Harukoの濾胞性リンパ腫日記【B細胞 Ⅳ期 B症状 50歳代後半 】 2008年4月28日~

悪性リンパ腫の入院日記。多くのリンパ腫病のうち濾胞性(低悪性)リンパ腫の総合情報サイトを目指して行きます。

血液の「がん」悪性リンパ腫 遺伝子検査で再発予測できる

2011-02-15 16:30:53 | よもやま話
血液の「がん」悪性リンパ腫 遺伝子検査で再発予測できる

J-CASTニュースによると悪性リンパ腫の再発予測が出来るようになったとの報道がありました。

http://www.j-cast.com/2011/02/09087673.html 2011/2/ 9 14:57

再発のタイミングをあらかじめ知る事が出来そうです。
また、ステージI ぐらいで完治したとされる方にも朗報です。

====== 以下引用 =========================================
血液中の特殊な遺伝子の量から悪性リンパ腫の病状の変化を予測する方法を日本の研究グループが開発した。抗がん剤が効き症状も消えて画像でもがんが見えなくなった時期に使う。患者にとっては完治したのか、再発があるのか、不安にかられる時期だ。この方法で的確に再発の可能性の有無を判断できることになれば、治療方針が的確に立てられるわけで関係者の期待は大きい。

血中のマイクロRNAを計るだけ
開発したのは東京医科大学分子病理学の黒田雅彦(くろだ・まさひこ)教授、血液内科の大屋敷一馬(おおやしき・かずま)教授らのグループ。

カギを握るのは、「マイクロRNA」(マイクロ・アール・エヌ・エー)と呼ばれる細胞内にある小さな断片の遺伝子。正常な細胞やがん細胞から血液の中に出てくるものだけで約300種類も知られているが、本格的な研究は数年前に始まったばかりだ。本来の遺伝子DNA(ディー・エヌ・エー)の長い鎖のごく一部の働きをコントロールする機能がある。世界中で研究が進んでいるが、まだ医療現場で役立つほどのものは出ていない。今回の成果は世界に先駆けての実用化例として注目を集めそうだ。

悪性リンパ腫の患者は特定のマイクロRNAが健康人に比べて極端に少なく、ほぼゼロになることを東京医大グループが見つけた。治療で症状が消えると量が増える。半年以上の経過観察の結果、健康人並みの値が続いた33人はうち2人しか再発しなかったのに対し、値が低かった20人からはうち10人が再発した。

「2、3か月ごとに検査し、再発の可能性を早めに予測するのに使えそうだ。再発が予測できれば骨髄移植など次の治療法の準備がしやすくなる。再発の可能性のない患者への過剰な治療も避けられる」と、大屋敷さんは話している。

患者の血液2ミリリットルから血清(上澄み液)を取り、遺伝子を検査する。マイクロRNAは安定なため、検査費も1回2700円と安上がりだ。東京医大病院は当面は研究費で検査を続けるが、患者から費用を徴収できる「先進医療」への指定を望んでおり、厚生労働省への申請準備を始めている。

(医療ジャーナリスト・田辺功)


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「つらい=良薬」と錯覚? 「口に苦い」偽薬は効く

2010-07-27 09:04:44 | よもやま話
新聞の「がんの最新治療を追う」と言う記事があったので、悪性リンパ腫とは関連がなかったのですが、眺めてみました。

そのコラムに、以下に引用したプラセボの記事がありました。 悪性リンパ腫もプラセボで良くなれば良いのですが、なかなかそうは行かないようです。

この記事で感じたのは、医者が強い治療をする傾向があること、また患者も強い治療を受けたがる場合もあると言うことです。 いくら口では完治しないと言っていても、どこかで完治したい、させたい、と言う気持ちが働くのでしょう。 またこれを一概に否定出来ないところに、がん治療、特に時間の経過が長い悪性リンパ腫の治療があるのではないでしょうか。

完治しない病気には、高血圧や糖尿病などの生活習慣病があります。 これらの病気は症状を抑えながら、通常の生活を送ることに最大の治療目標があります。 これと同じで、悪性リンパ腫の症状を抑えながら、つまり癌細胞が暴れださないようにコントールしながら、通常の生活を送ることを当面の目標とすべきでしょう。

そうは言っても、悪性リンパ腫では、リツキサンが出現するまでは、治療をしないと言う選択もあったのですが、こう言う選択はなかなか勇気の要ることだと思います。 こう言う場合は、プラセボ的な要するに効果がないと分かっている、治療を敢えて施すこともあるのではないかと思います。


=================================================

こころの健康学
日本経済新聞 2010年7月23日金曜日朝刊 9ページ(ライフ)
「つらい=良薬」と錯覚? 「口に苦い」偽薬は効く


 前回、プラセボ(偽薬)効果について書きながら、「良薬は口に苦し」という故事を思い出していた。これはもちろん、良い話は自分のためになるが、それだけ耳に痛い内容のことが多く、聞くのがつらいという意味だ。

 確かにその意味はわかるが、この言葉を文字通りに読むとプラセボ効巣の意味に理解できなくもない。薬を飲んだときに少し苦かったり飲みにくかったりする方が、いかにも良い薬を飲んでいるような気になって、それが効果につながることが多いからだ。

 こうした効果は、精神疾患の薬でも報告されている。プラセボの一種に、アクティブ・プラセボといわれるものがある。単なるプラセボが何の効果も副作用もない物質なのに対して、アクティブ・プラセボでは、効果はまったくないが、副作用だけは本当の薬と同じように表れる。効果の判定をしている本当の薬と同じように、吐き気や立ちくらみなどの副作用が出るようになっているのだ。

 アクティブ・プラセボをうつ状態の患者に飲んでもらうと、驚くことに単なるプラセボ以上の効果、本当の抗うつ薬に近い効果が出ることもある。副作用を感じた患者が、本当の薬に違いないと思う分、効果が上乗せされるのだ。

 こういう調査結果を見ると私たちの心の複雑さを感じる。脳の動きと働きについての研究はずいぶん進んできたが、まだまだわかっていないことがたくさん残っている。

(慶応義塾大学保健管理センター教授 大野 裕)


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穏和で優れた効果を持つフルダラとゼヴァリン

2009-12-24 22:58:43 | よもやま話
従来のサルベージ療法に比べ、穏和で優れた効果を持つフルダラとゼヴァリン
2つの新薬で大きく変わる悪性リンパ腫
監修:鵜池直邦 九州がんセンター血液内科部長
取材・文:柄川昭彦 (2009年05月号)

http://www.gsic.jp/cancer/cc_01/acd02/index.html


九州がんセンター 血液内科部長の鵜池直邦さん

悪性リンパ腫の中で最も患者さん数の多いB細胞腫瘍の治療は最近、大きな進歩を見せている。再発した場合に使用できる薬として、2007年にフルダラ(一般名フルダラビン)、2008年にゼヴァリン(一般名イブリツモマブチウキセタン)が承認されたからである。 この2つの新薬の治療開始から約1年が経過した今、どのように救いの道が開かれてきたのだろうか。

