Harukoの濾胞性リンパ腫日記【B細胞 Ⅳ期 B症状 50歳代後半 】 2008年4月28日~

悪性リンパ腫の入院日記。多くのリンパ腫病のうち濾胞性(低悪性)リンパ腫の総合情報サイトを目指して行きます。

アントラサイクリン系抗がん剤

2009-01-04 17:50:58 | おくすり
アントラサイクリン系とアルキル化剤は、共に2次発ガンの可能性が報告されています。 初発で2.5%、再発で9.3%と低くない割合です。 FND、R-FNDで使われていて、この治療後、4%の発症率が報告されています。 R:リツキサン F:フルダラビン N:ノバントロン(ミトキサントロン) 従って別名 D抜きで FMとも言う。 D:デキサメタゾン(ステロイド剤)。



アントラサイクリン系
作用 トポイソメラーゼⅡ活性阻害
副作用 骨髄抑制
消化器毒性 脱毛(それほどひどくない様子です)



ドキソルビシン
副作用: 心毒性急性


ダウノルビシン





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デキサメタゾン(ステロイド剤)

2009-01-04 17:39:24 | おくすり
デキサメタゾン(ステロイド剤)


デキサメタゾンでおこり得る副作用とは?
他の投与薬と同様に、デキサメタゾン投与によって副作用が引き起こされる可能性があります。これらの副作用のすべてを経験する患者さんはごくわずかです。実際には、デキサメタゾン摂取中に副作用をまったく経験しない患者さんもいます。副作用を減少させる、あるいは避けるために、患者さんおよび担当医師等がとるべき確実な予防措置があります。 ここでは、最も重要な副作用および予防措置を述べます。ここで述べる副作用および他の副作用についての詳細な情報は担当医師等にお尋ねください。また、これらの副作用が起きた場合には、副作用の治療についてのアドバイスを得ることもできます。デキサメタゾンなどのステロイド剤による副作用の可能性は、治療期間および投与量とともに高まります。つまり、服用期間が長いほど、さらに服用量が多いほど、副作用が起きる可能性が高まります。副作用の多くは回復可能で、治療が終わると治ります。しかし、自己判断による摂取中止や摂取量の減量はやめましょう。副作用発現時や質問のある場合は担当医師等に知らせましょう。

以下は、発生頻度の高い副作用および/または重篤な副作用(影響のでる器官別に列挙してあります)、留意すべき予防措置、有害事象の予防措置や治療法に関する助言です。



感染症
ステロイド剤によって白血球の感染部位への到達が阻害されるため、既存感染症が増悪するか、あるいは新規感染症が発症する場合があります。一方で、血中の白血球数は上昇します。白血球が血中から感染した組織内へ移動しないからです。正常な免疫反応を抑制する薬剤はいずれも、人を感染症にかかりやすくする可能性があります。ステロイド剤は、実際に感染症の徴候を覆い隠す場合があります。また、新規の感染を阻止する能力を低下させる場合もあります。したがって、デキサメタゾンなどのステロイド剤を摂取している患者さんは、あらゆる感染症(細菌性感染症、ウィルス性感染症、あるいは真菌性感染症)を発症する危険性が高まります。



感染症の予防と治療
デキサメタゾンなどのステロイド剤は既知の感染症に罹患している患者さんに投与すべきではありません。しかし、活動性感染症が適切な抗生物質で治療されているときは、ステロイド剤が重要あるいは必要となる場合があります。

いかなる感染症徴候も、その発現直後から担当医師等に報告すべきです。 頻回の手洗いを励行しましょう。特に公共の場から戻ったときは手洗いをしましょう。

水痘および麻疹に1度も罹患したことのない患者さんは特に注意して曝露(感染者への接近あるいは感染者との接触など)を避けるべきです。 両疾患に曝露された場合は、気づき次第、担当医師等に知らせるべきです。また、デキサメタゾンあるいはステロイド剤を摂取している患者さんは、ワクチン接種も避けるべきです。本当に必要とされる場合には、一部のワクチンは接種することができます。しかし、いかなる理由があっても接種前に担当医師等と相談しましょう。担当医師等は当該ワクチンの接種が安全であるかどうか判断することができます。


心疾患および体液貯留
デキサメタゾンおよび他のステロイド剤の投与により、血圧上昇、塩類および水分の貯留量の増加、カリウムとカルシウムの排泄量の増加が引き起こされる場合があります。これらの変化は、薬剤の大量摂取時に生じる可能性が高くなります。塩類貯留によって浮腫や腫脹を生ずる場合があります。足首および足の腫れに気づくかもしれません。体液貯留とカリウム減少は、心疾患、特にうっ血性心不全と高血圧の患者さんにとっては問題となる可能性があります。


心疾患および体液貯留の予防と治療
食事の変化が必要とされる場合があります。塩分摂取制限および失われたカリウムとカルシウムを補うサプリメントの摂取を行なわなければなりません。担当医師等と相談し、協力しながら適切な食物およびサプリメントを摂取するようにしましょう。


皮膚への副作用
デキサメタゾンや他のステロイド剤を摂取している患者さんは、創傷治癒に通常よりも時間がかかると感じることがあります。また、デキサメタゾン摂取中に?瘡(にきび)および発疹が発現することもあります。発汗亢進もステロイド療法中の一部の患者さんに認めらます。


皮膚疾患の予防と治療
切り傷やひっかき傷を負った場合は注意が必要です。適切な衛生処置が重要です。傷を洗い、患部を清潔に保ちましょう。 切り傷やひっかき傷が、速やかに、あるいは適切に治らないと感じた場合は、担当医師等に連絡するべきです。担当医師等に相談する前には、創傷治療に店頭販売の薬剤を用いないようにしましょう。


内分泌への副作用
デキサメタゾンなどのステロイド剤は炭水化物の代謝経路を阻害し、血糖値を上昇させることがあります。これは、糖尿病の患者さんでは特に重要となります。既知の糖尿病の患者さんでも、ステロイド剤の摂取は可能です。しかし、血糖値のコントロールのためにインスリン療法などの追加が必要となる場合があります。

また、ステロイド剤は月経不順を引き起こすこともあります。



内分泌への副作用に対する予防および治療
糖尿病の患者さんは、血糖値を頻回に測定する必要と、さらに インスリンや糖尿病治療薬の用量を調節する必要があります。しかし、この判断は、患者さん自身ではなく医師が行なう必要があります。糖尿病である場合は、糖尿病治療の担当医師にデキサメタゾン治療中であることを知らせてください。

妊娠可能年齢の患者さんには、ステロイド剤が胎児に及ぼす作用は未知であることを知らせるべきです。したがって、女性、特に月経不順を経験している女性は、デキサメタゾン治療中は追加の予防措置を取り、妊娠しないようにするべきです。



