ハヤコ、12歳になった。
今年も、誕生日会を、した。
今年の参加者は、ハヤコと私ととうさんだ。
ハヤコは、自分の誕生日というものを、分かっているかは、わからない。
1年に1度、目の前で、でかいケーキに火をつけられ、暗闇でかあさんの歌を聞かないと、ケーキが食べれない。
「ハッピバースデ~♪~」
いい歳のおばさんが、本気で歌う、とても、イタイ、分かっている、自分で。
ハヤコは、「ああ、またか」とか、「このパターンか」くらいにしか感じてないかもしれない。
ケーキが食べられるまで、いつもより、時間がかかることは、知っている。
私は言う、「はぁちゃん、かあさんはあと3回はお誕生日会したいなぁ。」
とうさんが言う、「8歳のとき、あと4回とか、言ってなかった?」
私は、笑う、言ってたよと、8歳の時だけでない、9歳の時も、10歳の時も、11歳の時も、あと4年って。
12歳になったハヤコ、私にあと3回はと言われる、かあさんから課せられる生きるノルマが、一年短くなったか。
まだ、来年も、再来年も、その次の年も、できれば、ハヤコが元気で、まだ、ケーキを嬉しそうに食べるの、見たいなぁ。