日本人に最も多いのはB細胞腫瘍
悪性リンパ腫は、リンパ球が悪性化する病気である。日本では高齢化に伴って増加する傾向にあり、現在、1年間に1万人ほどが発病している。

【中略】

[悪性リンパ腫の分類別の割合]
「ホジキンリンパ腫以外のB細胞腫瘍とT/NK細胞腫瘍を総称して、非ホジキンリンパ腫と言います。日本は欧米よりも非ホジキンリンパ腫の割合が多く、悪性リンパ腫全体の約9割を占めています。B細胞腫瘍とT/NK細胞腫瘍では、B細胞腫瘍のほうが多く、非ホジキンリンパ腫の6~7割を占めています。つまり、悪性リンパ腫の中で最も多いのがB細胞腫瘍ということになります」(鵜池さん)



B細胞型の非ホジキンリンパ腫の治療は、分子標的薬のリツキサン(一般名リツキシマブ)の登場によって大きく変わった。

リツキサンが日本で承認されたのは、2001年である。

「リツキサンは、B細胞腫瘍が特異的に持っているCD20という抗原に対する抗体です。体内のB細胞腫瘍を探し出して結合し、免疫の力で死滅させる働きをします。そのため、悪性リンパ腫の中でもB細胞腫瘍に対してしか効かないのです」(鵜池さん)

リツキサンが登場する以前は、化学療法のCHOP療法が行われていた。CHOP療法とは、エンドキサン(一般名シクロホスファミド)、アドリアシン(一般名ドキソルビシン)、オンコビン(一般名ビンクリスチン)、プレドニン(一般名プレドニゾロン)を併用する多剤併用療法である。

「リツキサンの登場で、B細胞腫瘍の治療はリツキサンとCHOP療法を併用するR-CHOP療法が標準治療となりました。それによって、治療成績は明らかに向上しました。ところが、リツキサンはT細胞腫瘍にもNK細胞腫瘍にも効果がないので、これらのタイプに対する治療は、現在でもCHOP療法が用いられることが多いのです」(鵜池さん)

B細胞腫瘍とT/NK細胞腫瘍の治療成績を比較すると、もともとT/NK細胞腫瘍のほうが治療成績はよくなかったが、リツキサンが登場することで、さらに差が開いたことになる。

T/NK細胞腫瘍、ホジキンリンパ腫の治療は、リツキサンが使えないという点で一致している。

そのため、リツキサンが登場する以前と、治療法はあまり変わっていないそうだ。



再発した場合に使用できる薬として、2007年にフルダラ(一般名フルダラビン)、2008年にゼヴァリン(一般名イブリツモマブチウキセタン)が承認されたからである。これらの薬はどのような場面で使われるのだろうか。

「B細胞腫瘍は、前述のとおり、進行の速さによって、低悪性度リンパ腫と中高悪性度リンパ腫に分類されます。低悪性度であれば、R-CHOP療法で80~90パーセントは完全寛解(悪性の病巣がすべて消失したと考えられる状態)になります。中高悪性度の場合、完全寛解になる割合は、それより10~15ポイント低い程度です。がんの悪性度によって多少の違いはありますが、B細胞腫瘍であれば、過半数は完全寛解になるわけです」(鵜池さん)

完全寛解になっても、悪性化した細胞が完全になくなったとは限らない。そのまま再発しなければ治癒したことになるが、再発してくるケースが多いのだ。

「完全寛解になっても、低悪性度は9割程度再発します。中高悪性度では6~7割くらいです。低悪性度は進行が遅く、1度は薬がよく効くのですが、そのほとんどが再発してしまいます。低悪性度のほうが再発しにくいように思えますが、そうではないのです」(鵜池さん)

R-CHOP療法で完全寛解に至っても、そのうちの多くは再発してしまう。完全寛解から再発までの期間はさまざまだが、2~3年のことが多いそうだ。

「フルダラやゼヴァリンが登場する以前は、再発した場合には、R-CHOP療法より強い化学療法が行われてきました。サルベージ療法と呼ばれる、これまで使用していない抗がん剤の組み合わせによる多剤併用療法です」(鵜池さん)

サルベージ療法はうまくいけばもう1度完全寛解に持ち込めるが、この治療の副作用は大変強く、患者さんにとっては辛い治療になる。R-CHOP療法で抜けていた毛髪がようやく生えてきたのに、また抜けてしまう。吐き気も発熱もある、といった具合だ。うまく完全寛解に持ち込めたとしても、また再発する可能性が高く、再発までの期間も短くなるのが一般的だ。

「これまで苦労してきた再発後の治療は、フルダラやゼヴァリンが登場したことで、大きく変わりました。これらの薬は副作用が軽いのに加え、フルダラは内服薬なので外来治療が可能、ゼヴァリンはたった2回注射するだけなので治療期間が短いという特徴があります。サルベージ療法としての多剤併用療法に比べてはるかに楽な治療なのに、完全寛解になる率が高く、次の再発までの期間も長くなるのです」(鵜池さん)

悪性リンパ腫の治療は、この2つの新薬の登場で、大きく変わったのである。

中高悪性度の場合には幹細胞移植も考える
低悪性度の再発にはフルダラやゼヴァリンが使えるが、中高悪性度の再発は適応外である。そこで、中高悪性度は年齢、病期、全身状態などから判断する国際予後因子(IPI)によって、予後を推測し、それに応じた治療法を選択することになる。

「予後が悪いと判断できた場合、最初の完全寛解後、患者さんが65歳未満であれば、引き続き、造血幹細胞(赤血球・白血球・リンパ球など、血液細胞の供給源となる細胞)の自家移植(自分の幹細胞を採って凍結保存しておき、それを用いて移植をする方法)が行われるようになっています。現在、この治療の効果を確認するための臨床試験が進行中です」(鵜池さん)

国際予後因子が比較的よい場合には、最初の治療で完全寛解になったところで治療を中止。再発したらサルベージ療法を行い、完全寛解になった時点で自家移植を行うのが標準治療になっている。この治療は欧米で臨床試験が行われ、すでにエビデンス(根拠)があるという。