胃腸への副作用
ステロイド剤は胃腸管にさまざまな作用をおこします。胃腸穿孔の危険性が高まります。したがって、消化性潰瘍、憩室炎、潰瘍性大腸炎の患者さんは、副腎皮質ステロイド剤を慎重に使用し、穿孔の危険性を最小限にするべきです。 これらの理由から、ステロイド剤を服用している患者さんに対し、医師の多くは自動的に何らかの制酸剤治療{例えば、PepsidR(訳注 ガスター)}を勧めています。

デキサメタゾン治療で生じ得る胃腸副作用には、他に食欲亢進、食欲不振、腹部膨満感、悪心、嘔吐、しゃっくり、胸やけがあります。



胃腸への副作用の予防および治療
胃腸への刺激作用を防ぐ、あるいは最少化するために、デキサメタゾンは食事中か食後に服用すべきです。アルコール性飲料も胃を刺激するので、デキサメタゾン服用中は避けるべきです。カフェイン含有の食物と飲料(例えば、コーラ、コーヒー、茶、チョコレート)の摂取制限も役に立ちます。少量の食事を頻回にとることで、悪心が緩和されることがあります。食間の制酸剤の服用も役立つことがありますが、担当医師等の許可がない場合は服用すべきではありません。持続性のしゃっくりに対する治療には、Thorazine? あるいは Phenergan? のような処方せん医薬品が必要となる場合があります。デキサメタゾン服用中に胃腸への副作用を経験した場合は、担当医師等に知らせるべきです。胃腸への副作用の予防や治療に関して助言を得ることができます。



一般的な副作用
デキサメタゾンなどのステロイド剤の使用で、体重増加が生じることがあります。数日間、嗄声(声がかれること)となることがあります。通常、この副作用は徐々に治まりますが、デキサメタゾンの4日間のパルス療法を頻回行っている患者さんでは長引くことあります。 声を出さないことは症状回復に役立ちます。

体重増加の予防および治療
ステロイド療法中は体重増加が予想されます。デキサメタゾンには食欲亢進傾向があります。患者さんによる食事摂取量のコントロールが必要です。ステロイド療法中は炭水化物摂取量を減らすことが特に役立ちます。しかし、突然の大幅な体重増加{1、2日間で5ポンド(約2.27キログラム)以上}がみられた場合は、速やかに担当医師等に知らせるべきです。



筋骨格への副作用
ステロイド剤によって、カルシウムの吸収量は減少、排泄量は増加するため、骨に影響が及びます。これらの作用によって成人では疼痛および骨粗鬆症を生ずる可能性があります。 したがって、骨粗鬆症発症の可能性が最も高い患者さん、特に閉経後の女性患者さんは、大量のステロイド剤の長期使用時には注意が必要です。また、カリウムが失われているために、筋肉痛を生じることがあります。



筋骨格への副作用に対する予防および治療
何らかのサプリメントを摂取して、失っているカルシウムとカリウムを補わなければならないことがあります。しかし、自己判断でサプリメントを摂取してはいけません。カルシウム含有量の多い食物をとることで、カルシウム摂取量を増やすことができます。牛乳、チーズ、ヨーグルト、他の乳製品、および一部の野菜は富カルシウム食物です。バナナ、他の一部の果物および野菜は良いカリウム源です。しかし、まず担当医師等に相談してからサプリメントの摂取や食事の変更を開始しましょう。

骨髄腫の患者さんの多くが骨髄腫関連の骨疾患に対する治療としてビスホスホネート療法を行っています。このビスホスホネート療法は骨の強度および密度に及ぼすステロイドの有害な作用を阻害します。



眼への副作用
長期のステロイド治療により白内障、緑内障の原因となり得る眼圧上昇、視神経損傷、および眼感染症が引き起こされる場合があります。

眼への副作用に対する予防および治療

定期的に眼を検査するようにしましょう。視覚の変化は直ちに担当医師等に報告するべきです。


精神および神経への副作用
ステロイド剤によって、短気、気分変動、人格変化、および重度うつ病が引き起こされることがあります。また、不眠症となることもあります。情緒不安定あるいは精神病傾向の程度が増します。ステロイド療法中はさらに悪化することがあります。

また、頭痛およびめまいの経験も報告されています。

精神および神経への副作用に対する予防および治療

上段に列挙した、気分や人格への副作用を認めた場合は、担当医師等に連絡してください。 家族に対しては、短気になり、ともに暮らすことが困難となる場合があることを伝えるべきです。睡眠に問題を生じた場合は、夜間の睡眠を妨げないように、デキサメタゾンの服用時刻を調整することができるかどうかを、担当医師等にお尋ねください。通常の睡眠薬が役に立つ、あるいは必要となる患者さんもいます。




アレルギー反応
ステロイド剤に対するアレルギー反応および過敏反応は、他剤に過敏であるか、アレルギー反応を起こしたことがある患者さんで生じる可能性があります。アレルギー反応には困難呼吸、咽喉閉塞、唇と舌の腫脹、じんま疹などがあります。このようなステロイド剤に対するアレルギー反応はきわめて稀です。


アレルギー反応の予防および治療
薬剤アレルギー反応の既往がある患者さんにデキサメタゾンや他の副腎皮質ステロイド剤を投与する前には、特別な予防措置を用いるべきです。薬剤アレルギー反応の既往がある場合は、薬剤投与に際して担当医師等にその旨を確実に伝えましょう。

留意:健康状態に変化を認めた場合は、担当医師等に伝えましょう。



デキサメタゾンと他剤との相互作用

デキサメタゾンに関しては、他の投与薬との相互作用の可能性は確かに認められています。 多発性骨髄腫の患者さんは、一般に複数の薬剤を摂取して、多発性骨髄腫ならびに他の存在し得る疾患を治療する必要があります。投与薬の数が増えるとともに薬物相互作用の可能性は高まります。デキサメタゾンと相互作用する可能性のある、いくつか(全てではありません)の、あるいは数種の投与薬を下段に列挙します。これらの相互作用によって薬剤作用が増減することがあります。 摂取している処方せん薬、店頭販売薬、薬草の調整剤、ビタミン剤のすべてを担当医師等の全員に伝えることが重要であるのはこのためです。


デキサメタゾンおよび他の副腎皮質ステロイド剤と相互作用し得る薬剤

* アムホテリシンB。カリウム濃度に影響を及ぼす利尿剤、例えばアミロライド、スピロノラクトン、トリアムテレン。

* 抗生物質、例えば エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リファンピシン、アジスロマイシン。

* 抗凝固剤、例えばワーファリン、アスピリン。

* バルビツール剤、例えばアモバルビタール、ブタルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール。

* 糖尿病治療剤、例えばインスリン、グリベンクラミド、メトホルミン。

* シクロスポリン

* ジギタリス製剤

* エフェドリン。減量用製品中に高頻度に認められます。

* エストロゲン含有薬剤。例えば経口避妊薬およびホルモン補充療法製品などがあります。

* 非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)。アスピリン、イブプロフェンを含めて、インドメタシン、ナプロキセンなどがあります。

