HARUSYO'S WORLD 二宮春将の世界

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二宮春将の歴史小説 卑弥呼の恋人 第4回

2010-12-16 05:45:08 | 日記
 卑弥呼は魏の使者を迎えて自分の奥深まった部屋に案内して二人きりで話をした。
「この国は今国内の近隣諸国を相手にするだけで精一杯です。外国の軍勢を相手にしている余裕はありません。あなたがお国に帰って報告する時、この邪馬台国がどこにあるかの記述をあいまいにして欲しい」
 卑弥呼は魏の使者にこう頼んだのだった。
そして、この使者に対して邪馬台国の中でも選りすぐりの美女を選んであてがい骨抜きにしてしまったのである。
 この卑弥呼の判断により、邪馬台国は外国に攻められずにすんだが、その後この国はどこにあるのか存在が分からなくなり、その場所の所在は永遠のなぞとなったのである。
 卑弥呼は魏の使者が、自分の配下の美女に骨抜きにされるのを見て、ニンマリと笑った。
「これで邪馬台国はしばらくは安泰じゃ。それにしても私の国は頼りになる家臣がおらん」
 卑弥呼は頼りになる家臣がいない事に頭を痛めていた。