今回はノルウェーの歌姫、トリーネ・レイン(Trine Rein)の「Just Missed The Train」を紹介します。
陽気なスウェーデンポップスとは対照的に、冷たい影をも感じさせる深遠な歌声と北欧のノスタルジーを詰め込んだ郷愁サウンドの「Just Missed The Train」は、トリーネ・レインの1stアルバム『Finders Keepers』(1993年)からのヒットナンバーです。
最近では、初代アメリカンアイドルのケリー・クラークソン(Kelly Clarkson)が1stアルバム『Thankful』(2003年)で取り上げたり、椎名林檎が歌っている映像がスカイパーフェクTVのスペースシャワーTV(265チャンネル)やテレビ朝日系『AXEL』で流れたりしたので、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか??
ちなみに、デビュー前の椎名林檎(当時はグループで参加)が高校2年生のときにヤマハ主催の音楽フェスティバル全国大会で同曲を歌い激励賞を受賞しています。
この「Just Missed The Train」は、女優としても活躍していたアメリカのシンガーソングライター、ダニエル・ブリズボワ(Danielle Brisebois)がオリジナル。1993年にトリーネ・レインがアルバム『Finders Keepers』で取り上げ、1994年にダニエル・ブリズボワが自身の1stアルバム『Arrive All Over You』でセルフカバーしました。
カバー曲に関しては、トリーネ・レインの2ndアルバムからのヒット「Torn」を何人かのアーティストがカバーしてますよね。
最も有名なのがナタリー・インブルーリア(Natalie Imbruglia)の「Torn」で、デビューアルバム『Left Of The Middle』からの1stシングルとしてカットされ、1998年12月12日付全米チャート42位、1998年4月11日付全米モダンロックトラックスチャート12位、1998年9月5日付全米アダルトコンテンポラリーチャート4位をマーク。フレッシュでキュートな歌声が魅力的なカバーです。
次に有名なのが、ダンスポップシンガー、ナタリー・ブラウン(Natalie Browne)の「Torn」でしょうか。キラキラのダンスポップに生まれ変わった「Torn」は、1998年6月20日付全米ダンスシングルセールスチャート13位を記録するとともに、日本のオムニバスアルバム『ダンスマニア』シリーズにも登場しています。
何度聴いても心が切なさでいっぱいになってしまう名曲「Just Missed The Train」は、個人的評価☆☆☆☆★(四つ星)のオススメ作品です。
■トリーネ・レイン■
1970年サンフランシスコ生まれのノルウェー育ち。幼いころからポップスターにあこがれ、18歳でノルウェーのSaturnというグループにヴォーカル参加。1991年にはヒップホップとダンスの融合バンド、W.I.P.(World In Peace)の依頼により、グループの1stアルバム『The Songs We Write』(1991年)向けに女性コーラスをレコーディング。ここからの1stカット「Ghost Jam」が1991年の夏にノルウェーチャートのトップ10ヒットに輝き、シンガーとして認められたトリーネ・レインはEMIノルウェーとのレコード契約が成立。1993年11月発売の1stアルバム『Finders Keepers』はわずか1カ月で5万枚を売り上げ、ノルウェーの音楽史において最も成功したアルバムのひとつとなった。最終的に全世界で60万枚、ノルウェーで20万枚のセールスを打ち立て、ノルウェーのグラミー賞で新人賞を受賞。「Torn」のヒットが生まれた2ndアルバム『Beneath My Skin』(1996年)も30万枚のビッグセールスを樹立。昔からの夢であるポップスターの座を手中に収めたトリーネ・レインは、アメリカでの成功を目標に一路ロサンゼルスへ旅立つ。アメリカのプロデューサーも交えてレコーディングされた3rdアルバム『To Find The Truth』(1998年)は10万枚のセールスに終わったものの、2000年にはカリフォルニア永住を決意。リムジン会社で運転手のアルバイトをしながらソングライターやプロデューサーとのネットワークを作っていった。運転手としての評判が良かったトリーネ・レインは、リムジン会社から副社長ポストのオファーを受けるが、夢を追い続けるためにアルバイトを辞職。新天地を求めて愛車の赤いカマロに乗りひたすら南下。それから1週間、ノースハリウッドで住まいとアルバイトを見つけ、ミュージック・エクスプレスというリムジン会社での運転手を始める。当時のお客さんにはクインシー・ジョーンズやアッシャーもいたとのこと。そんなある日、ノルウェーのエージェントから、2004年にオスロ郊外で行われる夏のフェスティバルへの出演依頼を受ける。ノルウェーの全国紙にカムバックが大々的に報じられ、EMIノルウェーからもベストアルバム『The Very Best Of Trine Rein』(2004年)作成の打診が舞い込んだ。6週間にも及ぶサマーフェスタは大成功に終わり、現在は新作に向けてのスタジオ作業を開始させている。
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