* フェニトイン


デキサメタゾン投与法およびデキサメタゾン投与時の留意事項
多発性骨髄腫治療では、デキサメタゾンは輸液剤や経口剤によって、他の抗癌剤との併用あるいは単剤で投与されます。デキサメタゾンの投与量は患者さんの様々な要因によって異なります。しかし、副作用発現の可能性を低下させるために、望まれる反応を引き起こし得る必要最少量のデキサメタゾンを用いるべきです。デキサメタゾンの用量は患者さんそれぞれの病歴および症例を良く知っている担当医師等によって決められます。

デキサメタゾンは胃を刺激することがありますが、食物とともにとることでその可能性を低下させることができます。アルコールとデキサメタゾンは、ともに胃の内壁を損傷し得るため、デキサメタゾン投与中のアルコール摂取は、慎重を期すか、あるいは完全に避けるべきです。

他の副腎皮質ステロイド剤と同様に、デキサメタゾン療法は突然中止することができません。この種の薬剤は、徐々に投与を中止する必要があります。突然の投与中止によって禁断症状が出ることがあります。

担当医師等は、副作用を避け、あるいは可能な限り小さくするようにデキサメタゾン投与法をコントロールするでしょう。




多発性骨髄腫治療で用いる他の副腎皮質ステロイド剤とは?

デキサメタゾンに加えて、他の副腎皮質ステロイド剤が多発性骨髄腫の患者さんの治療に頻用されています。これらの薬剤を以下に列挙します。

副腎皮質ステロイド剤の名称 商品名
プレドニゾン DeltasoneR, Liquid PredR, MeticortenR,
OrasoneR, Prednicen-MR, SterapredR,
Sterapred DSR
プレドニゾロン OrapredR, PediapredR, PreloneR
メチルプレドニゾロン DuraloneR, MediapredR, MedraloneR,
MedrolR, PredacortenR, Solu-MedrolR



これらの薬剤はすべて同種、すなわち副腎皮質ステロイド剤に属するため、きわめて似た作用をし、多くの同じ病状を治療するために用いることができます。疾患治療に対する、これらの薬剤の体内での作用機序は同じです。また、作用機序がきわめて似ているため、副作用およびその予防措置の多くが同じです。臨床試験を行ったところ、これらの薬剤は多発性骨髄腫治療で同等の効果を示すことが明らかになりました。

前述した、デキサメタゾンの効果、副作用、予防措置、留意事項は全種の副腎皮質ステロイド剤に関連しているので、プレドニゾン、プレドニゾロンおよびメチルプレドニゾロンにも当てはまります。プレドニゾロンは実際には、プレドニゾンの代謝物です。メチルプレドニゾロンは、構造上は類似しているものの、プレドニゾロンよりも毒性が低く、ナトリウムおよび体液貯留も少ないと思われます。したがって、どの種類のステロイド剤(例えば、メチルプレドニゾロン対デキサメタゾン)が、ご自分のケアに有用、あるいは適切であるかを担当医師等と話し合うことは大切です。

デキサメタゾンと同様に、副作用を避ける、あるいは最小化するために、望まれる反応を引き起こし得る必要最少量の副腎皮質ステロイド剤を用いるべきです
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ノバントロン(ミトキサントロン)

2009-01-04 17:33:01 | おくすり
ノバントロン(ミトキサントロン)

ノバントロンは抗癌剤の一つで、欧米では多発性硬化症(MS)の基本的な治療薬として広く使用されています。日本では急性白血病や悪性リンパ腫などに認可されていて市販されていますが、MSには認可されてはいません。当院では、すでに30例以上の患者様に投与しており、再発を抑制するなど良好な効果を挙げています。

期待しうる効果
免疫に関係する、リンパ球やマクロファージの機能を抑制することで、MSの再発頻度を抑制したり、神経障害の進行を抑制します。効果の発現までに6ヶ月以上かかります。病気の初期で、障害の程度の軽い患者で、より効果的であると言われています。

方法
初回は、体表面積あたり12mgのノバントロンを点滴します。この薬剤が血管外の漏れますと組織障害を起こしますので、血管がよほど太くない限り留置針を入れます。また、あらかじめ吐き気止めの注射を点滴のラインから静注します(針を刺すのは1回だけです)。以降、1ヶ月に1回ずつ合計3回点滴し、その後は3ヶ月ごとに(回数を追うごとに投与間隔が長くなる場合もあります)次第に薬剤の量を減らしながら点滴します。どのくらいの量をどの程度の間隔でどの程度の期間、点滴するかは一定ではありません。また、一生涯で投与できる最大量は体表面積あたり決まっています(欧米の体の大きな人で140mgと言われていますが、白血球の低下する程度も考慮して、体表面積あたりの量で投与しているものの、日本人では少なめがよいように思われますので、100mgを一応のめどにしています)。


副作用
自覚症状として最も多いのは、食欲低下や吐き気です。稀に、食欲低下が強い場合、投与間隔を空ける場合があります。血球減少、特に7から10日後頃に出現する白血球減少の頻度は高く、点滴後は週に2回採血をして変化を見ます。白血球が減少した場合、必要に応じてG-CSFという骨髄での白血球の産生を促す薬剤を投与します。ヨーロッパでの治療の初期から、心機能が低下することが問題とされてきました。このこともあって、総投与量が決められていますし、心機能のチェックが必要です。他の抗癌剤に比し軽度と言われますが、脱毛が目立つこともあります。その他、月経異常、免疫異常による肺炎(間質性肺炎)の報告もあります。


副作用の頻度
海外の報告では、ノバントロンを投与された多発性硬化症患者さんのうち、1378名中2名でうっ血性心不全に、779名中17名に症状までは現さない心機能低下が認められています。これらは主に投与された薬剤量によると言われており、生涯の総投与量を制限しています。

35歳以上の女性の14%が治療終了後も改善しない無月経となり、10%では薬剤中止後に回復する一過性の無月経をきたしたと報告されています。

生命にも関わる重要な副作用として、1378名中1名で急性白血病が認められています。これはノバントロンだけでなく、白血球が低下した際に使用する薬剤、G-CSFの副作用とも言われています。

副作用の対策
投与前に、心電図や心エコー、血球数や肝機能検査などの血液検査を行います。はじめから心臓の機能に異常があると治療を開始できません。治療直後は白血球が減少しますので、週に2回血液検査を行います。白血球数の低下により、次回の投与量を減量し、白血球の回復が悪い場合は投与間隔を延ばすこともあります。心機能が低下した場合、治療を直ちに中止します。


問題点
日本では、本剤は多発性硬化症への適応がないため、本剤の副作用に関連した後遺症が生じても公的な保証を得られません。本剤により多くの患者様で治療効果が認められていますが、全員に満足できる結果が得られているわけではなく、治療の効果を必ずしも保証もできません。それゆえ、治療内容と危険性を良く理解された上で、この治療法を選択するかどうかを判断していただきたいと思います。