フルダラは内服薬なので外来治療が可能になる
さて、進歩が著しい低悪性度B細胞腫瘍の最新治療に話を進めることにしよう。フルダラは、体内に入ると細胞の中に入り込み、核の合成を阻害することで、がん化した細胞を死滅させる。その働きは他の多くの抗がん剤と同じだが、多くの抗がん剤が分裂期の細胞に効果を発揮するのに対し、フルダラは静止期の細胞に働きかける。そのため、進行の遅い低悪性度のB細胞腫瘍に効果を発揮するのである。

「フルダラは単独で使うよりも、リツキサンを併用するほうがよりよい効果を発揮します。また、経口薬なので、外来でも治療が可能です。5日間連続服用し、休薬期間をはさんで、1ヵ月後にまた5日連続で服用します。これを最大6コースまで繰り返します。つまり、外来治療が可能なのですが、治療期間は比較的長くなります」(鵜池さん)

副作用は、従来のサルベージ療法には比べものにならない。吐き気などの消化器症状が出ることがあるが、程度は軽い。問題になるのは、リツキサンと併用した場合、免疫抑制状態が起きることがある点だ。治療後数年間は、ウイルス感染や真菌感染に注意する必要があるという。




[ゼヴァリンによる抗腫瘍効果]
ゼヴァリン(注射液)はユニークな薬である。リツキサンのような抗体薬に、イットリウム90という放射性同位元素(放射能をもつ同位元素)を抱合させた構造になっている。抗体部分はリツキサンと同様に、B細胞腫瘍がもつ抗原、CD20をターゲットにして細胞に取りつく。そして、イットリウム90から出る放射線が悪性細胞を攻撃する。

「普通の放射線療法は体外から照射しますが、ゼヴァリンは体の中で悪性細胞に取りついて、放射線を照射します。この治療を放射免疫療法と呼ぶのですが、ゼヴァリンは日本で唯一の放射免疫療法剤です」(鵜池さん)

体の中に放射性物質を入れて大丈夫なのだろうか、と心配になる人もいるだろう。しかし、イットリウム90は半減期(放射性元素の半分が崩壊する期間)が64時間と短く、放射されるのがベータ線(放射線の一種)なので到達距離がきわめて短い。

そのため、主に悪性細胞だけを攻撃することになり、副作用はごく軽いのが特徴だ。脱毛や吐き気などで患者さんを苦しめることはない。気をつけなければならないのは血小板減少で、日本人の場合、投与後数週~8週の間に、ほとんどの患者さんに現れるという。必要に応じて輸血などで対処する必要がある場合もある。

また、ゼヴァリンは特殊な薬だけに、投与は慎重に行われる。投与前にイットリウム90の代わりにインジウム111という放射性同位元素を抱合させた抗体を注射し、体内のどこに集まるかを画像検査でチェックする。それがリンパ節に集まっていればいいが、骨髄や正常臓器に集まっていたら、危険な有害事象(副作用)が起こる可能性があるので、治療を中止しなければならない。

このため、ゼヴァリンによる治療を行うために、血液内科医、放射線科医、薬剤師が、そろって専門の研修を受ける必要がある。安全に治療を進めるために、このような措置がとられている。

「ゼヴァリンは検査、治療と、計2回の注射が必要ですが、それですべてが終了となります。患者さんにとって、実に楽な治療ですね」(鵜池さん)

フルダラとゼヴァリン、どちらがより優れているか
[ゼヴァリンによるRI標識抗体療法の効果]
フルダラとゼヴァリンは、従来のサルベージ療法と比べ、優れた治療成績を残している。

「当院のゼヴァリンの治療経験では、再発患者さんの3分の2は完全寛解に入り、部分寛解まで入れると8割以上の人に効果がありました」(鵜池さん)

2つの新薬による治療はまだ始まったばかりなので、本当の実力がわかってくるのはこれからになるが、治療を受けた患者さんたちからは、「入院などの長期の治療が必要ない」「副作用が軽い」などの点が喜ばれているという。フルダラとゼヴァリンを比較して、どちらがより優れているか、という点については、現在、「ゼヴァリンVSリツキサン+フルダラ」という国際第3相臨床試験が進行中で数年後には結論が出る予定だ。

また、フルダラとゼヴァリンをどのような患者さんに使えばいいのか、という使い分けの方法も、今後明らかになっていくだろう。








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読売新聞記事「悪性リンパ腫の新薬」

2008-12-27 10:50:25 | よもやま話
悪性リンパ腫の新薬 再発治療 選択肢広がる

 年間9000人以上の命を奪う血液がんの一種、悪性リンパ腫は、比較的治りやすいものから治療が難しいものまで、20以上もの種類があるのが特徴だ。治療法もそれぞれ異なる。なかでも最も治りにくいとされる種類に対する新薬が、相次いで登場。効果に期待が集まっている。(坂上博)




 悪性リンパ腫は、白血球の中のリンパ球の一部ががん化する病気だ。首やわきの下、足の付け根などのリンパ節にしこりができることが多い。胃や肺などにできることもある。高齢化とともに患者は増えている。

 悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫(患者の約5%)と、非ホジキンリンパ腫(同約95%)の二つに大きく分かれる。このうちホジキンリンパ腫は、比較的抗がん剤が効きやすい。

 一方、非ホジキンリンパ腫は、進行のゆっくりした「低悪性度」から、月単位で進む「中悪性度」、週単位で急速に悪化する「高悪性度」と、病気の進み具合は様々だ。

 ただし、「高悪性度」の悪性リンパ腫は、進行も速いが薬もよく効き、治りやすい。

 実は、やっかいなのは「低悪性度」の悪性リンパ腫だ。進行は遅いのだが、薬があまり効かない。名古屋市の名古屋第二赤十字病院血液・腫瘍(しゅよう)内科部長の小椋美知則(みちのり)さんは「再発を繰り返し、治療が手詰まりとなることも多い」と話す。

 新薬の対象となるのは、「低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫」と、「マントル細胞リンパ腫」(低悪性度と中悪性度の中間)。両者で非ホジキンリンパ腫の約4割を占める、治りにくい悪性リンパ腫の代表だ。

 新薬の一つは、昨年承認された飲み薬、フルダラ錠(一般名リン酸フルダラビン)。従来の抗がん剤のような、脱毛やしびれの副作用はないが、白血球減少などには気をつける必要がある。

 もう一つは、今年に承認された注射薬のゼヴァリン(一般名イブリツモマブチウキセタン)。薬にイットリウム90という放射性物質を結合させ、放射線を発し、がん細胞を殺す。

