花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

十二月大歌舞伎

2007年12月27日 | 歌舞伎
久々歌舞伎座公演の観劇後の投稿をしないままでいた。
見に行ったのは、9日昼、24日夜の部だった。
人気のある役者のそろった歌舞伎座だった。
だが・・私が、「見たい!」と思う演目はなかった。
だったら何で見にいく?と問われそうだが、
行かない!と嫌うわけでもなく、
どんな風に演じるのだろう?
どんな仕上がりなのだろう?
という好奇心をそそられ出かけていった歌舞伎座公演だった。

昼の部
鎌倉三代記
  絹川村閑居の場
時姫だよねえ・・。綺麗なんだけど・・。なにか物足りないんだよなあ。
なんだろ?
三津五郎の前半後半の違いが見せ所かなあ。
この人、ハズレはない。そんな時代物。
基本はいいんだけれど・・以前から言われる玄人には好まれるけど
華やかさにかける・・そんな言葉を思い出した。

信濃路紅葉鬼揃
玉三郎らしい世界だ。以前松緑襲名の船弁慶でも義経の衣装が能狂言のようだった。美を意識した松羽目物のような(?)舞台出仕上げられていた。
松が、描かれていたが、一般に見る松の木の描き方とは少々異なって
淡い水彩画のように見えた。
歌舞伎では大木を中央に位置させ、 舞台上に常磐津、長唄、義太夫が居並び競演するのが特徴となるが、その面白さをのぞき、あくまでも能『紅葉狩』を意識した構成だろう。
華やか、綺麗さで魅せているが、
同じ能を題材にして歌舞伎の松羽目物とした「土蜘」に比べると歌舞伎で演じる面白さを感じることはなかった。(この構成で、面白さなど追求してない!といわれそうだが)
「土蜘」は「土蜘蛛」に比べるとやはり大衆向きでダイナミック。後シテもかなりう派手だ。ザ・歌舞伎にした雰囲気を持つ。そこが、私の好きなところでもあるわけだ。
今回の『紅葉鬼揃』歌舞伎座で新しさはあるものの・・だったら、能の荘厳さのようなものでいいんじゃない?と思う場面も。
毛振りもまあ大人数でせっかくするのに・・なにかたらたら。
まあ、あれでいいのかな。
『美』を追求し魅せる玉様ワールド・・と。
まあ・・玉様ファンにとって素敵な舞台となるのかも。
そんななか、歌舞伎流でみせた山神で軽快に踊る勘太郎が印象に残った。

水天宮利生深川
 筆屋幸兵衛
これもねえ・・最後めでたし、めでたし。
貧乏ゆえ、錯乱状態に陥る姿。これをどことなく滑稽に見せる勘三郎。
暗いゆえに・・わざと滑稽に見せるのだろうけれど・・
それが笑えない私だったりするわけで、現勘三郎の父の持ち役であり、当たり役。
六代目菊五郎の持ち役でもあるそうな。
六代目もこんなに滑稽に演じたのだろうか?
勘三郎のそこがいい!素晴らしい!という人おおけれど、
そこがダメという少数派が、ここにいるのだ。

夜の部
菅原伝授手習鑑
 寺子屋
これ・・どう見ても配役無理でしょ・・って見る前から
源蔵海老蔵、松王丸勘三郎の配役に首をひねる。
腹芸というより見た目のリアルさで行く今の海老蔵・・
相当な源蔵になりそう・・とは想像がついた。そして見てもああやっぱり。
それをおさえるべき大きさを見せる松王丸となるわけなのだが、自分でいっぱい。
源蔵が三津五郎あたりだったらと。
源蔵まで気が回っているのか?と思うような。ぶつかり合いが互角とは思えない。
今の海老蔵ワールドだれかきちんと補正するよう導いて!!と強く願う。

粟餅
さすが・・と思わされる軽妙で楽しい舞踊だが・・この後半の演目を見終わった後、この「粟餅」カットしてもいいのでは?と思ってしまう。
ここだけが、普通の歌舞伎の舞踊の時間だ。それが異質に感じてしまう。
もったいない。

ふるあめりかに袖はぬらさじ
「十二夜」ほどではないにしろ・・これ歌舞伎座で歌舞伎公演で魅せてしまうのか。と思う有吉佐和子さん原作で上演されていた作品。
もちろん古典でなく現代もの。まあ現代でなく、近代物。
玉三郎が魅せる、生前の杉村春子の当たり役のひとつだった人情喜劇のヒロイン役お園。今回で9度目だそうな。
面白いんだけど(単行本で書かれてる文章・・原作?も好きだ)・・なんだか前の二つと不釣合い過ぎて、これ一本で夜の部よかったのでは?と思ってしまった。
もし時間的にもう一つというなら
三津五郎に申し訳ないが、正統派でいった「粟餅」はずしていいんのでは?と思ったほど。



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2 コメント

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お待ちしておりました~ (yaya)
2007-12-27 23:25:24
harumichinさんの歌舞伎座感想。

私も当月、勘太郎くんの山神が一番腑に落ちました。
以上(笑)
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遅くなって・・・ (harumichin)
2007-12-28 19:53:48
最近、歌舞伎・・あっさりとしてますよね。
ようやく・・で(苦笑)
つくづく古典好きなのかも・・と。
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