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アルキル化剤の一覧

2009-01-04 17:15:51 | おくすり
アルキル化剤の一覧

アルキル化剤はマスタードガスの研究から開発された、細胞障害性抗がん剤の代表的な薬です。 現在2次発ガンの可能性が議論されています。 治療方法が発展して、治療後の寿命が延びたので、問題になってきているようです。



治療関連性のAMLと骨髄異形成症候群 (AML and myelodysplastic syndromes, therapy-related) は、アルキル化薬によるもので、投与後5~6年で骨髄異形成症候群をへて急性骨髄性白血病へと移行する、と言われている。



アルキル化剤はアルキル基と呼ばれる原子のかたまりをがん細胞のDNAに付着させ、らせん状にねじれた二本のDNAを異常な形で結合させて、DNAのコピーができないようにします。

アルキル化基が結合した状態でがん細胞が分裂・増殖しようを続けようとすると、DNAがちぎれてしまうため、がん細胞は死滅してしまいます。

アルキル化剤は体内で一定の濃度に達すると作用し、白血病や悪性リンパ腫などに特に効果が認められていますが、骨髄抑制などの副作用が強いことも知られています。

イホスファミド(イホマイド)
シクロホスファミドと似た構造を持つアルキル化剤です。シクロホスファミドが効かなくなった人にも効果が認められますが、効力が弱いため、4倍の投与量が必要とされています。

シクロホスファミド(エンドキサン)
シクロホスファミドは世界中で最もよく用いられている抗がん剤の一つです。小細胞肺がんに対するCAV療法や悪性リンパ腫に対するCHOP療法などの中心薬剤として使われるほか、単独で用いられることもあります。

ダカルバジン(ダカルバジン)
がん細胞の遺伝子DNAの複製を阻害するアルキル化剤で、細胞の分裂周期には無関係に作用します。メラノーマ(悪性黒色腫)に最も有効であり、ほかにはホジキン病、軟部肉腫などにも効果があるとされています。

テモゾロミド(テモダール)
脳血液関門を通過できる新しい経口タイプのアルキル化剤です。現在世界70カ国以上で承認されており、日本でも2006年9月に保険診療で使えるようになりました。

ニムスチン(ニドラン)
脳腫瘍に有効なニトロソウレア系の抗がん剤です。この系統の薬は分子量が小さいため、脳血管の特殊構造(血液脳関門)を通過して脳に入ることができます。

ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン)
内服剤は、慢性骨髄性白血病に用いられますが、完治に至るのは困難です。2006年10月に認可された注射剤(ブスルフェクス)は、造血幹細胞移植の前処置として、大量投与されます

プロカルバジン(塩酸プロカルバジン)
がん細胞がDNAやRNA、たんぱく質を合成するのを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。

メルファラン(アルケラン)
多発性骨髄腫では、プレドニゾロンを併用するMP療法が行われています。また白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、小児固形がんの造血幹細胞移植の前処置にも投与されます。

ラニムスチン(サイメリン)
ニトロソウレア系のアルキル化剤。多発性骨髄腫や慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫などの多剤併用療法に用いられるほか、血液脳関門を通過しやすいため、脳腫瘍の治療にも用いられます。
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ドキソルビシン

2008-09-12 18:38:44 | おくすり
ドキソルビシン(抗がん性抗生物質)アドリアシン(協和発酵)

最も代表的な抗がん性抗生物質のひとつで、抗がん剤全体を代表する薬の一つです。がん細胞のDNA合成を妨げるほか、DNAを切断してがん細胞を殺します。
悪性リンパ腫のCHOP療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)をはじめとして、抗がん剤治療の中心薬として広く用いられています。

適応となるがん
悪性リンパ腫、肺がん、胃がん、胆嚢・胆管がん、膵臓がん、肝臓がん、大腸がん、乳がん、膀胱がん、子宮体がん、骨肉腫、多発性骨髄腫、各種の小児がん。

主な副作用
吐き気・嘔吐の発生頻度が、シスプラチンに次いで高いとされています。骨髄抑制や脱毛が起こりやすい薬でもあります。また、心臓に障害を与えやすいのも特徴の1つで、総投与量が多いほど、発生頻度も重症度も高くなります。

使用上の注意点
アントラサイクリン系薬であるドキソルビシンは、ほかの同種の薬、および胸部放射線治療と併用すると心臓障害が増強することがあります。


http://www.anticancer-drug.net/antibiotic/doxorubicin.htm

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ミトキサントロン

2008-09-12 18:37:45 | おくすり
ミトキサントロン(抗がん性抗生物質) ノバントロン(ワイス、武田薬品工業)

ドキソルビシンに似た抗がん剤として開発されました。DNAの螺旋構造に入り込んでその合成を阻害するとともに、トポイソメラーゼⅡの働きを抑制してがん細胞を死滅させます。ほかの抗がん剤が効かなくなった場合にも、効果を発揮することがあります。

適応となるがん
急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、悪性リンパ腫、乳がん、肝臓がん

主な副作用
骨髄抑制、発熱、食欲不振、脱毛、唇や口腔内の乾燥、アレルギー症状などが現れます。ほかの抗がん剤の一般的な副作用としてよくみられる吐き気・嘔吐は比較的軽いとされています。

使用上の注意点
ほかの抗がん剤や放射線療法と併用した際に、副作用が強く現れる恐れがあります。例えば胸部への放射線照射と併用すると、心臓障害が強まる恐れがあります

http://www.anticancer-drug.net/antibiotic/mitoxantrone.htm



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ロセフィン

2008-07-24 19:19:46 | おくすり
ロセフィン 抗生物質 セフトリアキソンナトリウム(CTRX)

効果・効能
・細菌を殺し、感染症を治療する薬剤です。(とくに扁桃炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎、中耳炎、尿路感染症などによく使います。)(セフェム系抗生物質)

気をつけてほしい副作用
・以前に抗生物質に対してアレルギーをおこしたことのある方は、使用できないか、慎重な使用が必要ですので、医師や看護師に伝えて下さい。


注意してほしいこと

・点滴中に、薬のアレルギーによると思われる不快感、口の異常感、咳こみ、喘鳴(ゼーゼーとした呼吸)など、異常な症状がおきたら投与を中止しますので、すぐに看護婦などに伝えて下さい。

・点滴での治療は、症状や検査結果の程度などを考慮して行います。また、外来での適切な治療のために、1日2回受診していただいたり、数日続けて受診していただくことがあります。

メーカー 日本ロシュ



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ロキソニン錠

2008-07-22 23:38:41 | おくすり
一般名: ロキソプロフェンナトリウム
製品例: ロキソニン錠、ロキソニン細粒、オロロックス内服液60mg
区分 : 解熱鎮痛消炎剤/プロピオン酸系/鎮痛・抗炎症・解熱剤