 80歳代のA子さんは6年前、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫と診断され、抗がん剤治療を受けてきたが、今年3度目の再発を起こした。同病院で、ゼヴァリンの注射を受けたところ、1か月後には、検査でもがんが見つからなくなった。

 ゼヴァリンの治療ができるのは、放射線の管理ができる約60施設に限られる。体内の放射線はすぐに外出しても問題ないレベルに下がる。

 いずれも、従来の抗がん剤が効かなくなったり再発したりした患者が対象だ。

 小椋さんは「これらの悪性リンパ腫は、新薬でも完全に治すことは困難だが、再発までの期間を延ばすことが期待でき、従来の薬が効かなくなった患者にとって新たな選択肢が増えた意義は大きい。副作用が比較的少ないため、高齢患者に使いやすいのも利点だ」と話している。

(2008年12月26日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20081226-OYT8T00443.htm


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読売新聞記事「骨髄移植、2月以降の実施困難に」

2008-12-21 10:54:24 | よもやま話
骨髄移植、2月以降の実施困難に…医療機器の在庫不足で

 国内の骨髄移植の9割以上で利用されている米バクスター社製の医療器具が在庫不足となり、来年2月以降の移植が一時的に難しくなる可能性が出ていることが19日、わかった。

 新工場の稼働開始の遅れが原因。毎月百数十件ずつ実施されている国内の骨髄移植手術に支障が出る恐れもあるため、厚生労働省は22日、器具を輸入・販売する日本法人「バクスター」(東京都中央区)の担当者を呼び、調査に乗り出す。

 問題になっているのは、骨髄液の採取、濾過(ろか)に使う器具で、骨髄を移植された患者に血栓ができるのを防ぐのに欠かせない。

 米バクスター社は、この器具の製造部門を昨年3月、投資グループに売却し、米国内の工場も閉鎖。日本法人は在庫が切れる来年1月末以降、器具の製造を引き継いだ別会社の中米ドミニカ工場から輸入する予定だったが、品質・安全確認の遅れで、工場の稼働開始が3月以降にずれ込み、供給が途切れる見通しになった。

(2008年12月20日09時08分 読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081220-OYT1T00185.htm
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シンバイオ社の塩酸ベンダムスチンの開発状況

2008-08-20 20:23:58 | よもやま話
SyB L-0501(塩酸ベンダムスチン)の開発状況(2008.6月現在)

「SyB L-0501(塩酸ベンダムスチン)」については、既にドイツで血液腫瘍に対して幅広い適応を取得し市販されています。また、米国においてはセファロン社(本社:米国ペンシルバニア州)が、慢性リンパ性白血病の承認を取得しており、さらに、低悪性度非ホジキンリンパ腫を対象に承認申請中です。

シンバイオにおける開発状況

■ ベンダムスチンの第II相臨床試験の低悪性度非ホジキンリンパ腫の症例登録が完了 2008.5.21

シンバイオ製薬は2007年12月から全国18の施設で開始したベンダムスチンの非ホジキンリンパ腫を対象とする第II相臨床試験について、同試験の低悪性度非ホジキンリンパ腫については、目標症例数に達したため登録を完了しました。当初、症例登録には15ヶ月間を要すると予測していましたが、治験開始からわずか5ヶ月間という短期間で登録が完了しました。同試験のマントル細胞リンパ腫についても、近く目標症例に到達する見込みです。シンバイオ製薬は開発計画を前倒しし2009年末を目標に申請をめざすことにしました。






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悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫)

2008-08-12 19:16:46 | よもやま話
悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫)

どんな病気か
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 全身に広がっているリンパ組織内の細胞が悪性化し、次第に全身の臓器を侵していく病気です。


原因は何か
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 白血病と同様に、化学物質・放射線などさまざまな因子が関連していると考えられています。最近、病原体の関与が推測されており、一部の非ホジキンリンパ腫(バーキットリンパ腫、鼻腔原発(びくうげんぱつ)NK細胞性リンパ腫など)では、EBウイルス感染が関与していると考えられています。また、胃のMALTリンパ腫では、ヘリコバクター・ピロリ菌が発症に関与しています。
 このほかヒトヘルペスウイルス6型や8型、C型肝炎ウイルスなども発症に関与することが推定されています。


発生頻度
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 人口10万人に対して1年間に男性約9人、女性約6人の割合で発生します。非ホジキンリンパ腫の場合、50歳代から次第に増加します。これに対しホジキンリンパ腫では、20歳代と壮年層の2つのピークを認めます。
 欧米人は日本人より発症頻度が高いことが知られていますが、原因はまだ明らかではありません。日本人における頻度は最近とくに増加傾向にあり、その理由として国民年齢層の高齢化のほかに、診断技術の向上、ライフスタイルの欧米化などが指摘されています。


症状の現れ方
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 しばしばリンパ節腫脹から始まります。痛みがないため、気がついた時にはかなり大きくなり、また複数部位のリンパ節が同時に腫大してくることもあります。
 なお、日本人の場合、リンパ節腫脹以外で起こるリンパ腫(節外性リンパ腫)の形で発症するものが40%ほど存在します。リンパ節以外の全身ほぼすべての臓器から発生する可能性がありますが、日本人では胃から起こる症例が多いといわれています。節外性リンパ腫の場合も症状が乏しく、検診などで偶然見つかることがあります。
 全身症状としては、発熱、全身の倦怠感(けんたいかん)、体重減少、寝汗などがあります。とくにホジキンリンパ腫では38℃を超える発熱、全身のかゆみを訴えることがあります。


検査と診断
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 検査値の異常として貧血(正球性(せいきゅうせい)・正色素性(せいしきそせい)が多い)や白血球数の増加(好中球(こうちゅうきゅう)や好酸球(こうさんきゅう))、赤沈の亢進、血清LDH値の上昇などがあげられます。また、血清β(ベータ)2ミクログロブリン値や血清可溶性IL(インターロイキン)―2受容体の値は、病気の勢いと相関することが知られています。

 診断上最も重要なのは、病変を手術によって切り取り、顕微鏡で組織学的に検査することです(生検)。そして病巣がどの範囲に広がっているか(病期)を決定します。これは病期により治療方針が異なるためです。

 病期診断では、体の表面にあるリンパ節は医師の診察のみでわかりますが、体内の病変については画像診断検査が必要になります。CT、MRI、超音波検査、消化管内視鏡検査などを行い、病変の広がりを決定します。最近保険適応となったPET(ポジトロン断層撮影法)を併用することで、悪性リンパ腫のより正確な病期診断が可能になりました。

