以外にも大きさや色、デザインとボタンはほんとに種類が多いので、眺めているだけで楽しいですね。

今日のかわいいボタンも楽しみ~!
Unknown (brightearth)
2006-07-13 06:53:37
彫刻がうきあがってみえるなんて、小さいのに幻想的!奥が深いですね。ベークライトのような材料として面白いのもあるけど、プラスチックだろうがなんだろうが「可愛いもんがち」という視点ははずせません!(笑)
あっこさま> (J@管理人)
2006-07-13 07:27:50
素敵なボタンを少しででもリーズナブルに手にする方法・・・の一つは、まさにあっこさんのおっしゃるとおり、、専門ディーラーさんで無い方から購入する方法です。(笑) そういう意味では、ボタンこそガレージセールの、再利用の菓子缶や、ジャーボトルなどに詰まっているあれ・・も、もしかしたらお宝の山かもしれませんね。(笑)

ぜ、是非是非気にしてやってください。あ、でも、財布のひもを緩めるかどうかは、あっこさん次第ですからね~~。(笑)

調べ物の時間は、皆様が思うほど長くないんです~。暇な時に面白そうなサイトをサクッと検索して、ブックマーク。そこから先は、必要な時に調べています。あとは、手元にもかなり本があつまっているかも知れません~。どちらにしても、、毎日24時間では足りないな~としみじみする今日この頃です。
ひまわりさま> (J@管理人)
2006-07-13 07:30:34
はい、、プラスチックといえば、、やっぱりアメリカですよね~~。その昔、姉夫婦がケンタッキーの方に住んでいたことがあるのですが、そこに遊びに行った際、フードコートで大量のプラスチックのカトラリーをみて愕然としました。それが使い捨て?・・と。それが今や~~、もはや恥ずかしくてなにもいえないコンニチです。(苦笑)
ladyinnnjさま> (J@管理人)
2006-07-13 07:33:16
ボタンって、昔は装飾品でぜいたく品だったそうで、、何処かの国の歴史上では、ボタン禁止だったこともあったそうです。だとしたら、、生活用品の一部ではなく、ジュエリー的な感覚で楽しむことは、決して最近はじまったことではないんですよね~。(しみじみ)

なので、、楽しんでいただけたら、、ほんと嬉しいです~!
brightearthさま> (J@管理人)
2006-07-13 07:36:17
まさに、おっしゃるとおり、、このボタン立ちは幻想的!だと思います~。実はこっそり、、このボタンはスペースエイジデザインの影響なのかな??と思っているんですが、正しい答えに辿り着けませんでした。でも・・なんとなく宇宙観あると思いませんか?(笑)

>可愛いもんがち

同感です! そういった意味では、、今日のベイビーボタンは、、三重丸な私です。