概説 腫れや痛みをやわらげ、熱を下げるお薬です。


作用 【働き】
炎症をしずめて、腫れや発赤、痛みなどの症状をおさえます。熱を下げる作用もあります。ただし、対症療法薬ですので、熱や痛みの原因そのものを治すことはできません。


【薬理】
炎症や発熱を引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の生合成を抑制します。プロスタグランジン(PG)の合成酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX)」を阻害することによります。

特徴 この薬の仲間は「非ステロイド抗炎症薬(NSAID)」と呼ばれ、いろいろな痛みに広く用いられています。なかでも、このロキソプロフェンは安全性が高く効き目もよいので、一番よく使われています。熱やノドの痛みをともなうカゼにも使います。

化学構造的には、プロピオン酸系に分類されます。解熱、鎮痛、消炎作用を均等にもち、比較的副作用の少ない系統です。

体の中に入ってから活性化し効力を発揮するプロドラッグです。胃腸の副作用が軽減されています。

注意 【診察で】
胃腸の悪い人、腎臓や肝臓の悪い人、そのほか持病のある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
喘息やアレルギーのある人も医師に報告しておいてください。
妊娠中の人は、医師にお伝えください。


【注意する人】
鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことのある人は飲んではいけません(アスピリン喘息の人)。胃潰瘍など消化性潰瘍のある人も基本的には避けます(特別な胃薬と併用して用いることがあります)。そのほか、血液の病気、肝臓病、腎臓病、心臓病、喘息などの人も病状により使用できない場合があります。副作用のでやすい高齢の人も慎重に用います。

適さないケース..アスピリン喘息、消化性潰瘍のある人、重い血液の病気、重い肝臓病、重い腎臓病、重い心臓病(心不全)、妊娠末期の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
市販薬も含め、他の薬との飲み合わせに注意が必要です。抗凝血薬のワルファリン、リウマチの薬のメトトレキサート(リウマトレックス)、気分安定薬のリチウム(リーマス)、キノロン系抗菌薬、糖尿病の薬、チアジド系利尿薬など多くの薬と相互作用を起こす可能性があります。服用中の薬は忘れずに医師に報告しておきましょう。

飲酒は控えめにしてください。多量のアルコールは、胃や肝臓の副作用をでやすくします。


【使用にあたり】
食後すぐに多めの水(コップ1杯)でお飲みください。頓服の場合も、できるだけ食後にあわせて飲んだほうがよいでしょう。もし、空腹時に飲む場合は、軽食をとるか牛乳で飲めば、胃の負担が軽くてすみます。

カゼでは頓服が原則です。頓服の指示がある場合は、症状のひどいときだけ使用してください。よくなってきたら、早めに中止したほがよいでしょう。

肩こりや腰痛、外傷などで使用している場合、漫然と続けず、痛みの程度により、減量や中止を考慮する必要があります。症状がよくなったら、継続の可否についても医師とよく相談してみてください。リウマチなど慢性的な炎症疾患は別として、鎮痛薬の安易な長期服用は好ましくありません。

慢性関節リウマチでは、よい効果がでるまでに2~4週間くらいかかることがあります。指示された期間続けるようにしてください。


【妊娠授乳】
妊娠中はできるだけ控えます。どうしても必要な場合は、必要最小限の範囲で用います。妊娠末期の長期連用は避けなければなりません。

【その他】
胃の副作用を予防するのに、胃腸薬が処方されることがあります。
他の人、とくに子供には代用しないでください。
カゼなど感染症による発熱やノドの腫れは、ばい菌を殺菌駆除するための自然な防御システムです。これを薬で無理に抑えれば、かえって病気そのものの治りを遅らせてしまうことさえあります。とくにインフルエンザなどウイルス性の病気では、むやみに熱を下げればよいというものではありません。

効能
【効能A】
次の疾患並びに症状の消炎・鎮痛//関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛 手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎

【効能B】
次の疾患の解熱・鎮痛//急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

用法
【効能A】
通常、成人はロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mg、1日3回経口服用する。頓用の場合は、1回60~120mgを経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の服用は避けさせることが望ましい。


【効能B】
通常、成人はロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大180mgを限度とする。また、空腹時の服用は避けさせることが望ましい。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用 もっとも多い副作用は胃腸症状です。重症化することはまれですが、胃潰瘍など消化性潰瘍にも念のため注意が必要です。とくに高齢の人、あるいは服用が長期になるときは気をつけてください。

人によっては発疹ができたり、喘息発作を起こすおそれがあります。アレルギー体質の人や、もともと喘息のある人は注意してください。

そのほか、腎臓や肝臓の働きが悪くなってくることがあります。リウマチなどで長期に服用する場合は、定期的に肝機能や腎臓の検査、また胃の検診を受けるとよいでしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

消化性潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、下血(血液便、黒いタール状の便)、吐血(コーヒー色のものを吐く)。

腎臓の重い症状..発熱、発疹、だるい、吐き気、むくみ、尿の濁り、血尿、頻尿、尿が少ない・出ない、側腹部痛、腰痛。

肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。

重い皮膚症状..高熱、ひどい発疹・発赤、唇や口内のただれ、のどが痛い、水ぶくれ、皮がむける、強い痛み、目の充血。

喘息発作の誘発..咳き込む、ゼーゼー・ヒューヒュー息をする、息苦しい。
心不全..息苦しい、胸が苦しい、疲れやすい、むくみ、体重増加。
ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。

無菌性髄膜炎..発熱、頭痛、吐き気、吐く、首の硬直、意識がうすれる

【その他】
胃痛・腹痛、吐き気、吐く、食欲不振、口内炎。
発疹、じんま疹。
むくみ、肝臓や腎臓の働きが落ちる。


http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1149019.html




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ノイトロジン注

2008-06-27 07:55:21 | おくすり
ノイトロジン注
商品名 ノイトロジン注 メーカー 中外

処方目的・適応

(1)造血幹細胞の末梢血中への動員/(2)造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進/(3)がん化学療法による好中球減少症/(4)骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症/(5)再生不良性貧血に伴う好中球減少症/(6)先天性・特発性好中球減少症/(7)HIV感染症の治療に支障を来す好中球減少症/(8)免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症

使用上の注意 - ノイトロジン注
----------------------------------------------------------------
一般的注意
(1)使用してはいけない場合……本剤の成分または他の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤に対するアレルギー/骨髄中の芽球が十分減少していない骨髄性白血病,および末梢血液中に骨髄芽球が認められる骨髄性白血病
(2)慎重に使用すべき場合……薬物過敏症の前歴/アレルギー素因のある人/肝・腎・心肺機能の高度な障害
(3)その他…… 
・〈妊婦→回避〉〈小児→未確立〉
・(3)定期検査……使用中は定期的に血液検査を受ける必要があります。の一般的注意を参照