 病期は一般的に次のように分類します。
Ⅰ期:ひとつのリンパ節領域だけに病変が存在する時期
Ⅱ期:横隔膜(おうかくまく)をはさんで上のみ、もしくは下のみで、2つ以上のリンパ節領域が腫大している時期
Ⅲ期:横隔膜の上下に病変が存在する時期
Ⅳ期:病変がリンパ組織以外の部位に広汎に及んでいる場合


悪性リンパ腫の分類
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 悪性リンパ腫のうち、特徴的な巨細胞(ホジキン細胞やリード・スタインバーグ細胞などと呼ばれる)を認めるものをホジキンリンパ腫、そのほかのものを非ホジキンリンパ腫と呼びます。

 ホジキンリンパ腫はリンパ球豊富型、結節硬化(けっせつこうか)型、混合細胞型、リンパ球減少型に分類されます。

 非ホジキンリンパ腫は多くの分類法がありますが、第一に腫瘍細胞の性質からみてB細胞性、T細胞性、NK細胞性などに分ける方法があります。日本人の場合、B細胞性が70~80%を占めるといわれています。

 そのほか、進行の早さからみて低悪性度群(濾胞性(ろほうせい)リンパ腫の多く)、中等度悪性度群(びまん性大細胞型など)、高悪性度群(バーキットリンパ腫、リンパ芽球性(がきゅうせい)リンパ腫など)に分類する方法もあります。


治療の方法
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●ホジキンリンパ腫
 限局型(前述Ⅰの期、Ⅱ期)では化学療法を3~4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが、最近では一般的になっています。その理由は、全身に広がっているかもしれない病巣を根絶して治すためです。この治療で大部分の人が5年以上生存します。

 全身型(前述のⅢ期、Ⅳ期)では化学療法を行います。最近では70%以上の症例で寛解(かんかい)(一時的に正常な状態になること)となり、その半数以上が10年間再発することなく生存できます。

 ホジキンリンパ腫に対する標準的化学療法は、ABVD療法(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)とされています。



●非ホジキンリンパ腫
 ホジキンリンパ腫と同様に、限局型(I期、Ⅱ期)では化学療法を3~4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが一般的です。限局型に対して放射線療法と化学療法を併用して行った場合、70%以上の症例で長期生存が得られます。

 全身型(Ⅲ期、Ⅳ期)は、強力な化学療法を行うことにより60~80%の症例で寛解が得られ、2年以上寛解を継続した例では長期生存が期待されます。

 非ホジキンリンパ腫に対する現時点での標準的化学療法は、CHOP療法(シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)です。

 B細胞性リンパ腫の90%以上の症例に発現しているCD20抗原と特異的に結合するモノクローナル抗体のリツキシマブは、前治療がある症例に単独で使用しても30%以上の奏効率を示しましたが、リツキシマブと化学療法を併用すると非常に高率で寛解が得られることが、多くの研究より判明しました。したがって、今後B細胞性非ホジキンリンパ腫に対しては、リツキシマブと化学療法が標準的治療法になる可能性があります。

 化学療法に耐性(たいせい)が生じた症例と寛解後に再発した症例には、自家造血幹細胞(じかぞうけつかんさいぼう)移植(自己の骨髄(こつずい)または末梢血幹細胞の移植)と組み合わせた大量化学療法が適応となります。また、最近の研究では全身型(期または期)、一般状態の不良(外来通院が困難な程度)、血清LDHの高値が予後と相関することがわかり、これらの因子を有する患者さんに対して、初回治療時より自家造血幹細胞移植を計画することの意義も検討されています。


病気に気づいたらどうする
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 血液内科専門医の診察を受けることが先決です。悪性リンパ腫には多くの病型があるうえに、最近の予後因子に関する研究の進歩などにより、患者さんごとに最適な治療を行う試みが各医療機関で行われています。悪性リンパ腫の多くは治癒の機会が残されているので、治療法について担当医と十分相談したうえで、患者さん自身が納得できる治療を受けることが重要です。


(執筆者:和泉 透)

http://health.goo.ne.jp/medical/search/10N20800.html

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抗体医薬や酵素阻害薬がポスト「リツキサン」を狙う

2008-07-23 17:44:05 | よもやま話
日経バイオテク7月14日号「パイプライン」、第31回 悪性リンパ腫治療薬
2008-07-16 15:26:46

抗体医薬や酵素阻害薬がポスト「リツキサン」を狙う

 抗体医薬の「リツキサン」が効かない患者に対しても有効な薬剤が求められている。世界では2種の抗原を認識する抗体や葉酸合成阻害薬など分子標的薬の開発が進行中。標準的に使われている化学療法と組み合わせて治療効果の増大を狙う。



######
面白そうだけと、会費が12000円前払いで、今回はパス。

http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20054596




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SyB L-0501(塩酸ベンダムスチン)

2008-07-20 12:08:31 | よもやま話
シンバイオにおける開発状況
■ ベンダムスチンの第II相臨床試験の低悪性度非ホジキンリンパ腫の症例登録が完了 2008.5.21

シンバイオ製薬は2007年12月から全国18の施設で開始したベンダムスチンの非ホジキンリンパ腫を対象とする第II相臨床試験について、同試験の低悪性度非ホジキンリンパ腫については、目標症例数に達したため登録を完了しました。当初、症例登録には15ヶ月間を要すると予測していましたが、治験開始からわずか5ヶ月間という短期間で登録が完了しました。同試験のマントル細胞リンパ腫についても、近く目標症例に到達する見込みです。シンバイオ製薬は開発計画を前倒しし2009年末を目標に申請をめざすことにしました。

2005年12月にシンバイオ製薬初の契約締結となった抗がん剤「SyB L-0501(塩酸ベンダムスチン)」は、ドイツにおいて既に非ホジキンリンパ腫の治療薬として「リボムスチンR」の商標で長年使用されている抗がん剤です。最近の報告では、SyB L-0501(塩酸ベンダムスチン)は従来使われていた他の化学療法薬と比較して副作用が少なく、また、より効果的な抗がん剤であるとの第II相臨床試験の結果が、2005年12月米国血液学会(ASH)において公表されています。

この製品の導入は、第一に現在最適な薬剤がなく待ち望んでいる患者さんがいる、まさしく「空白の治療領域」の薬剤であること、また当社が特化している分野(血液がん)であることが決定の決め手となりました。

現在、対象となる患者さんは国内に約5,000人です。

今後当社では、難治・再発性低悪性度非ホジキンリンパ腫を対象に臨床試験を実施し、2011年上半期の上市に向け効率とスピードを最優先した開発を進めてまいります。



http://www.symbiosis.co.jp/html/pipeline_01.html




 
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未承認薬のベキサールの状況

2008-07-17 23:45:18 | よもやま話
トシツモマブ(ベキサール)
海外販売名:Bexxar/一般名:iodine I 131 tositumomab

