今回はロサンゼルスの男女3人組R&Bグループ、
シャラマーのバラードナンバー「You Can Count On Me」を紹介します。
シャラマーと言えば、「The Second Time Around」(1980年全米R&Bチャート1位)や、
「A Night To Remember」(1982年全米R&Bチャート8位)などのディスコクラシックスが日本でも有名ですよね。
グループは何度かメンバーチェンジを繰り返しますが、力強さと繊細さを併せ持つヴォーカルが特徴のハワード・ヒューイット、1980年代のR&Bディーヴァ、ジョディ・ワトリーが在籍していた時代こそが、シャラマーの黄金期と言えるのではないでしょうか。
ハワード・ヒューイットの精細な歌声とロマンティックなメロディが優しい「You Can Count On Me」は、1983年のアルバム『The Look』からの3rdシングルとしてカットされ全米R&Bチャートで77位を記録(わずか4週間でチャートから落ちた)。
同アルバムからは既に強力なダンスチューン「Dead Giveaway」(1983年全米R&Bチャート10位)と、クールなミディアムダンス「Over And Over」(1983年全米R&Bチャート26位)の2曲がヒット済みで、次いでアイリーン・キャラ主演映画のサウンドトラック『D.C. CAB』(1983年)からの2ndシングルとしてシャラマーの「Deadline U.S.A.」(1984年全米R&Bチャート34位、アルバム『The Look』未収録)がカットされたこともあり、それを受けての「You Can Count On Me」のシングルリリースは、さすがにマーケットには新鮮に映らなかったのでしょうね。
アルバム『The Look』の1stシングルだったら、もうちょっと違ったチャートアクションが期待できたのかもしれませんが、ディスコ全盛期にいきなりバラードをカットしてくるチャレンジャーもなかなか存在しないのが現実でした…。
アルバム『The Look』を最後にジョディ・ワトリーはソロに向けてグループを脱退。そんなワケで、ハワード・ヒューイットとジョディ・ワトリーが同時に在籍した黄金期シャラマーのラストアルバムということになります。
当時のアルバム(LP)には「Dead Giveaway」(A面2曲目)の次に「You Can Count On Me」(A面3曲目)が収録されていて、ハデなカットアウトの「Dead Giveaway」の余韻を残しつつ、ゆっくりとスタートする「You Can Count On Me」への緊張感は、まさにディスコでチークタイムに突入するのと同じ感覚を楽しませてくれました。
1985年、ハワード・ヒューイットもグループを抜けてソロに転向。1stソロアルバム『I Commit To Love』(1986年)からの大ヒットバラード「I'm For Real」(1986年全米R&Bチャート2位)では、ジョージ・デューク(キーボード)、スタンリー・クラーク(ベース)、ウィルトン・フェルダー(サックス)といった豪華ゲスト陣が参加。オープニングのシブいサックスに続き「♪フゥ~」と歌い出すハワード・ヒューイットのセクシーさは鳥肌モノですよ。
そう言えば、今から10年ぐらい前のことですが、原宿で偶然ジョディ・ワトリーに会いました。来日してることも知らなかったし、原宿を歩いてたら目の前をシャープな顔立ちのジョディ・ワトリーが通ったんですよ。ラフォーレ前の交差点に黒い車が待っていて、それに乗り込むとこだったんですかね。だれも彼女に気付かなかったみたいで、一人で交差点まで追い駆けて「ジョディ・ワトリーさんですよね?? シャラマーのころからファンなんです」と話しかけたら、向こうもビックリしたらしく、握手だけして車を見送ったのを覚えています。
話は脱線しましたが、あまりヒットしなかった「You Can Count On Me」。それでも大好きなバラードなので☆☆☆☆☆(五つ星)の大甘評価です。
■シャラマー■
日本でも人気の全米テレビ番組『SOUL TRAIN』を通じて1976年にデビューを飾ったシャラマー。当初のメンバーは、ソウルトレインダンサーズで活躍中のジョディ・ワトリー、ジェフリー・ダニエルズ、ジェラルド・ブラウンの3人。1978年にジェラルド・ブラウンが脱退しハワード・ヒューイットが加入。ジョディ・ワトリーとハワード・ヒューイットのヴォーカルで「The Second Time Around」、「A Night To Remember」などの大ヒットを生み出すが、アルバム『The Look』(1983年)を最後にジョディ・ワトリーとジェフリー・ダニエルズが脱退。デリサ・デイヴィスとミッキー・フリーを迎えた新生シャラマーは、アルバム『Heart Break』(1984年)を発表。このアルバムを最後にグループの重要人物ハワード・ヒューイットもグループを離れ、1987年のアルバム『Circumstantial Evidence』からはシドニー・ジャスティンがヴォーカル参加。ベイビーフェイスが全8曲中6曲のプロデュースを担当したにもかかわらず、アルバム『Circumstantial Evidence』はヒットに結び付かなかった。現段階において1990年のアルバム『Wake Up』以降のニューリリースはない。
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