副作用の注意
重大な副作用
(1)ショックがおこることがあります。
(2)間質性肺炎がおこることがあります。
(3)急性骨髄性白血病・骨髄異形成症候群の人で,芽球の増加を促進することがあります。
(4)急性呼吸窮迫症候群がおこることがあります。
(5)造血幹細胞の末梢血中への動員を目的としてドナーおよび患者に本剤を使用する場合に,脾破裂が発現する可能性があります。

その他副作用
(1)おこることがある副作用……好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet症候群など),皮疹・発疹,かゆみ,じん麻疹/吐きけ・嘔吐,食欲不振,下痢,腹痛/骨痛,腰痛,腰背部痛,胸部痛/呼吸困難/動悸,むくみ,発熱,頭痛,倦怠感
(2)検査などでわかる副作用……血小板減少/AST・ALT・AL-P・LDH・ビリルビン上昇/肺水腫,低酸素血症,胸水/CRP上昇,尿酸上昇

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ザイロリック

2000-05-30 14:36:59 | おくすり
ザイロリック (アロプリノール)



尿酸生成抑制薬である。すなわち、がん細胞が壊れると核酸からヒポキサンチンが生じ、これがキサンチン酸化酵素により尿酸へ代謝され尿中へ排泄される。尿酸は酸性では溶けにくく、アルカリ性でよく溶ける。このアルカリでの溶解度は尿酸よりヒポキサンチンでより高い。

そこで過剰に壊れた核酸代謝産物をうまく尿中へ排泄させるには、ヒポキサンチン酸化酵素をアロプリノールで阻害して尿酸の産生を抑え、また、過剰に産生されたヒポキサンチンや尿酸をアルカリ状態において溶解度を高め、それらの析出・沈着による腎への傷害を抑えることが肝要になる。


アロプリノールの保険適応は一般には痛風、ならびに高尿酸血症を伴う高血圧症であるが、小児がんを含む悪性腫瘍の治療では急速な悪性腫瘍細胞(白血病細胞など)が治療により急速に崩壊することにより生じる腫瘍崩壊症候群 tumor lysis syndromeを予防するための予防治療薬として必須のものである。錠剤で50mg錠と100mg錠がある。成人では一日200-300mgを2ないし3回に分服する。


腫瘍崩壊症候群では腫瘍量の急激な減少に伴い、高カリウム血症、低カルシウム血症、高尿酸血症、高Al-P血症等があらわれ、急性腎不全を呈する。重篤な場合、死亡例や透析が必要となった例も報告されている。血液中に大量の腫瘍細胞がある場合(例えば小児の急性リンパ性白血病では初診時の白血球数が5万/μl以上)、臓器浸潤のある例、最初から腎機能の低下がある、あるいは血清中尿酸やリン(P)値が高いといった例では初回治療開始は十分注意した上で、治療に入る必要がある。

腫瘍崩壊症候群は治療開始後12~24時間以内に高頻度に認められるので、このような例では治療直後から翌日まで尿量、尿pH, 血清中LDH, 電解質(Na, K, Cl, P, Ca)濃度及び腎機能検査(血清中クレアチニン、BUN、尿酸値など)、心電図などをチェックし、患者の一般状態を十分観察しながら治療を進める必要がある。

腫瘍崩壊症候群の発症は腫瘍細胞の薬剤に対する感受性に依存するので、治療内容が非常に強力な多併用化学療法でなくても急性リンパ性白血病ではステロイド剤単独の治療でも生じたとする報告があり、また、最近では悪性リンパ腫にリツキサンを投与した際にも生じたとする報告がある。

上記の発症機序から考え、腫瘍崩壊症候群の予防には十分な水分補給、尿のアルカリ化とアロプリノール(ザイロリック、アロシトール)投与が必要である。われわれが用いている方法は治療開始12時間まえから開始する。

(1)ソリタT3 500mlを3,000ml/m2/dayで持続点滴する。

(2)メイロン(炭酸水素ナトリウム)を0.1-0.2ml/kg/hrで持続点滴する。

(3)ダイアモックス 125mg(6歳未満)、250mg(6歳以上)を1日2回内服あるいは靜注で投与する。

アロプリノールは300mg/m2/dayを分3で内服させる。このような手段により、尿中尿酸濃度を下げ、尿のpHを7.0-7.5に保つ(通常では尿のpHは6.5以下)。なお、ダイアモックス(アセタゾラミド)は利尿薬の一つであるが、炭酸脱水酵素抑制薬で尿をアルカリ化させる作用がある。

最近、新たにRasburicaseという薬剤が出ている。わが国では未承認である。このラスブリカーゼはアロプリノールのそれとは作用機序が異なり、遺伝子組み換え尿酸酸化酵素(urate oxidase)である。すなわち、尿酸を分解する薬剤である。新薬であるため高価でこれまで使われてきたアロプリノール治療に比べると9,000倍も医療費がかかることが欠点とされている。



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ソリタ-T3号G

2000-05-30 14:21:43 | おくすり
ソリタ-T3号G


薬効 3319 その他の血液代用剤
一般名 維持液 英名 Solita-T No.3G
剤形 注射液 薬価 159.00
規格 200mL1瓶 メーカー 味の素



効能・効果 エネルギー補給、経口摂取不能又は不十分の水分・電解質の補給・維持




禁忌病名

1. 乳酸血症、アジソン病、高カリウム血症、高窒素血症、重症熱傷、乏尿 記載場所: 使用上の注意
注意レベル: 禁止

2. 高カリウム血症を伴わない腎不全、心不全、重篤な肝障害、閉塞性尿路疾患により尿量が減少、糖尿病 記載場所: 使用上の注意
注意レベル: 慎重投与




副作用等

1. 脳浮腫、肺水腫、末梢浮腫、水中毒、高カリウム血症 記載場所: その他の副作用
頻度: 頻度不明





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メイロン84

2000-05-30 14:20:21 | おくすり
メイロン84

一般名 炭酸水素ナトリウム注射液 英名 Meylon
剤形 注射液 薬価 97.00
規格 8.4%20mL1管 メーカー 大塚製薬工場


効能・効果 アシドーシス、メニエル症候群の悪心、メニエル症候群の嘔吐、メニエル症候群の眩暈、急性蕁麻疹、動揺病の悪心、動揺病の嘔吐、動揺病の眩暈、内耳障害の悪心、内耳障害の嘔吐、内耳障害の眩暈、薬物中毒<pHの上昇により尿中排泄の促進される薬物に限る>の排泄促進






禁忌病名
1. 心停止、欝血性心不全、重症高血圧症、腎障害、肺浮腫、末梢浮腫、妊娠中毒症、低カルシウム血症、低カリウム血症 記載場所: 使用上の注意
注意レベル: 慎重投与

2. 心肺蘇生時 記載場所: 使用上の注意
注意レベル: 注意







副作用等
1. アルカローシス、高ナトリウム血症、低カリウム血症、凝固時間延長、テタニー、口唇しびれ感、知覚異常、血管痛、発熱、全身冷感、不快感、貧血、悪心、徐脈 記載場所: その他の副作用
頻度: 頻度不明