●対象疾患:
B細胞性非ホジキンリンパ腫
●未承認薬使用問題検討会議での主な検討結果:
医療上の必要性が特にトシツモマブについて高いとは言えない(2006/1/19)
●国内における開発状況:
検討当時の状況:国内治験前
●関連情報(国内):
未承認薬使用問題検討会議ワーキンググループによる報告書(PDF)(以下に一部引用)
「2005年9月末現在で、本剤は米国及びカナダで承認されて使用可能になっているが、国内においては治験が実施されていない。製薬企業の臨床開発が計画されてこなかったことがその一義的な理由であるが、本剤はガンマ線を放出するために周囲への放射線被曝の問題があること、有効性がイブリツモマブと同等であることも背景として挙げられる。我が国でイブリツモマブが使用可能になれば、本剤の医療上の必要性は特に高いとは言えないと判断される。」


詳細は
http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/med_info/drug/tositumomab.html







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臨床試験の募集と標準療法

2008-07-17 23:32:44 | よもやま話
現在、国内の臨床試験データベースに登録されている濾胞性リンパ腫に関する臨床試験を見つけました。 現在募集中です。 これが標準療法になっていくのではないでしょうか? 結果はまだ先みたいですが。


詳細は:
https://center.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&recptno=R000001401&type=summary&language=J



試験名: Rituximab未投与CD20陽性低悪性度B細胞性リンパ腫に対するRituximabによる寛解導入療法と維持療法の第II相臨床試験
登録日: 2008/06/16 13:36:22
更新日: 2008/06/16 13:35:46

リツキシマブの治療歴のないCD20陽性低悪性度B細胞性リンパ腫を対象に、リツキシマブ8回投与による寛解導入療法と6ヶ月毎に4クール行うリツキシマブの4回投与による維持療法(2年間)の有効性と安全性を検討する。


選択基準
1.病理診断が低悪性度B細胞性リンパ腫。
2.CD20抗原陽性が証明されている。
3.Ann-Arbor病期分類でII-IV期(バルキー病 変なし)。
4.末梢血で腫瘍細胞が5000/mm3以下。
5.測定可能病変を有する。
6.リツキシマブによる治療歴がない。
7.リツキシマブ初回投与時入院が出来る。
8.PS(ECOG)が0-2である。
9.主要臓器の機能が保たれている。
10.本試験参加について文書による同意が本人から得られている。



除外基準
1.臨床診断で中枢神経系の浸潤が有る。
2.再発時に臨床的または病理学的に形質転換している。
3.緑内障の既往がある。
4.重篤な薬剤過敏症の既往がある。
5.HIV抗体、HTLV-1抗体、が陽性である。
6.HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体が陽性である。
7.治療を要する心疾患の合併。
8.肝硬変の合併。
9.コントロール不良の糖尿病の合併。
10.血液透析患者。
11.肺繊維症、間質性肺炎がある。
12.活動性の重複癌がある。
13.妊娠、授乳婦及び妊娠の可能性(意志)がある。
14.統合失調症などの重度の精神障害がある。
15.ステロイド剤の継続的な全身投与を受けている。
16.その他不適当と判断された場合。



目標参加者数 42


責任研究者名
永井宏和 国立病院機構名古屋医療センター 臨床研究センター
名古屋市中区三の丸4-1-1
052-951-1111
(E-mail) nagaih@nnh.hosp.go.jp


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高額療養費

2008-07-11 14:43:12 | よもやま話
高額療養費

最近は、厚労省が袋叩きにあっていて、特に後期高齢者健康保険が槍玉に上がっています。 日本の保険や年金は、歴史があると言うか、つぎはぎだらけの改正を長年に渡って行ってきたので、非常にわかりにくくなっています。 また制度も不公平なところが多く、必要な人に必要な支援がなされていない点が多々見受けられます。

しかし、今回は少し見直しました。 別稿で医療費包括請求制度について少し述べましたが、それは病院側の問題であって、患者側ではありませんでした。

患者側の制度として大きいのは、高額医療費制度で、病院の窓口で高額の医療費を払った場合、ある一定の基準額を超えていると払い戻してくれる制度です。 今回の場合で言えば、先に申請をしておけば、払い戻しも病院側がやってくれました。

リンパ腫では、リツキサンの薬価が高くて、1回当たり20万円近くするようです。 また最近話題のゼヴァリンは、400万円近くと途方もないお金がかかります。 白血球増強剤も結構高くて、1回当たり数万円するようです。

もちろん、健康保険が利くので、窓口では3割負担ですが、例えばリツキサンの点滴を毎月受けるとそれだけで負担が10万円ぐらいになり、さらにCHOP療法も入れると、15万円ぐらいになってしまいます。 これが半年続くと、3割負担分だけでも100万円近くになってしまいます。

これをさらに、支援してくれるのが、高額医療費制度です。 収入によって、また市町村によって異なりますが、いくらかかったとしても 6万円ぐらいから8万円程度の実負担で収まるようになっています。

ただし、暦月1カ月(1日~月末)の診療で医療機関別、診療科別、入院・通院別に計算されますので、良くあるのは、入院した月に当然通院がありますが、これが別々になるということです。 最悪ケースは、負担が2倍になる可能性があります。 入退院を繰り返し、さらに通院で高額の治療が必要なら、常に2倍必要になるので、その時は金額の観点だけからするとずーっと入院を続けていたほうが良いことになります。


今回は、初めてでしかも国民健康保険だったので、市役所に行きましたが、保険証番号を聞くなりあっという間に証明書を発行してくれました。 それを病院に持っていって終わりでした。 外来は少し違うようです。 また、毎月申請をやり直さないといけないようです。



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市川團十郎が再入院

2008-07-04 08:53:08 | よもやま話
市川團十郎が再入院、手術へ…妹から骨髄移植 7月3日17時1分配信 夕刊フジ


再び闘病生活を送ることになった團十郎さん

 歌舞伎俳優、市川團十郎さん(61)が2004年にかかった急性前骨髄球性白血病の病状が改善せず、近く再入院することが3日、分かった。貧血が続いているため、妹の市川紅梅さんから骨髄を移植する手術を受ける予定。入院の期間は未定だが、年内の公演は予定しておらず、休演や降板はないという。

 團十郎さんは2004年5月、急性前骨髄球性白血病で緊急入院。一時は舞台復帰したものの、05年8月に再入院し、自身の骨髄の幹細胞を再注入する「末梢血自家移植」の治療を受けた。

