「躾」、しつけと読む、しつけと言う。
私は、ハヤコを、狂い叩いたことはない。
ハヤコと暮らすに、ハヤコを痛めつけたことなどない。
ハヤコは、犬は、痛めつけなくても、人間が思っている以上に人間を見てくれている。
犬でさえ、分かるのに、人間が、人間を「躾」だと痛めつける、狂っている。
「躾」、しつけと読む、しつけと言う。
私は、ハヤコを、狂い叩いたことはない。
ハヤコと暮らすに、ハヤコを痛めつけたことなどない。
ハヤコは、犬は、痛めつけなくても、人間が思っている以上に人間を見てくれている。
犬でさえ、分かるのに、人間が、人間を「躾」だと痛めつける、狂っている。
暖かい冬なものだから、雪遊びに出かけられない。
2月も終わろうとしてるけど、お休みのもう一回だけ、雪が降らないかな。
今シーズン、最初で最後の雪遊びに行きたい。
そんな私の希望とは違うところで、ほんのり春の空気を纏う瀬戸内の島で、ハヤコは、笑顔を見せてくれる。
休日コタツに体を埋めている私にハヤコは自身の感情で私を覆う、「なにかくれ」と。
あんまりしつこいから、スマホのカメラを起動させ向ける、ハヤコは、私に、おやつが食べたいと重く静かに訴えるばかり。
ま、しつこいの、無視していても、しつこいし、私、甘いから、このあと、一口、ハヤコにおやつを。
ハヤコとの攻防は、たいてい、私が負けているような気がする。
ハヤコの顔が崩れる。潰れている。瞳は四分の一くらいしか見えない、頭蓋骨まで潰れているようで、顔の皺がくっきりする。
勤め人の私は、この時期分から送別会だとかイベントが集中する、4月初めくらいまで。
慣れぬスーツらしき衣装で、私は本日ほろ酔い帰宅する。
薄暗い玄関で、ハヤコは、喜んでいる、静かに顔を潰して。
ひどく、待っていた、ようだ。
ハヤコのそんな顔は、時々見るが、面白い顔だと感じながら、私も、きっと、顔が潰れている。