2. 細胞内アシドーシス、頭蓋内出血、炎症、壊死、血管痛 記載場所: 使用上の注意
頻度: 頻度不明




配合変化
1. グループ名: カルシウム塩を含む製剤 発現事象: 沈殿
理由・原因: カルシウムイオン
投与条件:
指示: 禁止


2. グループ名: 他の注射剤<注射用水や5%ブドウ糖注射液を除く> 発現事象: 配合変化
理由・原因: 本剤はアルカリ性
投与条件:
指示: 注意



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ラシックス錠

2000-05-30 14:17:38 | おくすり
ラシックス錠

商品名 ラシックス メーカー サノフィ・アベンティス
保険薬価 4% 1g 19.30円
20mg 1錠 10.00円
40mg 1錠 17.60円 海外評価 5.5点

1日量 40~80mg1回【徐放】40~80mg1~2分服
分類 利尿降圧薬>ループ利尿薬>ループ利尿薬〔フロセミド〕





処方目的・適応
[フロセミドの適応症]高血圧症(本態性,腎性など),悪性高血圧/心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫,末梢血管障害による浮腫/月経前緊張症/尿路結石排出促進






解説
 腎臓で尿中の水分が再吸収されますが,本剤の代表である,フロセミドは,ヘンレのループ上行脚と呼ばれる部分に作用し,水分の再吸収を阻害して尿量を増やすため,「ループ利尿薬」と呼ばれています。

 エタクリン酸,ブメタニド,ピレタニドは,フロセミドとは構造的にはかなりかけはなれていますが,作用の現れ方が同じため,同様にループ利尿薬と呼ばれます。






使用上の注意 - ラシックス
一般的注意

*フロセミド(ラシックス)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……無尿状態/肝性昏睡/体液中のナトリウム,カリウムが
明らかに減少している人/スルフォンアミド誘導体に対するアレルギーの前歴

(2)慎重に服用すべき場合……進行した肝硬変,肝疾患,肝機能障害/重い冠硬化症または脳動脈硬化症/重い腎機能障害/本人または両親,兄弟に痛風,糖尿病のある人/下痢・嘔吐のある人/手術前/ジギタリス製剤・糖質副腎皮質ホルモン薬・ACTHまたはグリチルリチン製剤の服用中/減塩療法中/乳児,高齢者

(3)その他……
・〈妊婦→未確立・有益のみ〉〈授乳婦→回避・授乳中止〉〈危険作業→注意〉

(3)服用時間……夜間の休息が特に必要な人は,本剤による夜間の排尿を避けるため,午前中に服用するようにしてください。

(5)定期検査……連用すると電解質失調がおこることがあるので,定期的に血液や電解質(ナトリウム,カリウム,カルシウムなど)の検査を受ける必要があります。





副作用の注意
重大な副作用

(1)ショック(脈拍の異常,呼吸困難,顔面蒼白,血圧低下など),アナフィラキシー様症状(不快感,呼吸困難,全身潮紅,じん麻疹など)がおこることがあります。

(2)再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,赤芽球癆がおこることがあります。

(3)難聴がおこることがあります。

(4)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),水疱性類天疱瘡が現れることがあります。

(5)低カリウム血症を伴う心室性不整脈が現れることがあります。

(6)間質性腎炎がおこることがあります。





その他副作用
(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,じん麻疹,発赤,光線過敏症)

(2)すぐに処方医に連絡する副作用……
貧血,白血球・血小板減少/低ナトリウム血症,低カリウム血症,低カルシウム血症,代謝性アルカローシス,高尿酸血症,高血糖症/黄疸,肝機能異常/BUN・クレアチニン上昇

(3)次回,受診した際に処方医に伝える副作用……食欲不振,下痢,悪心・嘔吐,口渇,膵炎(アミラーゼの上昇)/めまい,頭痛,知覚異常,聴覚障害/脱力感,倦怠感,起立性低血圧,筋けいれん,味覚異常,発熱





他の薬剤使用時の注意
(1)本剤との併用で作用が強まる薬剤……(1)他の利尿降圧薬→降圧作用が強まるおそれがあります。(2)セファロスポリン系やアミノ配糖体抗生物質など腎毒性のある抗生物質→毒性を強めるので,抗生物質の服用を受けるときは本剤の服用中であることを伝えてください。(3)ジギタリス製剤→心臓に対する作用を強めるおそれがあります。(4)炭酸リチウム製剤→腎臓での再吸収を促進します。

(2)本剤との併用で作用が著しく弱まる薬剤……経口糖尿病薬(トルブタミド)

(3)併用するとおこりやすい副作用……ストレプトマイシン,カナマイシンやシスプラチン(抗がん薬)など→聴力障害/副腎皮質ステロイド薬→低カリウム血症

(4)併用で注意すべきその他の薬剤……(1)サリチル酸誘導体→毒性が発現するおそれがあります。(2)尿酸排泄促進薬→作用が弱まります。(3)非ステロイド系解熱鎮痛薬→本剤の利尿作用が弱まります。(4)カルバマゼピン→症候性低ナトリウム血症がおこるおそれがあります。(5)糖質副腎皮質ホルモン薬・ACTH・グリチルリチン製剤→過剰なカリウム放出のおそれがあります。




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エンドキサンP

2000-05-30 14:14:33 | おくすり
エンドキサンP

商品名 エンドキサンP メーカー 塩野義
保険薬価 50mg 1錠 42.30円 海外評価 5.5点
分類 アルキル化剤>シクロホスファミド>シクロホスファミド(劇)



処方目的・適応

(1)次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解→多発性骨髄腫,悪性リンパ腫(ホジキン病,リンパ肉腫,細網肉腫),乳がん,急性白血病,真性多血症,肺がん,神経腫瘍(神経芽腫,網膜芽腫),骨腫瘍

(2)次の疾患については他の抗腫瘍薬と併用されます→慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,咽頭がん,胃がん,膵がん,肝がん,結腸がん,子宮頸がん,子宮体がん,卵巣がん,精巣がん,睾丸腫瘍,絨毛(じゅうもう)性疾患(絨毛がん,破壊胞状奇胎,胞状奇胎),横紋筋肉腫,悪性黒色腫





◆警告◆本剤とペントスタチンを併用してはいけません。外国で,錯乱,呼吸困難,低血圧,肺水腫などが現れ,心毒性により死亡した例が報告されています。





使用上の注意 - エンドキサンP
一般的注意

(1)服用してはいけない場合……ペントスタチンの使用中/本剤の成分に対する重いアレルギーの前歴

(2)慎重に服用すべき場合……肝機能障害/腎機能障害/骨髄機能抑制/感染症の合併/水痘/高齢者

(3)頻回に検査……重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,尿,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。

