正月休み、家族が集い、船に乗って四国に渡った。
愛媛県松山市、道後温泉へと。
道後温泉へは、ばあちゃんがちょっと狂う前に遊びに行くことを計画していたジジババと私の姉たち。
その計画には私は乗っからない予定だった、ジジババたちとは別行動の正月のつもりだった、しかし、ばあちゃんが狂っちゃったものだから、「こりゃ、家族で揃って旅行に行けるのは最後かもしれない」と思い、乗っかることにした。
それにしても。
家族が集って道後を楽しむつもりなのだが、我が家はジジイを筆頭に、皆、自分勝手なものだから、なかなか全員が揃わない、あちこちバラバラと違う方向へと向かう。
それでも、松山城、ハヤコととうさんと一緒に登ったのは。
図々しい犬、姉の家の、アミである。
さて、道後温泉、調べると、小型犬ならOKの宿はあるが、ハヤコサイズは宿がない。
そのため、私ととうさんとハヤコは、道後温泉からは少し離れた南道後にあるハヤコも泊まれる宿へ、姉からアミを預かり。私たち皆が初めての体験でもあった。
ハヤコとアミの仲は、ひどく悪くないが、ひどく良いこともない。
贔屓目に聞こえるかもしれないが、アミの図々しさにハヤコが遠慮するというのか、何かの拍子に唸るのは決まってアミだ。
そんな図々しくたくましいアミも、飼い主である姉がいない宿では、オロオロオロオロしたかというと、そうでもなく、私の横にズンと身を寄せて、さみしさを紛らしていた、ハヤコに遠慮するそぶりなぞ、全くない。
遠慮というのか、つまらない思いをしているのは、ハヤコだ。
この日、ハヤコは、どんどんどんどん、拗ねてゆき、大変だった。
家族旅行なのだが、ハヤコにとっては、部外者がいる気持ちになっていたのかもしれない。
だけどね、2日の朝にはアミは姉の元へと帰り、その途端にハヤコの機嫌は直る、夜には、皆がハヤコの泊まっている宿に泊まることになっていて、それこそ皆が一部屋に集まってワイワイ遊んでいたら、ハヤコ、とても楽しそうだった。
そして、アミも、うれしい気持ちになったのだろう、興奮して跳ね飛んでたよ。
家族旅行、皆それぞれ自分勝手だけど、一緒に行けれてよかったよ、それだけは、思うわ。