 治療は抗がん剤の大量投与を必要とし、厳しい闘病生活を送ったが、06年2月に退院。この年の5月に舞台復帰し、昨年3月、パリのオペラ座で行われた歌舞伎のパリ公演にも出演。紫綬褒章を受章し、テレビ番組などにも出演して元気な姿を見せていた。

 関係者によると、團十郎さんは06年2月の退院後も、貧血が続き、医師の治療を受けていたという。が、改善が見られず、入院を決意したという。





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団十郎復帰会見、過酷な闘病生活語る [2006/3/16/08:37 紙面から]

 「無間地獄から戻ってきた感じです」。急性前骨髄球性白血病再発のため昨年8月末から入院・休養していた歌舞伎俳優市川団十郎(59)が15日、東京・歌舞伎座で復帰会見で行った。抗がん剤の大量投与後の末梢血(まっしょうけつ)幹細胞自家移植で完治。5月の歌舞伎座「団菊祭」で舞台復帰するが「最初の入院(一昨年5月)とはケタ違いに大変でした。投与中は帆船で大嵐の中を航海しているような気分だった」と過酷な闘病生活を振り返った。

 一昨年10月の復帰会見では「浮世に戻ってきました」と話した団十郎だが、再入院となった今回は「無間地獄から戻った感じです」と振り返るほど過酷な治療だった。

 検査で再発が分かり、昨年8月29日に再入院した。当初は再発を「風邪がぶり返したぐらい」にしか思っていなかったが、医師から「かなりのリスクを伴い、相当の覚悟が必要」と宣告された。治療には骨髄移植なども検討されたが、結局、自分の骨髄の幹細胞を移植する末梢血幹細胞自家移植が行われた。昨年12月、大量の抗がん剤を投与して陰性にした後、幹細胞を採取。さらに前処置として抗がん剤を再度大量に投与して、幹細胞を移植した。

 団十郎は「肉を切らせて骨をたつ療法だった。投与中は、顔は真っ黒で、帆船で大航海し大嵐の中で船底で船酔いしている気分。その1週間は地獄の亡者みたいな気持ちだった」という。自家移植の結果、医師から100%完治とは言えないが、高い確率で完治とのお墨付きをもらった。

 「14日の定期検査も何の問題もなかった。コレステロール値も下がり、入院前より健康的になった」という。退院から3カ月後に1日5000歩、半年で1日1万歩を歩くようにと言われている。「入院では妻や娘、せがれ(海老蔵)ら家族が私を支えてくれた。それに私の中の60兆、70兆の細胞にも感謝したい」。

 5月の歌舞伎座「団菊祭」の「外郎売(ういろううり)」で舞台復帰する。「無上の喜びで、前よりも楽しんで務められる心境になった。今回は1つですが、今後は舞台の数も増やしたい」。海老蔵(28)に「顔色が良くなったね」と声を掛けられ「むずがゆい気持ち」と述懐したが、息子の恋人米倉涼子(30)との破局について質問されると「入院中に風の便りで聞いたけれど、当時はそれどころでなかったから」と話した。



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分子レベルでの寛解の確認

2008-06-28 18:02:09 | よもやま話
【リアルタイム定量PCR法とは】

リアルタイム定量PCR法は、PCRによる増幅反応をリアルタイムにモニタリングし、サンプル中に存在するDNA、RNAの量を定量的に測定する方法です。あらかじめ決められたサイクル数でのバンドの有無(濃淡)によりPCR産物量を測定するPCR(RT-PCR)法に比べて、(1)高い定量性、(2)高感度、(3)広いダイナミックレンジ、(4)高い再現性を得ることができます。

また、リアルタイム定量PCRには以下に示すようにいくつか方法があります。

1.絶対定量
既知のコピー数を含んだ標準サンプルを用いて検量線を作成し、測定対象サンプルのコピー数(絶対量)を測定する方法です。

2.相対定量(標準サンプルによる検量線法)
目的の遺伝子(ターゲット遺伝子)と内部標準遺伝子(リファレンス遺伝子)の相対値を算出し、サンプル間の比較を行う方法です。標準サンプルを用いて、遺伝子ごとに検量線を作成(内部標準遺伝子も含む)し、また、サンプルにより最適な内部標準遺伝子を選択する必要があります。

3.比較Ct法(ΔΔCt法)
比較Ct法は基準となるサンプルと比較して、未知サンプルが何サイクル早く、あるいは何サイクル遅くThreshold Lineに達するかに注目して相対定量する方法です。1サイクルの検出の違いで2倍量の差となる、という理論を使用します。検量線作成が不要なので多サンプルを処理できるというメリットがありますが、ターゲット遺伝子と内在性コントロール遺伝子のPCR効率がほぼ等しいことを確認する必要があります。



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ノイトロジン 自主回収

2008-06-27 08:00:49 | よもやま話
患者様へ

ノイトロジン®注およびエポジン®注の回収のお知らせ

このたび弊社では、下記の理由でノイトロジン®注*およびエポジン®注**の一部製品を自主回収することにいたしました。

患者様には大変ご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。以下状況をご説明申し上げます。

ノイトロジン®注およびエポジン®注の製造過程の細胞培養***の段階において、ウシ胎仔血清(FCS)を培地****に栄養素として少量添加しております。2004年7月5日制定・施行の生物由来原料基準の改正にともないFCSの原産国の切り替えが求められ、弊社ではこれに準拠するために(1)培養段階では、非米国産FCS(豪州産FCS)のみを使用することとし、それとともに(2)既に製造されていた有効成分(原薬)については、米国産FCSを用いた原薬を確認し該当の原薬を破棄したと認識しておりました。

しかしながら、本年2006年6月5日の医療機関からの問い合わせをきっかけに再調査を行った結果、原産国の切り替えが求められる以前に製造された原薬のうち、当初の調査結果(2003年12月)で「豪州産FCS使用」とされていた原薬の一部で米国産FCSを使用していたことが判明いたしました[確認日:ノイトロジン®注 6月9日、エポジン®注 6月10日]。この誤った調査結果が原因となり、当該米国産FCS使用の原薬を用いた製品の一部が上記基準の猶予期間+を超えて混在し、出荷されておりました。弊社では、該当する製品をただちに出荷停止(6月12日)するとともに、事態を関係当局に報告および指示を仰いだ(6月13日)上で、自主回収を決定した次第です。

続く6月14日には取引店様に回収手順をご説明、6月15日から全国の該当製品を納入した医療機関に製品回収のご案内を開始しました。6月19日の時点では9割以上の施設にご案内を終了しております。また、新たに出荷される製品には、米国産FCS使用の製品が混在することはございません。