(4)尿量の増加……出血性膀胱炎を防ぐため尿量の増加をはかってください。

(5)水痘……水痘(水ぼうそう)の人が服用すると,致命的な全身状態が現れることがあるので,状態に十分注意してください。

(6)感染症,出血傾向……服用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。

(7)二次発がん……本剤を長期服用した人に,急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS),膀胱腫瘍,悪性リンパ腫,腎盂(う)・尿管腫瘍などが発生したとの報告があります。

(8)その他……
・〈妊婦→回避〉〈授乳婦→回避・授乳中止〉〈小児→未確立〉




副作用の注意
重大な副作用

(1)血圧低下,呼吸困難,じん麻疹,喘鳴(ぜんめい),不快感などで始まるショック,アナフィラキシー症状がおこることがあります。

(2)汎血球減少,貧血,白血球減少,血小板減少,出血などの骨髄機能抑制がおこることがあります。

(3)出血性膀胱炎や排尿障害がおこることがあります。

(4)イレウス(腸閉塞)や胃腸出血が報告されています。

(5)心筋障害や心不全がおこることがあります。

(6)間質性肺炎,肺線維症がおこることがあります。

(7)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)がおこることがあります。





その他副作用

(1)おこることがある副作用……アレルギー症状(発疹)/脱毛,皮膚炎,色素沈着,爪の変形・変色/黄疸/むくみ/悪心・嘔吐,食欲不振,味覚異常,口渇,潰瘍性口内炎,胸やけ,おくび,腹部膨満感,腹痛,便秘,下痢/倦怠感,頭痛,めまい,不眠,運動失調/心悸亢進/無月経/発熱,創傷の治癒遅延

(2)検査などでわかる副作用……肝機能障害,コリンエステラーゼ低下/低ナトリウム血症,乏尿による尿浸透圧の上昇,タンパク尿/心電図異常/肺水腫/低血圧/副腎皮質機能不全,甲状腺機能亢進/無精子症,卵巣機能不全/高血糖/CK上昇





他の薬剤使用時の注意
(1)本剤と併用してはいけない薬剤……ペントスタチン→錯乱,呼吸困難,低血圧,肺水腫などが現れ,心毒性により死亡した例が報告されています。

(2)併用すると相互に骨髄機能抑制などの副作用が強まる薬剤・療法……他の抗がん薬,アロプリノール/放射線照射

(3)併用すると本剤の作用を強める薬剤……フェノバルビタール

(4)併用すると本剤の作用を弱める薬剤……副腎皮質ステロイド薬,クロラムフェニコール

(5)本剤との併用で作用が強まる薬剤……インスリン,オキシトシン

(6)本剤との併用で作用が弱まる薬剤……バソプレシン




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アドリアシン注

2000-05-30 14:11:27 | おくすり
アドリアシン注

商品名 アドリアシン注 メーカー 協和
分類 抗生物質>アントラサイクリン系抗生物質>塩酸ドキソルビシン(劇)




処方目的・適応

[塩酸ドキソルビシンの適応症](1)通常療法:次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解→悪性リンパ腫(細網肉腫,リンパ肉腫,ホジキン病),肺がん,消化器がん(胃がん,胆のう・胆管がん,膵がん,肝がん,結腸がん,直腸がんなど),乳がん,骨肉腫,膀胱腫瘍,骨肉腫/(2)次の疾患に対する他の抗がん薬との併用療法→乳がん(手術可能例の術前・術後化学療法),子宮体がん(術後化学療法,転移・再発時化学療法),悪性骨・軟部腫瘍,悪性骨腫瘍,多発性骨髄腫,小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍,横紋筋肉腫,神経芽腫,網膜芽腫,肝芽腫,腎芽腫など)

[塩酸エピルビシン]次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解→急性白血病,悪性リンパ腫,乳がん,卵巣がん,胃がん,肝がん,尿路上皮がん(膀胱がん,腎盂・尿管腫瘍)

[塩酸ピラルビシン]次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解ならびに改善→頭頸部がん,乳がん,胃がん,尿路上皮がん(膀胱がん,腎盂・尿管腫瘍),卵巣がん,子宮がん,急性白血病,悪性リンパ腫

[塩酸ダウノルビシン]急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)

[塩酸アクラルビシン]以下の疾患の自覚的・他覚的症状の寛解および改善→胃がん,肺がん,乳がん,卵巣がん,悪性リンパ腫,急性白血病

[塩酸イダルビシン]急性骨髄性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)

[塩酸アムルビシン]非小細胞肺がん,小細胞肺がん





(1)「塩酸イダルビシン」を使用したすべての人に強い骨髄機能抑制がおこり,感染症や出血などによって,本剤に関連したと考えられる死亡例が認められています。「塩酸アムルビシン」の使用によって,本剤との因果関係が否定できない間質性肺炎の悪化,あるいは重い骨髄機能抑制に起因する重い感染症(敗血症,肺炎など)の発現による死亡例が報告されています。
(2)がん化学療法は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。





使用上の注意 - アドリアシン注
一般的注意

*塩酸ドキソルビシン(アドリアシン注)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……心機能異常またはその前歴/本剤の成分に対する重いアレルギーの前歴

(2)慎重に使用すべき場合……骨髄機能抑制/肝機能障害/腎機能障害/感染症の合併/水痘/高齢者

(3)頻回に検査……骨髄機能抑制,心筋障害などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,肝機能,腎機能,心機能などの検査を受ける必要があります。

(4)尿の色……本剤の尿中排泄により,尿が赤色になることがあります。

(5)その他…… 
・〈妊婦→回避〉〈授乳婦→未確立・授乳中止〉〈低出生体重児・新生児→未確立〉
・水痘……水痘(水ぼうそう)の人が使用すると,致命的な全身状態が現れることがあるので,状態に十分注意してください。
・感染症,出血傾向……使用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
・性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。以上の一般的注意を参照





副作用の注意
重大な副作用

(1)心筋障害,心不全がおこることがあります。

(2)汎血球減少,貧血,白血球減少,血小板減少などの骨髄機能抑制,出血がおこることがあります。

(3)ショックがおこることがあります。

(4)膀胱腔内注入によって萎縮膀胱がおこることがあります。




その他副作用
(1)おこることがある副作用……頻脈,不整脈,胸痛/食欲不振,悪心・嘔吐,口内炎,下痢/脱毛,色素沈着/アレルギー症状(発疹)/倦怠感,頭痛/膀胱腔内注入療法による頻尿・残尿感・排尿痛・膀胱炎・血尿/気胸・血胸(肺転移の場合)/発熱,鼻出血

(2)検査などでわかる副作用……心電図異常/肝機能障害/タンパク尿




他の薬剤使用時の注意
(1)併用すると心筋障害が強まる薬剤・療法……投与前の心臓部・縦隔への放射線照射/潜在的に心毒性を持つ抗がん薬(アントラサイクリン系薬剤など)
(2)併用すると相互に骨髄機能抑制などの副作用が強まる薬剤・療法……他の抗がん薬/放射線照射




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