
去年歩いた木道を
今年もまた 仲間と歩いた
周りを取り囲む
雄大な九重の山々に
抱かれて
束ねられていた心が
ゆっくりと ゆっくりと
解き放たれていく
大きく 息をし
「また 来たよ。」
と 囁きかける
ああ 来てよかった・・・

美しく紅葉した木々が
それぞれを主張し
最後の精一杯を生きている
夕食後に 開かれた
山の上の音楽会
弦楽四重奏から
奏でられるシンフォ二ーと
山々のシンフォニーが
重なり合う

山を愛する者が集い
酒に酔いしれて
音楽に酔いしれて
みなが
一つに なった
山荘の夜は早い
夜中
火が付いたストーブの
ゴーゴーと
燃える音だけが
山荘に響き
やがて
私も 眠りについた
来年もまた
訪れることが出来たら・・・
と 思った