当該製品は、厚生労働省の通知++により示された方法で実施したリスク評価で基準をクリアしておりますので、現在の科学水準からみて健康被害を生じるリスクは極めて低いものと考えております。
また、該当ロットに使用された米国産FCSは、欧州医薬品品質理事会(EDQM)+++の証明書により、欧州にて使用が許可されている原材料でございます。

しかしながら、このたびの事態は、当時の新規のガイドラインに対応するための書類作成、およびその確認作業の過程で発生したものでございます。
高品質の製品をもって社会に貢献することをめざしております弊社にとりまして、再調査を実施するまで事態を認識できなかったことは、痛恨の極みでございます。

対応にあたりましては、医療関係の皆様への十分な情報提供を基盤として、専門家のご意見とともに患者様に正確な情報をお伝えすることを第一に考え、対応を図ってまいります。

患者様には、多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深く反省し、衷心よりお詫び申し上げます。弊社といたしましては、このようなことが二度と起こらないようチェック体制の強化と高品質を求める企業体質をより強化していく所存でございます。


中外製薬株式会社

* ノイトロジン注:白血球減少症治療薬
** エポジン注:腎性貧血治療薬
*** 培養:生物学的製剤の製造過程において、産生細胞を培地の中で増やすこと
**** 培地:直接の原料ではなく、細胞を培養するときのいわば“畑”にあたるもので精製される工程で十分に除去される
+ 定められた猶予期間:米国産ウシ由来原料を使用した製品は生物由来原料基準一部改定に基づき経過措置期間内(2004年9月30日まで)に原産国の切替えを行う。
++ 厚生労働省の通知:薬食審査発第0801001号、2003年8月1日
+++ EDQM:(European Directorate for the Quality of Medicines:欧州医薬品品質理事会)欧州局方に準拠していることの証明書を発行している公的機関で、この証明書が欧州でのFCS使用の安全性を担保している



お問い合わせの例
Q: 今回の回収の対象となる製品はどのようなものですか?
A: 米国産ウシ由来原料を使用したノイトロジン®注およびエポジン®注で、2004年10月1日以降に出荷された一部の製品が対象となります。

Q: 今回の回収該当品を投与された際の健康被害はありますか?その安全性を教えてください。
A: 2004年10月1日から2006年6月12日までの期間では、ノイトロジン®注およびエポジン®注の投与例において、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症したという報告はありません。また、エポジン®注(1990年)、ノイトロジン®注(1991年)発売以降、2004年9月30日までの期間においてもそのような報告はありませんでした。

Q: 健康被害の恐れがきわめて少ないのに、なぜ回収するのですか?
A: 米国産ウシ由来原料を使用した製品は、生物由来原料基準一部改正時の経過措置期間内(2004年9月30日まで)に原産国の切り替えが求められておりました。しかし、2004年10月1日以降に出荷されたノイトロジン®注およびエポジン®注の一部で、米国産ウシ胎仔血清(FCS)を使用して培養した有効成分が使われていたことが判明いたしましたので、該当製品を自主回収することにいたしました。

Q: FCSとは何ですか?また、何のために使用しているのですか?
A: FCSはウシ胎仔血清(fetal calf serum)のことです。有効成分を細胞から産生させるための培養液中に、栄養素(成長因子)を供給するために加えています。
Q: 培養液中に入れたFCSはそのまま製品に入るのですか?
A: 有効成分を産生させた培養液の精製工程でFCSや他の不純物は充分に除去されます。

Q: いつ不適切な出荷があるとわかったのですか?
A: 2006年6月5日に医療機関より、「ノイトロジン®注およびエポジン®注のウシ由来成分の生産国はいつ低リスク国産に切り替わったのか?」とのお問い合わせを受け、その調査過程において判明いたしました。
ノイトロジン®注は6月9日(金)に、エポジン®注は6月10日(土)に判明しました。

Q: どうしてこのようなことが起こったのですか?
A: 2003年12月に実施したウシ由来原料の調査において、ノイトロジンおよびエポジン有効成分の製造過程で使用されるFCSの原産国調査を行いました。その際に調査の過程で人為的ミスがあったこと、またそれを検証する体制が不十分であったことが原因で原産国を誤認してしまいました。
Q: これから投与される製品は安全ですか?
A: 医療機関に該当する製品を案内し回収中であること、およびこれから出荷される製品は、すべて低リスク国産FCSを培地に加えて製造した有効成分を製剤化した製品に切換えていることから安全です。

Q: 再発防止策を教えてください。
A: 現在のチェック体制を見直し、複数部門によるチェック体制をより強化してまいります。なお、すでに米国産FCSの購入は行っておりません。





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2006年9月 患者様へ

ノイトロジン®注、エポジン®注自主回収についてのお詫びとご報告

この度のノイトロジン®注及びエポジン®注の自主回収におきましては、患者様には多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしましたことを深く反省し、衷心よりお詫び申し上げます。
本件につきましては、監督官庁である東京都に回収終了報告書を提出し、8月24日に受理いただきましたことをご報告申し上げます。

今回の自主回収は、2003年12月米国でのBSE発生に伴うウシ胎仔血清(FCS)の原産国調査において、一部の原薬について米国産FCS使用とすべきところを豪州産FCS使用と誤って記載し、国が定めた米国産FCSの使用可能な期限終了後も、その原薬を使用した製品を製造出荷していたことによるものです。

この事態に対し、医薬品医療機器総合機構及び厚生労働省による立入り調査を受け、生物由来原料の取り扱いに関する改善策を提出し受理いただいております。
具体的には、従来の品質保証体制に加え、本社品質保証部門と生産工場間にて生物由来原料に関する情報が正確に把握され、国が定めた規制に準拠した製造が行われていることを常に確認できる社内体制を整備することといたしました。

このような事態を招きましたことを真摯に受け止め、関係者に対し社内規程に則って、社長をはじめ関係役員および担当者合計10名に対し、減俸、降格等厳正な処分を行うことに決定致しました。今後は、上記の具体的改善策を着実に遂行し、再びこのような事態を生じさせないよう全社をあげて品質保証体制強化に取り組んでまいる所存でございます。

今回の回収対象製品は、厚生労働省の通知により示された方法で実施したリスク評価により、十分安全であるという結果が得られておりますので、健康被害を生じるリスクは極めて低いと考えております。しかしながら、万が一、今回の回収対象製品により患者様に健康被害が生じた場合には、弊社が誠意を持って適切に対応させていただきます。

この度の回収に際しまして、患者様方には多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。
本件につきましてのお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。


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