花がいっぱい。

どんな花も無心に
咲いているから素敵なんだって。
無心になんかなれないよ。
どれもこれも気になっちゃってるんです

六月大歌舞伎

2008年06月16日 | 歌舞伎
15日(日)昼夜通し
昼の部
新薄雪物語
 序 幕 新清水花見の場
 二幕目 幸崎邸詮議の場
 三幕目 園部邸広間の場
   同 奥書院合腹の場
俄獅子

夜の部
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  すし屋
身替座禅
生きている小平次
三人形
  
『新薄雪物語』は「役者がそろわないと」と聞いたことがある配役に豪華さがあり
見所としてあげられるのは最後「奥書院合腹の場」での「三人笑い」のある
幸崎伊賀守(吉右衛門)と園部兵衛(幸四郎)が互いの首桶の中身を見せ合うところなども緊張感が伴っていたように感じ取れた。

浄瑠璃では、親のために子供が犠牲になり命を捨てることが多いなか、この狂言は子供を救うために親が犠牲になるという珍しさがある。
そのほかにもこの義太夫狂言ながら技巧的にめずらしさがあったり、左衛門(錦之助)には和事の味が必要だとか。
その左衛門の錦之助久しぶりにまさにやらか~い貴公子!イケメンを見た。
この人まだまだいけますねぇ。最近はいろいろな役を演じていてどれがいいのか?だけれど。

だだ以前團十郎や菊五郎が出演した新薄雪物語に比べると、つまらなかったのが、
清水寺での奴妻平の立ち廻りシーン。
見ていてワクワク感がない、なんだか華やかさにかける。
水奴の真っ赤な紅絹襦袢で捌き髪に鉢巻、手には湯桶となんらかわりあないのだけれど・・。
三津五郎演じた奴妻平が急に蘇ってしまって・・
あれはいつだったのか?と思わず、筋書きに掲載されている以前の配役欄で確認してしまった。

そして悪役大膳の富十郎・・このかたは、体型的にはちっとも大きくない方だが
声のよさ、貫禄で悪役に大きさがでている。
幸崎伊賀守と園部兵衛との直接対決はないが、やはりあの二人を向こうに嫌な敵役にはこの方が今一番かと。
一方今回は、富十郎葛城民部も演じている。大膳だけではもったいなくもあり、また実際に他には出演者のなかでこの人しかいないよなとも。

『すし屋』ひさびさに江戸版を見た・・そんな気がしてしまった。
一時やたらこのすし屋がかかっていたように思えたのだが・・
吉右衛門のいがみの権太は16年ぶりとか。
せりふ回しと雰囲気が、二代目松緑に似ているとかかれていた評がかなりあっだが、その二代目松緑の権太は、写真で見るのみ。
まあ、ここが歌舞伎の歴史の皮肉!!
そんなによかったのか?二代目松緑。知らないのが残念でならない。
でも、よかったんだろうなあ...今回の吉右衛門の権太
同じ江戸版でも菊五郎が演じる江戸前の小悪党とはまた違う雰囲気だ。
いがみ=ゆがみ だったと思うが、ひねた権太を見せる吉右衛門版
歌六のおやじ、吉之丞のおふくろ様、芝雀のお里がよく、夜の部の
見所一番の作品かも。

でもね、やっぱり仁左衛門が好きなんだなあ。
『身代座禅』右京の仁左衛門はもとより
千枝、小枝の巳之助、隼人まで切符購入時点で気になった演目。
奥さま玉ノ井が、今回は、段四郎。
いままでみたご夫婦で、一番リアル?
玉ノ井役、吉右衛門、仁左衛門、左団次、彦三郎、団十郎と記憶はさだかでないけれど段四郎身長が高くない分夫婦としては一番ありがち?
そして右京が、これまたやはり関西の色気?
菊五郎や富十郎とは、やっぱりちがう。
花子とのやり取りや行きたいとちょっと甘えてみせる姿が、和事の代表作『廓文章』伊左衛門に重なってしまった。
一方、太郎冠者は、錦之助。最近私のなかでは、錦之助=『身代座禅』の太郎冠者と固定状態。
右京はもちろん主役だけれど、この太郎冠者もいいやくだよなあ。と

『生きている小平次』
殺して死んだと思っていたのに..生きている小平次は、まさに怪談もの
落語でもしばし語られてきた。
九代琴松(幸四郎)演出という演目。
怖い~と思いながらもちょっと笑わせる要素があるのは、意図するところかな?
なくてもいいような..。
できればもう少し小さな劇場で見てみたい演目。

踊りは、昼の俄獅子のほうがすっきり
夜の『三人形』最後ににうには、綺麗なんだけれどちょっとマッタリすぎかな。



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